オペラ2題

2007-03-11 | オペラ

まずは「さまよえるオランダ人」(3/10新国立劇場)
2回観ているはずだが、どうも満足いく舞台ではない。
作品自体にそれ程思い入れもないのが原因かもしれないが、
この日の公演も歌手は好演していたのだが、どこか、収まりが悪い。
英雄っぽいオランダ人、マルケのようなダーラント、猛女のゼンタ、
決して悪いわけではないが、アルヴァも、モノスタトスも何でもござれの水夫。
オケは金管はぽろぽろ落としていたような。
水夫の合唱でオランダ人側が割り込んでくる時PAのスイッチ入れ忘れたよね?
…贅沢なんだろうか。
これは、2度演奏会形式で上質の演奏を聴いているからかもしれない。
シュタイン/N響は会場で聴いていた人ほぼ全てが目が点になったと思う大胆なカットがあったり、
当時ほとんど無名だった増田とザールブリュッケン。
多分このオペラ舞台向きではないのかもしれない。かといって、サヴァリッシュの映画のようにオカルト映画になっちゃうのもねぇ。

そして「アルバート・へリング」(3/11新国立劇場中劇場)
アルバートこそ20世紀のパルジファルだと信じて疑わないこのオペラ。
ブリテンのオペラでは「カーリュー・リヴァー」とともに最も愛着のある作品。
今回は50'sっぽい衣装(ナンシーだけか?)にポップな舞台に多数の黙役を使って(1幕で不道徳なお嬢さん方をオーディション風に示す)分かり易く小市民的(ビロウズは威厳というか高圧的なところが感じられず近所のお節介なおばちゃん風だしこの日のタイトルロールが劇団ひとりっぽかったのが原因か)に観せた。
過去5回位(すべて日本語上演)は観ているがどれも楽しかったのだが、江戸時代に翻案したものとかも観てみたい。