無線室

無線通信、特に受信に関する考察、実験、感想などを‥‥。

QNH その1

2007-09-10 17:18:14 | 航空無線
 半年ぶりです。ここ最近、多忙につきなかなか更新できませんでした。お詫び申し上げます。

 さて、今回は「QNH」について。QNHとは航空無線で使われる用語で、日本語では「高度計規正値」といわれます。
 詳細は他のサイトに譲りますが、主な空港に設置されているATISでは必ず最後に、またATISのない空港でも離着陸時にパイロットに通報されるもの。この値を高度計にセットすることにより、空港付近での正しい高度が表示されるのです。
 おおざっぱに言えば、QNHで空港付近の気圧がわかることになります。台風が近づいてくれば数十分単位で数値は下がり、逆に遠ざかれば数値が上がっていくのです。

 気圧は通常「hPa」(ヘクトパスカル)で表されますが、羽田などの一部の空港では「in」(インチ/正しくは「水銀柱インチ」=inHg)で表されているとこともあります。しかも、実際には小数点第2位までの数値で、なおかつ小数点を省略しているのです。具体的には「29.92in」を「two niner niner two」と表現しています。ちなみに、hPaとinは以下のような関係です。

1atm=1013.2hPa=760mmHg=29.92inHg

 「atm」とは「標準大気圧」のことで、「mmHg」は「水銀柱ミリメートル」のことです。inとhPaの換算表を次のブログで掲げます。受信の参考にしてみてください。

航空無線とは?

2006-10-31 01:27:21 | 航空無線
 航空無線とは、航空機の飛行に用いられる無線です。日本国内での運用でも、基本的には英語を使うため、取っつきにくいイメージがあるようですね。
 民間機はVHF、軍用機はUHFを使用しますが、軍用機でもVHFを使用することがあります。VHFでもUHFでも、大まかに以下のように分類されます。

  • 飛行場管制・ターミナル管制
     飛行場の離発着に用いられます。以下のようなセクション分けがなされています。

    セクション略記用途
    クリアランスデリバリーCLR管制伝達承認
    グランドコントロールGND飛行場の地上管制
    タワーTWR飛行場管制
    ディパーチャーDEP出発管制
    アプローチAPP進入管制
    レーダーRDRターミナルレーダー管制
    アプローチAPP進入管制

     主要空港では各セクションごとに周波数が割り当てられていますが、規模が小さくなると一部が兼任します。また、地方空港ではすべてを兼任するレディオ(RDO)で運用されています。
     ほかにも、情報提供を目的としたATIS(飛行場情報放送業務)があります。主要空港に設置されており、空港運用時間中はエンドレスで空港の状況や周辺の気象を一方的に流しているものです。航空無線初心者は、ATISを聞いて英語の耳を慣らすとよいとされています。

  • 航空路管制
     決められた航空路を飛ぶ飛行機に対して使われます。日本では、上空を30以上の空域に分け、それぞれに周波数が割り当てられています。近くに空港がなくても、上空を飛ぶ飛行機の声が聞こえてくるのです。
     このほか、ATISの航空路版ともいえるAEIS(航空路情報提供業務)があります。ATISが一方的に情報提供しているのに対し、AEISはパイロットからのリクエストに応じて情報提供しています。

  • 洋上管制
     HFを使い、陸上から遠く離れた航空機と交信するために用いられます。「洋上」とはいうものの、海外ではジャングルや砂漠でも使用されています。

  • カンパニー
     飛行機と、その飛行機が所属する会社・組織との交信に用いられます。飛行機を運航している会社になら、ほぼすべてに割り当てられているものです。日本語のみの交信や、日本語と英語チャンポンの交信も聞けます。

     このほかにもいろいろありますが、詳細は他のサイトにもありますのでそちらをご覧ください。また、こちらでも今後も随時紹介していく予定ですので、お楽しみに。