『パパ、だ~いスキ』と言われたパパの映画日記

こどもが二人とも小学生になったけど、「パパだ~いスキ!」と言われてる間は、タイトルを変えませんが。

「ある子供」 高級ベビーカーを買ったけど

2006年02月03日 | 映画
社会人になって、働きにでれば、“大人”になれると思ってました。
親もとから離れて、一人暮らしすれば、“大人”になれると思ってました。
結婚すれば、“大人”になれると思ってました。
なんら変わることなく、こんな“大人”でもいいのかと思いながら、過ごす毎日。
そんな折、赤ちゃんができたことを知り、「今度こそ“大人”に!」の思いをよそに、急速に“大人”になるヨメさん。
体調の変化、大きくなるお腹、時折垣間見られる“大人”発言。
「ヨメさん、“大人”になっていってる~」と、少々のおいてけぼり感がありました。
あまり実感が湧かないまま、ヨメ出産。ムスメ誕生。
ムスメの顔を見た瞬間、「あぁ、なんと自分によく似てるんだろう。確実にDNAを受け継いでるわ。オレの分身。この子を守ってやれるのは、自分たちしかおらんやんか!」と、自分の中の“大人”がやっとこさ、目覚めました。


この映画は、ますだおかだ岡田似のまるでダメな青年が、親になるところからはじまりますが、こいつときたら・・・。
「顔、見て!見て!あなたに似てる!」「う、うん・・・・」
「赤ちゃん、抱っこしてみる?」「え、えぇわ・・・」
「名前どうする?」「なんでも、ええわ・・・」
こいつの唯一の誠意は、その時盗んだ財布がたまたまたっぷり詰まってたであろうから、勢いで買った350ユーロ(約5万円)の悪路でもすいすい走れる高級ベビーカーのみ!
「自分の子供の誕生」というきっかけでも、“大人”になれないこいつ。
そんな、こいつにも、めでたく“大人”になった瞬間が描かれます。
そして“大人”の自覚を持てた年齢は、私よりも10年ほど若い年齢でです。
ステキな未来が描けるなら、腐った過去もアホな思い出として変えられます。
「過去は変えられるんです!with鼻水ダラーッッ」(by金八)


「カンヌで賞が欲しければ、兄弟で監督しろ!」の格言(今、作りました)どうり、タビアニ兄弟、コーエン兄弟に続いて兄弟監督で、賞をいただいたダルデンヌ兄弟。
ウォシャウスキー兄弟やファレリー兄弟が受賞する日は来るのでしょうか?
「ゾンビ映画を撮ってても、サングラスのアクション映画を撮ってても、障害ギャグのコメディを撮ってても、映画を撮りさえしていたら、いつかはカンヌの赤絨毯」。


★★★1/2