映画を観た。
★それでも恋するバルセロナ
ウディ・アレン監督によるラブ・ストーリー。画家の元妻を演じたペネロペ・クルスが第81回アカデミー賞で助演女優賞を獲得。
映画の中に男と女、二人の画家が登場します。アトリエでちらちらと見せる作品スタイルは、タピエスのような、アクションペインティング風です。茶褐色を主体にした色彩はいかにもスペインの土のようでいい感じで情熱的ですが、感情だけがほとばしる分裂気味絵画でした。(笑)
この二人の画家を演じるのは、スペインが世界に誇るペネロペ・クルスと、ハビエル・バルデム。このふたり、マジで演技やっているのかよくわからないような不思議な二人。
映画の前半はほぼ観光気分ですが、ペネロペさん登場したとたん、映画はがらりと濃厚なカオス状態の世界へと入り込み俄然緊迫度が増してきます。このペネロペの虜になってしまいました。すごすぎる!
ハビエル・バルデムさん、地元の気楽さでしょうか、酔っぱらっているような、ふらふらした眼で女を口説く表情は、ボヘミアン的で、いかにもいいかげんなアーティスト。いいですね。
スカーレット・ヨハンソン、レベッカ・ホールの女ふたり、魅力的な表情をたっぷり魅せてくれますが、バルセロナの街の空気が一層彼女たちを情熱的女性に変えてくれます。
せっかく、大人のファンタジーをたっぷり楽しませてくれるのに、時々挿入される、しわがれ声の男のナレーションが耳障りでした。なんでこの声なのでしょう。ウディ・アレンさんに詳しく説明してほしいくらいで、ボクの感覚では、NGです!
おいしそうなワインと情熱的な音楽。一夏の夢話としてみるぐらいにしないと大変です。飛行場での二人の女の表情はまだ夢から覚め切らないどこかボーとした顔が印象的でした。