映画を観た。
フランスのエスプリ満載!
気楽な映画だったが
時にはこういうのもいいかな。
★さらばベルリンの灯
The Quiller Memorandum
原作 アダム・ホール(「不死鳥を倒せ」より)
音楽 ジョン・バリー
制作:イギリス=アメリカ/1966
劇場で何度も観た
テレビでも何度も放映された
内容はともかく記憶に残る映画
音楽はジョン・バリー
哀愁を帯びていて切なくなる
映画音楽の名作の一つ
★英国王給仕人に乾杯!
監督:イジー・メンツェル
2007/チェコ=スロバキア
小は大より美し、、、、。」
「全世界が絶賛、笑いと愛のメンツェル映画の最高傑作」
とあるが、
笑うに笑えないシニカルなものが滲み出ている。
小柄な青年ヤンの波瀾万丈人生そのものが、
小国チェコが辿った激動の現代史と重なる。
華麗な音楽、豪華な食事、美しい女性、そして退廃・・。
怪しく美しい映像でありながら、
その奥に隠された全てを透徹するような鋭い視線。
ラスト、ユダヤ人から奪った切手が蝶のように空に飛び散り、
さも全て解放されたかのような映像ではあるが、
それでもなお何も救われぬ絶望のような感覚が同居する思い。
幻の名作と評される
「厳重に監視された列車」(66)、
「つながれたヒバリ」(69)
を観てみたい。
(HPより)
原作者ボフミル・フラバルについて
1914年3月28日、ブルノ生まれ、
1997年2月3日、プラハ 没。
ミラン・クンデラと並び、20世紀後半のチェコ文学を代表する作家。
多くの文化人が西側に亡命するなかで、
生涯プラハに留まり、
プラハ市民の民衆的な文化をこよなく愛したフラバルは、
戦後のプラハ文化を体現する人物としても知られている。
クリントン大統領がプラハを訪れたとき、
ハヴェル大統領とともに
プラハの伝説的なビアホール〈黄金の虎〉で歓迎した。
★ミッドナイト・イン・パリ
原題:Midnight in Paris
監督:ウッディ・アレン
出演:キャシー・ベイツ、エイドリアン・ブロディ、カーラ・ブルーニ、マリオン・コティヤール、レイチェル・マクアダムス、マイケル・シーン、オーウェン・ウィルソン、他
2011/スペイン=アメリカ
《時空が歪んでいる》
《ゴッホが呼んでいる》
ポスターの絵です。
12時過ぎ、鐘が鳴ると、
《プジョークラシックカー》のお迎えがあり、
1920代にタイムスリップ。
タイムスリップ装置はびっくりするくらい簡単だが、
そこから登場するアーチスト達の豪華なこと。
《ワァー》
《アレー》
主人公ギルは眼を白黒、頭はパニック状態。
観ているこっちはもう感激いっぱい。
いろんなビッグネームが飛び交う様は、
まさに《夢物語》
☆まず水先案内人として、
あの《華麗なるF・スコット・フィッツジェラルドと妻ゼルダ》が登場する。
《コール・ポーター》が歌うパーティは、
《ジャン・コクトー》の主催するもの。
☆次に《誇り高きアーネスト・ヘミングウェイ》と
《評論家ガートルード・スタイン》の登場。
サロンでは、
《ピカソ》、《マチス》まで登場のおまけ付き。
☆圧巻は、
《シュールリアリスト、ダリ》
《私はダリだ!》
さらに、
《マン・レイ》、《ルイス・ブニュエル》も登場。
☆ピカソの愛人モデル《アドリアナ》に一目惚れ。
彼女はモディリアーニの元 恋人でもあったという魅惑的な美女。
さらに《夢物語》は、
《アドリアナ》の憧れであった《ベル・エポック》へ。
☆1890年代のパリ。
そこで、《ロートレック》、《ゴーギャン》、《ドガ》に出会う。
ここまで来ると、
《アーチスト万華鏡》も多少うさん臭く感じてくる。
《現在は不満だらけ、しかしそれが人生である》
そんな《アレンのウンチク》を聞かされているような気分にもなったが、
夢心地は最高だった。
☆ピカソの愛人モデル《アドリアナ》に一目惚れ。
彼女はモディリアーニの元 恋人でもあったという魅惑的な美女。
さらに《夢物語》は、
《アドリアナ》の憧れであった《ベル・エポック》へ。
☆1890年代のパリ。
そこで、《ロートレック》、《ゴーギャン》、《ドガ》に出会う。
ここまで来ると、
《アーチスト万華鏡》も多少うさん臭く感じてくる。
《現在は不満だらけ、しかしそれが人生である》
そんな《アレンのウンチク》を聞かされているような気分にもなったが、
夢心地は最高だった。
★オレゴン魂
Rooster Cogburn
監督:スチュアート・ミラー
出演者:ジョン・ウェイン、キャサリン・ヘプバーン、リチャード・ジョーダン、他
1975/アメリカ
逞しいジョン・ウェインを観た。
可憐で行動的なキャサリン・ヘプバーンを観た。
完璧な勧善懲悪物語です。
以前にも観ていますが、
何となくすっきり西部劇を観たく。
★グリーンホーネット
英題:THE GREEN HORNET
監督:ミシェル・ゴンドリー
キャスト:セス・ローゲン、ジェイ・チョウ、キャメロン・ディアス、クリストフ・ヴァルツ、他
2010/アメリカ
タイトルからして、いかにもB級映画っぽい感じです。
が、マルチ人間ジェイ・チョウが出てるし、観てみるか、と借りた一本。
はじめは、やっぱりB級っぽかったが、
そのうちしだいに、主な登場人物が出揃った辺りから、俄然、お話がヒートアップ。
なんじゃいこのバカバカしさといい加減さと、突き抜けた面白さは。
たぶん日本語だったら観てられないだろうけど、幸いにも英語。
アクションとアイデアの面白さでついにゲラゲラ笑いながら最後まで観てしまった。
バカバカしさで大当たりでした。
シネマです。
ビデオで。
全てにおいて懐かしい。
ゾロのテーマ音楽も懐かしい。
★アラン・ドロンのゾロ
Zorro
監督:ドゥッチョ・テッサリ
脚本:ジョルジオ・アルロリオ(イタリア語版)
出演者:アラン・ドロン
音楽:グイド&マウリツィオ・デ・アンジェリス
1975/イタリア
あのゾロです。
テレビで観ていたゾロと
映画のアラン・ドロンのゾロ
がまじりあい
とにかくあのゾロです。
テレビにかじりついていた頃を思い出す。
今もテレビ相手の日々ですが。
★パリよ、永遠に
原題:Diplomatie
製作年:2014年
製作国 :フランス・ドイツ合作
巧妙な交渉劇に引き込まれました。
《パリよ、永遠に》という抒情的なタイトルですが
映画の内容は、二人の男のタイトな駆け引きが延々と続きます。
実話であり、交渉の結果はどうなるかはその後の歴史が証明してくれているのですが、
二人の会話劇に緊迫感があります。
原題も日本語に訳すれば、《外交》となるそうです。
外交というのは、
相手の顔を見て、目を見て、相手の想い推し量ること。
自分の要求だけでガチンコ勝負すれば、
決裂するばかりか
未来に禍根を残すだけ。
歴史は語る。
タイトな展開でしたが
充実した作品でした。
★ゼロ時間の謎
監督: パスカル・トマ
2007/フランス
アガサ・クリスティ原作のミステリー。
いつもクラッシックファッションで優雅な人たちが主人公。
見ているこちらも優雅な気分。
犯人は美しい金持ちと決まっているので、
映画の途中で殺人者が解ってしまう。
が事件の解決に向けての謎解きを楽しむ映画。
とわりきればそれなりに愉しい時間。
のんびりと、陳腐な愛憎劇を見つめる。
くつろいだ時間にしてくれる。
これは貴重です。
シネマです。
劇場で数回観ているんですが
時々みたくなる。
今回はビデオで。
ノラ・ジョーンズの初々しさ。
不思議な存在感。
ゆっくり流れる彼女の音楽。
★マイ・ブルーベリー・ナイツ
監督:ウォン・カーウァイ
出演者:ノラ・ジョーンズ、ジュード・ロウ、デヴィッド・ストラザーン、レイチェル・ワイズ、ナタリー・ポートマン、他
2007/香港・中国・フランス
ウォン・カーウァイの映像をたっぷり楽しむ。
超望遠、あるいはフィールドスコープで撮ったような映像。
心地よい揺らぎ。
夜のレストランのシーンが多いので、
昼光色系の灯りをたっぷり使った濃厚な映像。
逆光をうまく利用した煙草の煙のシルエットは美しい。
脱臭フィルターをかけているので臭わない。
ロードムービィ的な物語展開は時間の動き、
背景の広がりは空間の豊かさを感じさせてくれる。
この映画は時空の浮遊感を味わうもの。
解放的な気分にさせてくれる。
何処か旅の孤独感が漂い、
私はアメリカの画家エドワード・ホッパー思い出す。
好きな世界観です。
★パリ20区、僕たちのクラス
監督:ローラン・カンテ
キャスト:フランソワ・ベゴドー、24人の生徒たち
2008/フランス
子どもたちの表情に焦点を合わせた見応えの一本。
映画の中で描かれていることの多くは、
パリ20区にある中学校での教師と24人の子供たちの国語授業の様子である。ディスカッションとリベート中心の時間が集中的に撮られているが、フランスの教育事情や国情の一端が読み取れ、非情に興味深く観た。教師と生徒との協同作業によって展開される国語授業は驚くほどイマージネーションに富む会話に充ち溢れ、教室の中だけの単なる国語授業であるにもかかわらず、僕の頭は、フランス社会、フランス文化全般へと意識が拡散され、たくましい想像力が要求された。刺激的なゲームみたいなものである。
この作品は第61回カンヌ国際映画祭パルムドール受賞作品。
映画祭当事者たちにとっても新鮮なリアル感が感じられたのかも。
出演しているのは、いわゆるプロの俳優さんではない。そのせいもあってか余りにも素顔な表情といかにもありそうな現実感にこれは念密に練られたドキュメントかと思った。初めはそんな異質感をもって観ていたが、いつのまにかドラマの中に引き込まれていった。フランスらしい軽妙な言葉のやりとりにハメられたのである。数台のカメラの捉える教室内での子どもたちの表情に躍動感を感じたのである。いろんなカメラ視線を絡ませることによって、ひとつの教室内には多様な価値観が混在することがわかる。そのコンセプトの巧みさと子供たちの演技?にうまく乗せられた。上映中、これはフィクションかドキュメントかということにずっと悩まされ続けた。
日本とフランスの教育システムは違うので、授業の様子や教師の対応についてあれこれ語るには無理がある。しかし、僕は多くの部分で共感できた。自分の言葉で、自分の文章で語ることは教育の基本であり、その過程を通して「個人」が育ち、アイデンティティが形成される。「学びの場」には、とうぜんそれなりの規律と秩序が必要である。学校のことは学校内で解決されるべきだが、学校外のことは、家庭や社会の問題である。そういった基本的な考え方が貫かれていた。生徒にはそれぞれの個別な事情はある。作品はその「個別な事情」に対して、教師たちの悩みも捉えつつ淡々に描かれる。これがフランスの教育現実だということか。いや社会現実だということか。
ラストは、バカンスを前にした、
学年末の教室内の風景で締めくくられたが、「おやっ」と思った。出演者たちの表情は、一仕事終えたような安堵感に満ちたゆったりとしたものだったことである。それまでは緊張した場面の連続だったので、その違いの際立ちに驚いた。バカンス前の表情なのか。いや、どこか撮影終了打ち上げパーティ後の幸せ感に満ちた表情に見えた。アドリブで撮影したような。和らいだくつろいだ子どもたちの表情。
どういう結論で終わるのか気になったが、
ラストは和やかな気分を迎えてホッとした。
★荒野の1ドル銀貨
監督:カルヴィン・J・パジェット
音楽:ジャンニ・フェリオ
キャスト:ジュリアーノ・ジェンマ、イヴリン・スチュワート、ピーター・クロス、他
1965/イタリア=フランス
口笛の曲が流れたその瞬間、
一瞬にして半世紀前の時空へワープする。
これがシネマの魅力。
コインが銃弾から命を救ったというお話だが、
アメリカ西部劇にありそうなお話。
実話かもしれない。
マカロニウエスタンのエッセンスが一杯詰まった作品。
ジュリアーノ・ジェンマの笑顔がいつまでも残る。
★モンテーニュ通りのカフェ
監督: ダニエル・トンプソン
2006/フランス
洒落た映画ポスター。
こんなイラストデザインをチラシに使うなんて。
物語はパリが舞台。
サルトルの名前が出てきて、
ヴォーヴォワールが出てくると、
これはもう60年代ではないか。
音楽も60年代の懐かしいメロディ。
ユーロの現代話なのに、
半世紀前のフランスの雰囲気。
ブラック、そしてブランクーシの「接吻」も出てくる。
この映画は何も考えずに
素直に良き時代のパリを堪能しましょう。
ベル・エポック
過ぎゆく時間に身を委ねましょう。
という感じの映画でした。
コミカルな話ではあるが、
謎の哀愁感が全編に漂っている。
そこがある意味サスペンス風。
★ローマに消えた男
原題:Viva la liberta
監督:ロベルト・アンド
出演:トニ・セルビッロ、バレリオ・マスタンドレア、バレリア・ブルーニ・テデスキ、他
2013/イタリア
「替え玉」物語。
この影武者スタイルは、デフェンスのためによく使う戦法である。
イタリアの左翼政党党首が支持率低下で精神的に参ってしまい失踪。
かっての女が住むパリへ行く。
困った取り巻き連中が奥の手の禁じ手である、
双子の兄弟を探し、代役を務めるという設定。
やがて見つかった一枚の写真が、
兄弟の亀裂の原因を暗示する。
一人の女が、一度に双子の男を愛してしまった過去。
映画では敢えて説明はしない所が大人の映画といったところ。
思いがけず立場が入れ替わる事に依り、
忘れていたかって若き日の夢と情熱。
二人の男は互いに気づき互いに思いやる。
頑固だった二人の感情が柔らかくなって行く。
トニ・セルビッロのやるせない表情、
バレリア・ブルーニ・テデスキの愁溢れる表情。
魅せてくれました。
★ソウル・キッチン
監督:ファティ・アキン
キャスト:アダム・ボウスドウコス、モーリッツ・ブライブトロイ、他
2009/ドイツ/フランス/イタリア
『愛より強く』『そして、私たちは愛に帰る』
などのファティ・アキン監督による人生賛歌。
まさに《ソウルなムービー》である。
キッチンのタイトルなんで、
料理らしき物語もあるのかと思ったが、
料理もんではない、
とにかく《濃厚でソウルな物語》の連続である。
09年のヴェネチア国際映画祭で
審査員特別賞とヤングシネマ賞の2冠に輝いた。
ノリのいいテンポと破天荒な展開に
《魂の一撃》というパワー爆発を感じさせてくれたが、
ほっとさせる《優しさ》もある。
出てくる人間みな憎めない連中ばかりで、
つい笑ってしまう。
音楽のノリがいい。