Nの祝祭日

映画、読書などのメモ

トロピカル・マラディ

2023-02-21 | chinema(アジア系映画)

 

シネマです。

タイのお話である。
私には、暗闇が恐怖だった。

★トロピカル・マラディ
原題:Tropical Malady
監督:アピチャッポン・ウィーラセタクン
出演:バンロップ・ロノーイ、サクダー・ゲオブアディー
2004/タイ=フランス

「人間はだれでも猛獣使いであり、その猛獣にあたるのが、各人の性情だという。己(おれ)の場合、この尊大な羞恥心が猛獣だった」中島敦の「山月記」の一節が引用されたが、僕にはその意味がわからず、謎を残しつつ観た。


そもそも、密林と深海のお話は苦手でどうにもならない。
生理的に怖いのである。
事実、この映画はとても怖かった。
暗闇でいつ虎が襲ってくるか解らない恐怖がずっと続き、
恐怖感に襲われながら、長時間耐えた。
人の背後からカマラを回し続けるのは苦手だ。


前半は密林の山村で兵士のケンと村の青年トンが出逢う。
どうもゲイらしい二人のゆったりした時間が流れる。
一転、後半は、怪奇なお話にもぞもぞする。
“呪いにより、人間が虎に変身する”
というタイの民間伝承に基づく怪奇物語。

 


カンヌ国際映画祭2004・審査員賞、
東京フィルメックス2004・最優秀作品賞
と受賞が続いた作品である。
二度目の鑑賞となったが、
やはり、密林の中の暗闇はこわかった。 


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百日紅~Miss HOKUSAI~

2023-02-20 | chinema(日本アニメ映画)

 

シネマです。

江戸の言葉が美しいと思った。


★百日紅~Miss HOKUSAI~
監督:原恵一
原作:杉浦日向子
声:杏、松重豊、濱田岳 他
2015/日本アニメ

 

物語の主人公はお栄(葛飾応為)、葛飾北斎の三女。
北斎の影の絵師をつとめるなど、才能を高く評価されたらしい。
映画は、彼女の視点から、
父北斎の創作をめぐる逸話
オンボロ長屋での風変わりな共同生活
お栄自身の不器用な恋
などなどが語られるが、
中心になっているのは、北斎一家の家族のお話である。
特に、北斎の盲目の末娘・お猶の存在が、この映画のテーマと深く関わってくる。
北斎の絵は知っているつもりだが、
彼の家族については知らなかった。


《生と死》、
芸術はこの問題に対していかにアプローチするか。
それが全てである。

淡々とドラマは進行するが、
それだけにいかんともしがたい人の生業をおもった。

 


江戸の言葉が美しいと思った。
あの浮世絵のイメージがだぶる。
百日紅をみていつもちょっぴり哀しみに似た匂いを感じ取っていたが、
北斎の名前を聞く度に、これからはこのドラマをちょこっと思い出しそうです。

 

映画の出来具合について評価の分かれそう。
ちょっと曖昧さが気になった。
出来がいいにこしたことはないが、興味溢れる内容。


江戸の人の賑わいと生きる事の悦びと哀しみが伝わった。
アニメだからの良さもあるでしょうが、
実写化しても面白そうなドラマです。 


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ミッドナイト・イン・パリ

2023-02-19 | chinema(欧米系映画)

 

★ミッドナイト・イン・パリ
原題:Midnight in Paris
監督:ウッディ・アレン
出演:キャシー・ベイツ、エイドリアン・ブロディ、カーラ・ブルーニ、マリオン・コティヤール、レイチェル・マクアダムス、マイケル・シーン、オーウェン・ウィルソン、他
2011/スペイン=アメリカ

《時空が歪んでいる》
《ゴッホが呼んでいる》
ポスターの絵です。

 

12時過ぎ、鐘が鳴ると、
《プジョークラシックカー》のお迎えがあり、
1920代にタイムスリップ。
タイムスリップ装置はびっくりするくらい簡単だが、
そこから登場するアーチスト達の豪華なこと。
《ワァー》
《アレー》
主人公ギルは眼を白黒、頭はパニック状態。
観ているこっちはもう感激いっぱい。
いろんなビッグネームが飛び交う様は、
まさに《夢物語》

 

 


☆まず水先案内人として、
あの《華麗なるF・スコット・フィッツジェラルドと妻ゼルダ》が登場する。
《コール・ポーター》が歌うパーティは、
《ジャン・コクトー》の主催するもの。

 

☆次に《誇り高きアーネスト・ヘミングウェイ》と
《評論家ガートルード・スタイン》の登場。
サロンでは、
《ピカソ》、《マチス》まで登場のおまけ付き。

 

☆圧巻は、
《シュールリアリスト、ダリ》
《私はダリだ!》
さらに、
《マン・レイ》、《ルイス・ブニュエル》も登場。

 

☆ピカソの愛人モデル《アドリアナ》に一目惚れ。
彼女はモディリアーニの元 恋人でもあったという魅惑的な美女。
さらに《夢物語》は、
《アドリアナ》の憧れであった《ベル・エポック》へ。


☆1890年代のパリ。
そこで、《ロートレック》、《ゴーギャン》、《ドガ》に出会う。
ここまで来ると、
《アーチスト万華鏡》も多少うさん臭く感じてくる。
《現在は不満だらけ、しかしそれが人生である》
そんな《アレンのウンチク》を聞かされているような気分にもなったが、
夢心地は最高だった。

 

☆ピカソの愛人モデル《アドリアナ》に一目惚れ。
彼女はモディリアーニの元 恋人でもあったという魅惑的な美女。
さらに《夢物語》は、
《アドリアナ》の憧れであった《ベル・エポック》へ。


☆1890年代のパリ。
そこで、《ロートレック》、《ゴーギャン》、《ドガ》に出会う。

 

ここまで来ると、
《アーチスト万華鏡》も多少うさん臭く感じてくる。
《現在は不満だらけ、しかしそれが人生である》
そんな《アレンのウンチク》を聞かされているような気分にもなったが、
夢心地は最高だった。

 

 

 

 


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