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A&K の NOTES

陽はまたのぼり、陽はまたしずむ。あちこち歩き回りながら、スケッチを楽しんでいます。

モンテーニュ通りのカフェ

2022-05-24 | chinema(欧米系映画)

 

★モンテーニュ通りのカフェ
監督: ダニエル・トンプソン
2006/フランス


洒落た映画ポスター。
こんなイラストデザインをチラシに使うなんて。

物語はパリが舞台。
サルトルの名前が出てきて、
ヴォーヴォワールが出てくると、
これはもう60年代ではないか。
音楽も60年代の懐かしいメロディ。
ユーロの現代話なのに、
半世紀前のフランスの雰囲気。


ブラック、そしてブランクーシの「接吻」も出てくる。


この映画は何も考えずに
素直に良き時代のパリを堪能しましょう。
ベル・エポック
過ぎゆく時間に身を委ねましょう。
という感じの映画でした。

 

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ソウル・キッチン

2022-05-19 | chinema(欧米系映画)

 

★ソウル・キッチン
監督:ファティ・アキン
キャスト:アダム・ボウスドウコス、モーリッツ・ブライブトロイ、他
2009/ドイツ/フランス/イタリア


『愛より強く』『そして、私たちは愛に帰る』
などのファティ・アキン監督による人生賛歌。
まさに《ソウルなムービー》である。
キッチンのタイトルなんで、
料理らしき物語もあるのかと思ったが、
料理もんではない、
とにかく《濃厚でソウルな物語》の連続である。


09年のヴェネチア国際映画祭で
審査員特別賞とヤングシネマ賞の2冠に輝いた。
ノリのいいテンポと破天荒な展開に
《魂の一撃》というパワー爆発を感じさせてくれたが、
ほっとさせる《優しさ》もある。
出てくる人間みな憎めない連中ばかりで、
つい笑ってしまう。

音楽のノリがいい。 

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PARIS パリ

2022-05-09 | chinema(欧米系映画)

 

★PARIS パリ
監督:セドリック・クラピッシュ 
2008/フランス

 


パリに暮らすさまざまな境遇の男女の人生を、
愛おしいまなざしで見つめた群像劇。
現代都市、異民族都市「パリ」をスケッチ風に描きながら、
街に生きるいろんな人々の生活を描く、
いわゆる群像劇スタイルである。

 

映画を観ながら、ボードレールの「パリの憂鬱」を思い出す。

「群衆」より
群集浴をすることは、誰にでも許されているわけではない。群衆を享受することは芸術の一つであって、、、、、、、、、。 群集、孤独。能動的で豊饒な詩人にとって、等価にして互換性のある言葉である。自らの孤独に人々を住まわせることのできない者は、せかせかした群衆の中で独りでいることもできないものだ。

 

 


パリの街をバックに流れる音楽が、
「憂鬱な物思い」雰囲気で、抜群にいい!
曲はイギリスの人気バンドKEANEの「サムウェア・オンリー・ウィー・ノウ」が使用されている。


そして、「雪のパリ」では、
エリック・サティの「グノシエンヌ」が流れた。
一歩一歩踏み出すように、運命を前に進める曲。
しばらく雪景色を観ていたかった。 

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雨の朝巴里に死す

2022-04-20 | chinema(欧米系映画)

 

★雨の朝巴里に死す
原作者:F・スコット・フィッツジェラルド
原題:The Last Time I saw Paris
監督:リチャード・ブルックス
出演:エリザベス・テイラー、ヴァン・ジョンソン、ドナ・リード、ウォルター・ピジョン、ロジャー・ムーア、他
1954/アメリカ

 

原作はF・スコット・フィッツジェラルド(1896~1940)
パリを舞台とした物語。


22歳のエリザベス。
眩しいくらい美しく可憐な時代のエリザベス。
この作品の一番のみどころ。


この作品の頃は、とても可憐で魅力的な姿です。
強い眼力が印象的です。


ある意味拍子抜けする物語展開です。
が、邦題の素晴らしさに救われる作品。

 

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赤い風車

2022-04-14 | chinema(欧米系映画)

 

★赤い風車
Moulin Rouge
監督:ジョン・ヒューストン
原作:ピエール・ラミュール(英語版)
『ムーラン・ルージュ』
出演者 ホセ・ファーラー、ザ・ザ・ガボール、他
音楽:ジョルジュ・オーリック
主題歌:「ムーラン・ルージュの歌」
1953/イギリス

 

19世紀末のパリ。
画家ロートレックの生涯を描いている。


キャバレー「ムーラン・ルージュ」の
踊り子たちをモデルとしたデッサンが
次々と流れるデッサンの映像が美しい。
パステルの粉が紙からさらりと流れ落ちる映像。
それはそれは美しい。

 

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白夜(1971)(ニュープリント版)

2022-04-11 | chinema(欧米系映画)

 

★白夜(1971)(ニュープリント版)
原題:Quatre nuits d’un reveur
原作:ドストエフスキー
監督・脚本:ロベール・ブレッソン
出演:イザベル・ヴェンガルテン、ギヨーム・デ・フォレ、ジャン=モーリス・モノワイエ、他
1971/フランス・イタリア共同製作

 

伝説の名品と言っていい
ロベール・ブレッソン《白夜》が35mmニュープリントでよみがえる。
《フィルムは美しいな!》
からだの隅々まで洗濯された想いです。

 

映画の中では、
やはり《マルト、マルト、、、、》、
懐かしい響き。
改めて観ると、
男の想いは、
今日的にはちょっとコミックです。
そして女の想いもやはりコミックに感じました。
男のロマンも女のロマンも
こんなに可笑しく感じるとは意外でした。
一組の男女を演じた俳優さんが全くの新人だということもあり、
息づかいがとても新鮮で瑞々しさを与え
作品全体が素直で抒情的な雰囲気。
最後のどんでん返しはやっぱり笑いを誘います。


50年ほど前のパリの夜の灯りがとても美しく捉えられていました。
《闇の美しさと灯りの儚さ》
70年代初めの空気を味わわせてくれます。

 

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海辺のポーリーヌ

2022-04-02 | chinema(欧米系映画)

 

★海辺のポーリーヌ
監督:エリック・ロメール
1983/フランス

エリック・ロメール監督による「喜劇と格言劇」シリーズの第3作。


喜劇なのか、悲劇なのかよくわからない。
これだけ互いに辛辣な言葉を言い合うと
普通はもはやこれまで、断交というとになるのでしょうが
ここに登場する男女6人はなかなかシブトイ。
何事もないかのように
さも愉しむかのように会話場面が展開する。

映画とはいえ厄介な面倒くさい連中である。

 


さて、ポーリーヌ。
15歳の一夏の背伸びした経験ということでしょうか?
危ないロリコンパワー全開でした。

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飛行士の妻

2022-03-31 | chinema(欧米系映画)

 

★飛行士の妻
監督:エリック・ロメール
原題:LA FEMME DE L‘AVIATEUR/THE AVIATOR’S WIFE
出演者:フィリップ・マルロー 、 マリー・リビエール 、 アンヌ・ロール・ムーリー 、 マチュー・カリエール 、 ファブリス・ルキニー
音楽:ジャン・ルイ・バレロ
1980/フランス

 

エリック・ロメールワールドに魅了された。
日常的なパリの街並みを背景に、
オールロケ&生音収録。

全編会話劇であり、
物語に大きな起伏があるわけではないが、
最後まで興味深く観てしまった。

何となく嵌められた感があるが
しかし後味ここちいい。
これがエリック・ロメールワールド。


パリと会話劇の相性はいい。
街の雰囲気なのか
国民性によるものなのか


・フランソワ(フィリップ・マルロー)とアンヌ(マリー・リヴィエール)
・フランソワとリュシー(アンヌ=マリー・ムーリ)


この二人の会話が果てしなく面白い、可笑しい。

 

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ライ麦畑の反逆児 ひとりぼっちのサリンジャー

2022-03-25 | chinema(欧米系映画)

 

★ライ麦畑の反逆児 ひとりぼっちのサリンジャー
原題:Rebel in the Rye
監督:ダニー・ストロング
出演:ニコラス・ホルト、ケビン・スペイシー、ゾーイ・ドゥイッチ、他
2017/アメリカ

 


2019年1月1日に生誕100周年を迎えた小説家J・D・サリンジャーの半生を描いたドラマ。


さてどんな人物だろうかと興味津々で観た。
彼の野心と葛藤が描かれ、
見応え充分。

晩年(結構長い時間)の隠遁生活の中身が凄い。
繊細な作家の姿が痛々しい。

ライ麦畑をもう一度読んでみたくなった。
アメリカ文学のいろいろを読んでみたくなった。 

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もうひとりのシェイクスピア

2022-01-29 | chinema(欧米系映画)

 

★もうひとりのシェイクスピア
監督:ローランド・エメリッヒ 
2011/イギリス=ドイツ

「シェイクスピア別人説」に基づく映画。
第17代オックスフォード伯エドワード・ド・ヴィアを本当の作者としている。

ふむふむと最後まで観たが
結局、あまり腑に落ちなかった。
イギリスの歴史がよくわかっていないという
単に自分の浅学を嘆くことになった。
が、それにしても
登場人物たちの心情が掴めなかった。
どんな状況なのかもよく理解できなかった。


「シェイクスピア別人説」はよく聞く。
つまり、彼の痕跡がはっきりしないことによるもの。
謎の人物なのでしょうか?

 

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巴里の空の下セーヌは流れる

2022-01-25 | chinema(欧米系映画)

 

★巴里の空の下セーヌは流れる
監督:ジュリアン・デュビビエ
1951/フランス


舞台はパリの街とセーヌ川。
さまざまな人々の織りなす人生図をエピソード風に綴った作品。
そのエピソードは、一日の時間にそって展開され、
全体でパリの二十四時間を描く仕組み。

日々、いろんな物語がある。
あくる日も、あくる日も、、、、。
パリそのものを主人公とした映画でしょうか。

モノクロですがとても色彩的であり、
幻想的です。

 


ジュリアン・デュビビエは
私の大好きな「わが青春のマリアンヌ」の監督。
この作品もとても幻想的でした。

 

 

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ミックマック

2020-08-08 | chinema(欧米系映画)

 

★ミックマック
英題:MICMACSA TIRE-LARIGOT
監督:ジャン=ピエール・ジュネ
撮影:テツオ・ナガタ
2009フランス

棲み分けがはっきりしているので、分かりやすい人物群だけど、
いかにもフランスらしいシニカルな感覚が小憎い。
誰の対場に立つか、はっきりしている。
そういう意味では、誰にでも分かりやすいい寓話的、童話的絵本世界である。
しかも徹底的に可笑しくシンプルに
そして時に強烈なブラックをユーモアたっぷりと描く。
思わず笑う声を出して笑うシーンがいくつもあり、
フランスはジョークで生きているのかと想う。
リアルとフィクションが混濁し、
《ジャン=ピエール・ジュネワールド》を堪能する。

 


劇場をでたとき、外を歩く人間たちは奇妙な両生類に生みえた。
しばらくこの感覚は抜けなかった。
撮影がテツオ・ナガタ。
初めて聞く日本名である。
調べてみると、フランスでキャリアを持つカメラマン。
この作品は広角レンズを使って下から移すシーンが多い。
ネコやイヌから観た視線である。
彼らからみると、人間はこのような不思議な生き物に見えるのだろうか。

 

 

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エル・スール

2020-08-07 | chinema(欧米系映画)

 

★エル・スール
監督・脚本:ビクトル・エリセ
出演:オメロ・アントヌッティ/ソンソレス・アラングーレン/イシアル・ボリャン
1983年/スペイン=フランス


静寂な中、必要な音だけを愛情込めて捉えています。
美しくも不思議な映画でした。


スペインの監督さんらしく、
光りと影には細心の心遣いをしている映像。
影というより「闇」といったほうが良いかもしれません。
「闇」の奥行きが美しく、
その世界はとても神秘的で豊かです。

 

 

「ミツバチのささやき」は幼年期の子どもの心の揺れ、
そして自立への葛藤が描かれていました。
この「エル・スール」は少女の心の揺れ、
そして自立への葛藤、
大人への旅立ちまで描かれています。
2作とも、人間の顔に焦点を合わせ、
瞳の表情で、感情の動きを捉えていました。
台詞は極力抑えられているのに、
豊かな感情で満ち溢れています。


この「エル・スール」は「南へ」という意味らしく、
故郷スペインへの強い望郷の思いが描かれているとか。
現代スペイン史辺りに詳しいと、
この感覚はより理解し易いでしょうが、
僕には難しい作業です。
この映画の中で漂うモノは、
想像以上に複雑なような気がしました。


かなり以前の作品ですので、
非常なノスタルジーを感じます。
かもめの風見鶏が印象的です。

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「ニキフォル」知られざる天才画家の肖像

2020-08-06 | chinema(欧米系映画)

 

★「ニキフォル」知られざる天才画家の肖像
原題:Moj Nikifor
監督:クシシュトフ・クラウゼ
音楽:バートロメイ・グリニャク
キャスト:クリスティーナ・フェルドマン、ロマン・ガナルチック、ルチアナ・マレク、他
2004/ポーランド

カメラがポーランド南部の町クリニツァの雪景色を美しく華麗にとらえている。
雪の舞う映像は哀しいくらい美しい。
哀切漂うメロディとともに絵画的な映像美を堪能。

 

ニキフォルの名前を初めて知った。
彼の作品は生の芸術アール・ブリュット(Art Brut)というカテゴリーに入るのだそうだ。
人が描く絵画そのものを分類することはおかしい。
絵画表現は思考すること、
対話すること、
そして生きることであり、
人間の尊厳に関わることだからだ。
そういう意味では画家は皆同じ地平に立っている。

 

 

 


私はかつて自閉症といわれる子供たちをサポートする仕事してたことがある。
彼らの描く線とニキフォルの描く線には共通性がある。
色彩の扱いにも共通性が見られるように思う。
意志を伝える線は力強く、
色彩は鮮やかであり、
表現は明快である。
そして不思議と皆温かな世界が描かれている。
私にはそれは言語表現のもどかしさと、
自らが受けた社会の理不尽さへの抵抗のようにも感じられる。


ニキフォルの言葉がおもしろい。

「色彩のことは色に聞け」 

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ブルーノのしあわせガイド

2020-07-31 | chinema(欧米系映画)

 

★ブルーノのしあわせガイド
原題:Scialla!
監督:フランチェスコ・ブルーニ
出演:ファブリッツィオ・ベンティボリ、フィリッポ・シッキターノ、他
2011/イタリア

いきなり《あなたの子どもです》と宣言され右往左往。
勝手気ままに暮らしていたのに
突然の我が子出現に急に父性が目覚め始めるというお話。
男の場合はひょっとしてこういうことがあるかもである。


タイトルからすれば、
何となくハートウォーミングっぽいと思ったが、
映画を観ながら、
《このタイトルは微妙だなぁ〜〜》と。

 

 

原題は、《Scialla!》。
《シャッラ》というらしいが、
《まぁいいからいいから、とにかく落ち着いて》ということらしい。
つまるところ、《まぁ、ええやん〜》ということ。
とにもかくも、《まぁ、まぁ、》というわけで。
この感覚はいかにもイタリアらしいなぁ?

 

オヤジも親父なら、ムスコも息子である。
ちょっと中途半端で自由な生き方が好みである。
二人とも縛られ感覚が肌に合わない。
しかし、人柄は良く、生真面目で、
キュウリが嫌いなところは血筋である。

ふっと楽にさせてくれる作品だった。

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