Nの祝祭日

映画、読書などのメモ

竜は動かず 奥羽越列藩同盟顛末 (上、下)

2017-03-19 | 

本を読んだ。

★竜は動かず 奥羽越列藩同盟顛末 (上、下)
著者:上田秀人
出版社:出版社: 講談社 (2016/12/7)

江戸から明治への動乱の時代。
視点を変えると、こんな歴史が生まれるのか。
自分の浅はかな歴史感覚の見直しをせまってくる本でした。
一気読みです。

仙台藩下級藩士の玉虫左太夫が主人公です。
この名前からして、初めての世界。
幕末の時代は、
薩摩や長州などの倒幕の志士、
松蔭や竜馬や海舟などのヒロイズム、
あだ花としての新撰組の動きなどが中心に語られることが多い。
倒幕の動きから遠く離れた奥州の動きはほとんど知りませんでした。
そもそも視線が向いていなかった。

時代の波は、日本全土を覆いつくし、
人々の人生にのしかかった。
それぞれの幕末、それぞれの明治維新があった。
それを読み知ることが新鮮でした。

筆者である上田秀人さんは、
スピード感溢れる幕末の時代を描き、
玉虫左太夫の鮮烈な生き様を紹介してくれました。
《竜は動かず》のタイトルは空しく響きます。


  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

フレンチ・ラン

2017-03-16 | chinema(欧米系映画)

映画を観た。

★フレンチ・ラン
原題:Bastille Day
監督:ジェームズ・ワトキンス
キャスト:イドリス・エルバ、リチャード・マッデン、シャルロット・ルボン、他
製作国:フランス=イギリス=アメリカ(2016)

イドリス・エルバ主演。
テロ事件の犯人捜索のためパリを奔走するバディムービー。
パリの煙突屋根を疾走するシーンが最高である。
それ以外は、うーむ、、、。
フランス語だったら雰囲気出たんだろうが、英語じゃーね。
パリを舞台にしたアメリカ映画って感覚でした。
と言いながらも、テンポのいい展開はそれなりに面白い。
やはり映画は、《90分映画》がいい。

 


  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

新参者

2017-03-05 | 

 

★新参者
著者:東野圭吾
出版社:講談社

着任したばかりの刑事・加賀恭一郎、
未知の土地を歩き回る物語。
東京人形町界隈が舞台。
人形町といえば、時代劇にもよく登場する地。
今も江戸情緒がほんのりただ酔う。
以前、ゆらりゆらり辺りを散策した時、
京都にも良く似たノスタルジーな雰囲気を感じました。


さて、お話は、
初めは、《これは推理物か?》と。
ミステリー物というよりは、
江戸の人情物といったほうがいいような気がしたくらい。
しかし、さすがストーリーテラー東野さん。
被害女性の人柄を少しずつ明らかにしながら、
彼女に関わる人々の《想い》が語られます。
刑事・加賀恭一郎の眼は、東野さんの眼そのもの。
東野さんのあたたかい人柄を改めて知らされる作品となりました。

 


  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

夢幻花

2017-03-03 | 

 

★夢幻花
著者:東野圭吾
出版社: PHP研究所


ひっくり返りながらの一気読み。
《こんなに時間をかけ、考えた作品は他にない》
と著者自らが語る会心作!(帯のコピーです)


読み終えた直後の感想は、
初めははちょっとごちゃごちゃしてるな。
登場人物の説明に振り回されてしまうが、
その後は、ぐいぐいと引っ張ってくれてとても読みやすかった。
メッセージ性に拘ったところがこの物語の魅力。
3、11以後を相当意識している。

 


エピローグに東野さんの想いが書いてある。
じっくり考えた作者自らの言葉でしょう。
エンジニア出身者らしい、素直な想いだなと思います。
希望が持てました。 


  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする