Nの祝祭日

映画、読書などのメモ

嵐電

2021-05-11 | chinema(日本映画)

シネマです。
この電車に乗ればどこまでだって行けますよ

 


★嵐電
監督:鈴木卓爾
出演者:井浦新、大西礼芳、安部聡子、金井浩人、窪瀬環、石田健太、他
主題歌:あがた森魚「鳥ガール星ガール」
2019/日本

 

 

嵐電を舞台に3つの物語、男と女の物語が描かれています。
それぞれがまったく別の世界観ですが、
登場人物は交差しながら進行します。
ふわ〜〜〜とした曖昧模糊とした登場人物。
時空を飛び越えた怪奇的空間。
嵐電の醸しだすイメージに沿った物語?
と思えば納得です。


嵐電は私にとって生活の一部です。
過去も現在も。
映画を観ながら、懐かしさと心のざわめきを感じました。
また、ちょっぴり不満も感じました。

制作スタッフは、嵐電に親しみや興味を感じているでしょうが、
愛情みたいな想いは持っているのでしょうか?
嵐電を舞台に怪奇的表現に至るのはわかりますが、
嵐電のリアルな存在感がちょっと不足。
欲張りな注文です。


オープニングの路面の嵐電登場シーンは盛り上がりますね。
夜の龍安寺駅で嵐電が離合するシーンは
せつない最高のラストシーン。
昔も今も変わらぬ嵐電物語。


青い山脈

2020-03-01 | chinema(日本映画)

 

★青い山脈
原作:石坂洋次郎
監督;西河克己
出演:吉永小百合、浜田光夫、高橋英樹、二谷英明、芦川いづみ、他
1963/日本映画

 


1963年作。

ノスタルジーたっぷり。
実はこの作品は、
僕の持っている「青い山脈」とは少しイメージが違いますが
あの彦根でロケをやっています。
ですので、
1960年代の城下町彦根の街の様子を見ることができます。
場面が変わるたびにここは何処かな?
いまも所々に当時の雰囲気は残っています。
琵琶湖の様子は今も変わりません。
スケッチに行きたいね。


出演者の顔ぶれが懐かしい。
ヒロインの吉永小百合はゴム毬のように弾けている。
眩しいくらいに弾けている。
浜田光夫の眼がキラキラしている。
高橋英樹の学生服姿は、信じられないくらいのスリム感です。
芦川いづみの清楚な美貌にはうっとり。
左卜全にはただただ唸る。
藤村有弘、南田洋子、二谷英明などなど、
懐かしい人たちがごっそりでてくる。
完全にタイムスリップしてしまった。 

 

 


神童

2020-01-25 | chinema(日本映画)

 

 

★神童
監督:萩生田宏治
原作者:さそうあきら
音楽:ハトリ・ミホ
2006/日本映画


クラシック音楽を題材にした映画です。
突っ込みどころ多々あるんですが、
「音楽の深淵」さは出ています。
気楽な気持ちで観れば
愉しい。

音楽の世界で神童というこは
絶対音感の持ち主ですね。

楽譜を初見で理解し
それをオーケストラと演奏するのは
やはりありえない神童です。
映画では、
我々凡人には到底ゆきつけない世界観が描かれています。
それをちょっとだけ我々側に寄り添って
何とかわかりやすく見せようとした。
非常に大変な作業です。
大変な所業です。

成海璃子の不思議な少女。(当時13才だそうです)


図書館戦争

2019-01-15 | chinema(日本映画)

映画を観た。

物語の全ての始まりは
《頭ナデナデ》
女の子でなくても、この感覚はわかります。
これは人の成長にとってとても大事だ!
ハチャメチャな想像力はこんなちょっとした幸せから大きく膨らむ。
原作者有川さんは、そんな一瞬を捉え、物語化する。

物語の人気の秘密は3ポイント。
身につまされる感覚のパラレルワールド、
ベタ甘の恋愛感情、
そして止めのないポジティーブ新感覚。

映画では、特に、《図書隊と良化隊の戦いをどう描くか》興味深いところだったが、
できるだけ血を流さず、陣取り合戦のごとく互いに戦うゲーム戦争を展開し、
原作の世界をさらにパワーアップさせていた。
実写ものは迫力で勝負である。

児玉清さんが写真で登場しているが、彼は有川さんのファンだったようで、
文庫本のラストに掲載された対談の中で、有川本の魅力について、
《有川さんの本を読むと、心が正されるんですよ。人間のあったかさを、感じ直す事ができる》と。

映画もベタベタ甘ではあるが、
心地良いポジティーブな感情を湧き上がらせてくれた。

●図書館戦争
原作:有川 浩
監督:佐藤信介
キャスト:岡田准一:堂上篤
     榮倉奈々:笠原郁
     田中圭:小牧幹久
     福士蒼汰:手塚光
     西田尚美:折口マキ
     栗山千明:柴崎麻子
     石坂浩二:仁科巌
     他
2013/日本映画


はやぶさ / HAYABUSA

2018-06-27 | chinema(日本映画)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

映画を観た。

★はやぶさ / HAYABUSA
2011/日本
監督:堤幸彦
撮影:唐沢悟
キャスト:竹内結子、西田敏行、高嶋政宏、佐野史郎、山本耕史、鶴見辰吾、筧利夫、他



《はやぶさ》の 映画化!
小惑星探査機「はやぶさ」の帰還までの感動ストーリー。
20世紀フォックス のロゴが出た時は、ちょっとびっくり。
そうか、制作は《20世紀フォックス》なんだ。
あの健気さには、まさに感涙モノです。
本作では、子どもの声を使って、いっそう、可愛さを強調してるところが、コラッ! です。

映画を見ていると、関係者の努力と言うか執念と言うか、恐れ入ります。
税金を使ったプロジェクトだからこそ、成功できたともいえます。
民間の事業では、拙速な成果が求められますから。

《はやぶさ》入門編としては、なかなかよかったです。
興味倍増。

こんな本も読みました。
《カラー版  小惑星探査機はやぶさ》川口淳一郎著(中央公論新社刊)


 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

《はやぶさ2》も頑張っています。


阪急電車 片道15分の奇跡

2018-06-18 | chinema(日本映画)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

映画を観た。

★阪急電車 片道15分の奇跡

阪急の一番の売りの路線をつかって上手く撮っている。
よくできたお話だなぁと思い、
この物語の原作者は一体誰だろうかと気になり調べてみると、
有川浩さん、さらによく調べてみたら、女性だった。
なるほど、わかるよなぁ。

女を励ます言葉があちこちに散りばめられ、
女の微妙な心理というか、
弱みというか、強みというか、そのあたリをつなぎつなぎ、《奇跡》という話に格上げしている。
凄腕の営業力である。

「私と付き合いながら、この女とナマでやるわけ」
中谷美紀のこの台詞で、ホーやるなぁ、この女この映画も本気やでぇと思わせた。
いつもこの人全力直球的演技で、筋の一本通った女性の姿をみせてくれるが、
今回もカッコイイ女、気丈夫な女を演じている。
この人がいると、空間に緊張感が生まれる。

そしてこの映像は爽快というか、異様というか、
こういうの 《一度でいいから見てみたい》
街の中、白のウエディングドレスの女がいたら綺麗だろうなー。
このありえない驚きの新鮮度。

しばらく息を飲む。
そして彼女が、泣き崩れるところから、《癒しのホームドラマ》へ。

《マルサの女》宮本信子は健在です。
しっかりしたおばあさん役で、存在感たっぷり。
彼女の台詞を聞いていると、芝居をしているというより、いつもの会話をしているような。
戸田恵梨香、男のDVに悩み再出発する女役。
彼女は神戸出身、関西弁がちゃんとしゃべれる関西っ娘なんです。
気張らんでも普段の雰囲気だったような。
谷村美月、何を隠そう彼女のファンで、彼女も関西っ娘。
普段のボケた感じがよく出ていた。
最近ほんとに良くみる芦田愛菜ちゃん、
年は幾つかしらんけど、適当に演技していてもきっちりそれでいいという天才的演技力。
不思議なくらいみんな普段の姿に見えた。
うるさいおばさん達も普段の姿に見えたから。

そんないかにも普段着のような彼女たちの台詞の中に、
いろいろはっとさせられる言葉がたくさんあった。
中でも一番は、宮本信子おばあちゃんの言葉。
《泣いてもいい。でも泣くのを自分で止めれる女になりなさい》だったかな? 
よかった。
背筋がビシーと伸びた。

阪急沿線で阪急と共に暮らす人たちの姿がいきいきと描かれていた。



ALWAYS 三丁目の夕日’64

2018-06-17 | chinema(日本映画)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

映画を観た。

★ALWAYS 三丁目の夕日’64
監督:山崎貴
吉岡秀隆、堤真一、薬師丸ひろ子、小雪、堀北真希、森山未來、他
2012/日本



こういう作品はどうしても肌に合いにくいということで、敬遠していましたが、
今回初めてこのシリーズを見ました。
時代は1964年。東京オリンピックの年。
そのせいか、僕の《時代の記憶》はかなり残っています。

限りなくノスタルジーを感じさせてくれましたが、そこまで。
ドラマが余りにも定形的で、きつい言い方ですが陳腐。
ラストは、感情をもりあげようと迫れば迫るほど型にはまるという息苦しさでした。
日本人はもう少し自由に生き抜き、想像力はもう少し逞しかったのでは。

子供の頃、あの飛行機飛ばしに夢中になりました。
工夫を重ね思い通りに飛んだ時の悦びはそれはそれは至上のもの。
壊れては作り直し、羽が折れても、ゴムが切れても、それでもなんでも空に飛ばす悦び。
時間はたっぷりあったなぁと振り返る。

 


台湾人生

2018-05-16 | chinema(日本映画)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

映画を観た。

★台湾人生
監督:酒井充子
2008/日本

日本の台湾統治時代(植民地時代)に徹底的に日本人化され、
そして差別化されながらも、
台湾人としての誇りを失わなかった人たち。
そして、蒋介石の戒厳令下にも必死に生き、
人間としての尊厳を守り抜いた人たち。
このドキュメントを作ったのは日本人女性です。
女性だからこそ引き出せた映像のようにも感じました。

映画の中に登場する人々は、
統治時代の学校で受けた教育を懐かしむとともに、
自分を育ててくれた教育に感謝の言葉を述べています。
幾つかの忘れがたい差別を体験しながらも、
敢えて感謝の気持ちを伝える姿に、
今の日本人にはない姿をみる思いでした。
と同時、大戦後の台湾が歩んだ歴史を考えさせられました。

2.28事件は映画「非情城市」で知りました。
もともと台湾に住んでいた人々は、
戦前戦後と二つの権力支配に翻弄されたことになります。
映画の中では人々の感情が淡々と映しだされていました。


船を編む

2018-05-14 | chinema(日本映画)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

映画を観た。

★船を編む
監督:石井裕也
出演:松田龍平、宮崎あおい、オダギリジョー、黒木華、小林薫、加藤剛、渡辺美佐子、他
2013/日本

原作は読んでいますので、では映画を。

辞書づくりは大変な作業です。
ひたすら根気強く、そして、まじめに作らないといけない。
どんな人が、どんな思いで作るのか、それなりに興味はあったんですが、
やはり《馬締くん》みたいな人や、《松本さん》みたいな人が、作っているんですね。
ただただ敬服します。
最近は、本の辞書は殆ど使わず、本棚の飾りになっていますが、
時にはめくってみようかと思わせたくらいです。


ディア・ドクター

2018-04-18 | chinema(日本映画)

映画を観た。

★ディア・ドクター
Dear Doctor
監督:西川美和
出演者:笑福亭鶴瓶、瑛太、余貴美子、井川遥、香川照之、八千草薫、他
2009/日本

人肌の生暖かい空気、適度な湿度を感じさせました。
自然の中なのに、濃密な人間のざわつきを感じさせました。

鶴瓶師匠は、映画全編をとおして、どこか役者さんとして素人的表情です。
その素人臭さが、周りの芸達者の役者さんの中ではむしろ異質的であり、
そのことがかえって、うさん臭さと、事件のリアル性が、心地よいくらの対比とバランスをもって展開します。
まわりの人たちが自然な演技力をみせればみせるほどに、
鶴瓶師匠の胡散臭い存在感が引き出されます。

何を考えているのかわからないような得体の知れない茫洋とした姿は、
この山村で起きた偽医師事件にピッタリです。
周りの人たちみんなが、その「嘘」を受け入れ、
自然の中での「安定」を選択したような可笑しくも哀しい事件のようです。

この社会への問題提起のようにも受け取れるいくつかの事柄が描かれます。
都市と農村、高齢化社会、そして、医療の問題、生と死に関わる医療のあり方、などなど。
でもそのことを声高く訴えるのではなく、
むしろ「何も答えない」「全てを受け入れる」そして「何もしない」ことによって、
問題の本質を浮かび上がらせているようでした。

これは相当の問題意識と練られた知略が必要ですが、
その強い意図を前面に出してこないところが、監督さんの知性かもしれません。
その意図を鶴瓶師匠の愛くるしくもうさん臭い演技が具体化しているような気がしました。

エメラルドの稲穂が見事です。
田舎のゆったりとした時間の流れ、豊かな自然の光と大きな暗闇。
物語を語るにはピッタリの世界でした。
赤いBMWもお医者さん白衣も緑一色の世界では、異次元のような世界です。
映像を印象づけるすばらしいグッズ 。


劒岳 点の記

2018-04-01 | chinema(日本映画)

映画を観た。

★劒岳 点の記
Mt.Tsurugidake
原作:新田次郎《剱岳 点の記》
監督:木村大作
キャスト:浅野忠信、香川照之、松田龍平、仲村トオル、宮崎あおい、井川比佐志、夏八木勲、役所広司、他
音楽:池辺晋一郎
2009/日本

映画全編が「劔岳」の峻烈な映像です。
映画人のプライドを感じさせる、妥協を許さない厳しく美しい山岳映像です。

この映画の魅力は二つ。
一つは立山、劔一帯の自然の美しさを見事に捉えたカメラワークでしょう。
相当の機材と、気心のしれたスタッフが必要ですね。
山の天候は不安定です。
撮影条件がそろうまで待つ勇気と執念が必要であり、
スタッフの苦労は相当のものだったと想像します。
映画のいくつかのシーンから想像するに、
相当の危険もあったのでは。
それを乗り越えての見事な映像は、
ただ美しいという世界から、
まさに立山曼荼羅の浄土の世界へと繋がるような世界観を感じました。

二つ目の魅力。
それはこの見事な映像を作り出した木村大作監督を中心とした製作スタッフ、キャストのチームワークでしょう。
危険と隣合わせの撮影地では、何よりチームワークが全てです。
良いものを創ろう、残そうという想いが、執念と情熱を高めます。
撮影された映像の純度が、互いの仲間への信頼を高めます。
ラストエンドロールからは、映画人たちの映画への熱い想いと仲間へのいたわりの想いが伝わってきました。

人間ドラマとしての表現部分には、いくつかの微妙なぎこちなさ、不似合いがあります。
大自然がテーマの映画でしたので、その人為的な不自然さが一層目立ちました。
明治という時代背景なのに、古き良き昭和の時代みたいな感覚は可笑しかったくらいです。
名だたるキャストを揃えていましたので、絵として楽しませていただきました。

劔岳一帯は今でも上級者向きの山岳地帯です。
劔岳は見る角度によって様々な姿を見せますが、
何処からみても岩山が針のように刺さり立つ山です。
劔岳に登った事を懐かしく思い出しながら、
大自然の中にすっぽり入り込ませていただき至福の時間を過ごしました。

剱岳の恐怖と爽快感が蘇ります。


ぼくは明日、昨日のきみとデートする

2018-03-22 | chinema(日本映画)

 

★ぼくは明日、昨日のきみとデートする
監督:三木孝浩
原作者:七月隆文
音楽:松谷卓
出演:福士蒼汰、小松菜奈、東出昌大、山田裕貴、清原果耶、大鷹明良、宮崎美子、他
2016/日本映画


舞台は京都、
叡電、宝ヶ池、出町、鴨川、北白川、京極、伏見などの
叡電、京阪沿線の有名所が舞台です。

お話は相当ピュアーな恋愛物語ですから
描かれる風景もとてもピュアーです。
京都観光案内物語といってもいいくらいのピュアー感。

ヒロインはタイムトラベラーなのか?
この謎は結局最後までよく解りませんでした。
いくつかの不可解な時間の設定がありました、
が、フアンタジーですから特に気にもせず。


タイムトラベラーは未来を変えられないので、
(どんな物語でもこれは鉄板ルール)
時を交差しても、迫り来る運命は変えられない。
切なさに浸りました。


過ぎた時間の全てが瞬時に記憶の中へ。
記憶の中をどのように整理して生きるか。

透明感溢れる映像と物語に
自分の記憶の中もちょっぴり浄化された気分でした。


ガチ☆ボーイ

2017-12-09 | chinema(日本映画)

映画を観た。

★ガチ☆ボーイ
監督:小泉徳宏
キャスト:佐藤隆太、サエコ、向井理、仲里依紗、他
2008/日本

記憶障害の若者が、
生きる意味を求め、
明日への自分のために、
今日の生きる時間を肉体に刻み込む。
プロレスこそが生きている実感を確認できる時間。
主人公と共に生きる青春群像が眩しい。

佐藤慶太さんが抜群の演技で物語を引っ張ってくれる。
迫真のプロレス技に興奮してしまいました。
滲みるところはしんみりと。
彼の表情は生気溢れるもので、エネルギーをいただきました。
プロレスファンではありませんが、
彼らの姿には、素直に共感です。
ネバーギブアップ。まさにガチ☆ボーイ。


乱暴と待機

2017-12-08 | chinema(日本映画)

映画を観た。

★乱暴と待機
原作:本谷有希子
監督:冨永昌敬監督
キャスト:浅野忠信、美波、小池栄子、山田孝之の4人のみ
主題歌:相対性理論と大谷能生
2010/日本

タイトルそのもが意味不明であり、そこにこの作品の可笑しさがある。まったく不条理である。こんな男と女たちが存在すること事態が可笑しくも悲しくも、ぞしてなにより不条理である。ぼくの感性では理解できないのだが、でもでも、まったく完全否定しきれないところに、この作品に妙なリアリティがある。

どのようにも物語は展開可能なデタラメ展開である。しかも、「のぞき」が題材であり、これはやっぱり不条理な男と女の物語である。しかし、どこか可笑しくもほっこりする。一人ひとりの感情がしっかり捕らえられて、不条理だけれどもうなづいてしまう不思議さ。それぞれの局面では、男と女の真実に迫っているのかもしれない。感情をうまく表現できない現代人への皮肉とも受け取れる。登場人物は4人のみ。不器用で滑稽だけど、誰にでも潜んでいる人間性。優しさと切なさと乱暴が切ないくらい混在する不条理である。浅野忠信の描く人間は想像を超えるキテレツさ。凄みと笑いが混濁して人間を逸脱している。

相当「乱暴」な描き方ではあるが、人の湧き上がる感情をじっくり「待機」させながら、物語はトリッキーに突き進む。予定調和で終わらない刺激が笑いを誘う。

主題歌は「相対性理論と大谷能生」。この不条理なそして4人だけの閉じた社会に、幸せな音楽を聞かせてくれていた。


少林少女

2017-12-07 | chinema(日本映画)

映画を観た。

★少林少女
SHAOLIN GIRL
監督:本広克行
キャスト:柴咲コウ、仲村トオル、キティ・チャン、岡村隆史、江口洋介、他
2008/日本


柴咲コウの「少林少女」を観た。
映画が始まって、5分ほどしてから、「これは少し変だ」とその異様なものに気づく。その後は、まったく思考を停止させた。柴咲コウの爆裂摩訶不思議なアクション映画に酔いしれようと覚悟を決めた。

コウちゃんの圧倒的な「気」に、若い女の子のムンムンした「気」に完全に打ちのめされ別世界に突入。ドラゴンボールのような、意味不明の黄金の世界。☆▽×□★♢!!!!?/??。

身終えた後、外の世界が異様に見えた。