Nの祝祭日

映画、読書などのメモ

2015-04-20 | 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

本を読んだ。

★猫
・著者:有馬頼義/猪熊弦一郎/井伏鱒二/大佛次郎/小高京子/
 坂西志保/瀧井孝作/谷崎潤一郎/壷井栄/寺田寅彦/柳田邦男/
 クラフト・エヴィング商會
・出版社:中央公論新社

僕はがちがちのネコ派です。
猫の姿を観るだけで幸せなります。
猫に触るだけで体調が良くなります。
外で野良に声をかけると、たいてい彼らの方から寄ってきます。
どうやら仲間だなと感じるようです。

さて、今日の本、
猫好き作家の愛情たっぷり文章が味わえます。
作家のそれぞれの個性があり、
それぞれの時代があるんですが、
それぞれの猫に対する滋味あふれる心情が綴られています。

中でも、
猫を異常なほど溺愛していると思われたのが、
文豪、谷崎潤一郎でした。
ただならぬ愛で方です。

まず、文章を紹介。

ねこ
動物の中で一番のきりょう好しは猫族類でせうね。猫、豹、虎、獅子、みんな美しい。美しいがどれが一番いいかといえば猫ですね。第一眼がいい、それから鼻の格好が素的だ。獅子や虎や豹は、鼻筋が顔面に比べて長過ぎます。だから間がのびてきりつとしたところがない。そこへいくと猫の鼻は理想的です、長からず短からず、ほどよき調和を保って、眼と眼の間から、口もとスーッと伸びる線の美しさは何とも言えない。中でもペルシャ猫のが一等よろしい。あんなにキリッと引き締まったいい顔をした動物が他にあるでしょうか。

と、まず顔の賛美からはじまり、
猫の媚態の限りを尽くした甘え方まで見事に表現している。

猫ちゃんの美しさを的確にとらえています。
さすが文豪と唸ります。


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葉桜の季節に君を想うということ

2015-04-19 | 

 

 

★葉桜の季節に君を想うということ
著者:歌野晶午

《現代ミステリーのベスト1です》と文庫版の帯に書いてあります。
(これは誇大広告です!たぶん)
2004年のあらゆるミステリーの賞を総なめにしたということらしい。
そういえば、あの頃、タイトルの素敵なミステリーがあったなと想い出しました。

さっそく文庫本購入、途中、何度も何か変だなーと思いながら読み進め、
ラスト、作者のとんでもないトリックに
《えっ?》
とガクンです。
やっぱりなー、妙にシニアっぽい雰囲気、レトロっぽい雰囲気でおかしいなとは思ったけど。
トリックを知ってしまうと、それまで読んだページが急にセピア色に色褪せました。
こういうのはトリックというのだろうか?
情報操作というのでは?
巧妙です。

 

こういう手法を《叙述トリック》という。
人物や事件に関する記述を意図的に伏せることで、読者の先入観を利用し、ラストの予想外の衝撃をもたらすというやり方。
ミステリーではよく使われる。
が、できればこの手法を使わず、心地よく騙してほしい。

でも読んで愉しかった。 


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ブラックブック

2015-04-13 | chinema(欧米系映画)

 

★ブラックブック
原題:Zwartboek
監督:ポール・バーホーベン
キャスト:カリス・ファン・ハウテン、トム・ホフマン、セバスチャン・コッホ、他
2006/オランダ

事実に基づいた資料からヒントを得たという物語。
ナチの残虐さと
レジスタンスに命を懸けた人々の闘いを描く。

映画の中のひとつのシーン。
「人を簡単に信用してはいけない」

物語は最後まで結末が想像できず。
サスペンスに近いストーリィである。
残虐な場面、エログロの場面も全て描きながら、
ダイナミックに展開していく。
人間の醜さ強さ弱さがみごとに描き出され、
見終わった後もしばらく映像が頭から離れなかった。


ヨーロッパ社会はこのようなナチとの闘いがあって現代がある。
彼らの人や社会を描く視点が多重的であり、
裏切りも正義もひとまとめ。
人間のあらゆる姿の数々が描かれている。


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吉野の桜

2015-04-12 | 散策

 

 

吉野へ行ってきました。
中千本辺りから、山の上の方の桜です。
山の上は満開です。
さすが吉野、壮観な桜景色。

山の中、桜の花びらが舞っています。
立ち寄ったお店の人のお話ですと、
今年は雨の日が多く、すかっとした桜日和がなくて残念ですとのことでした。
今日も花曇り、風が冷たく感じられました。

 

 

吉野と言えば《葛》。
今回は、中井春風堂さんの葛をいただきました。

作っているところを見せてくれます。
残念ながら、カメラのレンズがちょっと湯気でくもり気味でした。

賞味期間10分間の奇跡の葛きりと葛もちです。


外の桜を観ながらいただきます。
花びらが風に舞いながら何処かへ飛んで行きます。

 


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オーケストラ!

2015-04-03 | chinema(欧米系映画)

 

★オーケストラ!
Le Concert
監督:ラデュ・ミヘイレアニュ
音楽:アルマン・アマール
キャスト:アレクセイ・グシュコブ、メラニー・ロラン、他
2009/フランス

 


虚と真が入り混じり
コメディなのか?
メッセージがあるのか?
何なのかよくわからないうちに
ラストのチャイコフスキーにぐいっと引きこまれました。

そして
「そうだったのか」
と妙に納得した音楽作品です。 


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