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映画、読書などのメモ

海街diary

2016-12-12 | chinema(日本映画)

 

★海街diary

監督:是枝裕和
原作:吉田秋生
脚本:是枝裕和
出演者:綾瀬はるか、長澤まさみ、夏帆、広瀬すず、加瀬亮、鈴木亮平、他


調和と平和に徹した映画でした。
それ以外の脇道にそれるモノはいっさい描かないという完璧主義。

一人の異母妹の突然の登場によって
自分たちでさえ気づかなかった心の傷に対して
しっかりと向き合えるようになってゆくという
いわば4姉妹の成長物語。

 

鎌倉が舞台であり、
鎌倉の風土をめっちゃ旨く利用しながら
4姉妹の閉じ切った心の闇と
明日に向けての成長の世界を見事に描いてくれる。

是枝監督の腕の見せどころではある。
もっと深く掘り下げると人間の心の明と暗が出てくるんでしょうが
それはしない、明の部分だけ。
監督が意識的にやり抜いているところに
描かれない真逆の不安感が浮かび上がる。
人の(暗)を描かない監督の凄さと怖さ。


ところで、この映画の影の主役は、4人姉妹の父親なんですが、
どんな人だったんでしょうね。
姿も写真もみせてくれない。
また映画に登場する男たちは
みんな人がいいんだけど、
何処か頼りなげで
存在感が薄く、
でも笑顔だけがはっきりと美しい。
この描き方が可笑しくて、、、、。
でも4姉妹はそれぞれに個性的。
そして健気に逞しい。