荒川三歩

東京下町を自転車で散策しています。

「桜井の史跡と伝説」-4/片目の鯛と狸

2017年06月06日 | 散文


4.片目の鯛と狸
昔、桜井の浜に一匹の狸がいました。




この狸は意地が悪く、漁師が鯛をとってくると人目を盗んでいつも片目を食べていましたが、ある日、ひょんな事から、これが狸の仕業であると見破った漁師は、この意地の悪い狸を海にほうりこんでやると息巻きました。困った狸は「命だけは許して下さい。




そのかわり、あなたがとった鯛は必ずよく売れるようにします。」と言って助けてもらいました。


助けてもらった狸は修行僧に化け、桜井を経文しながら各家の前に立ち、「今年は、悪病が流行しますこの厄除けには片目の鯛がよく効きます。」と言ってまわりました。


それで、片目の鯛がべらぼうな高値で売れ、漁師は大儲けをしました。


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