京都楽蜂庵日記

ミニ里山の観察記録

悪口の解剖学: サツマイモとカラスの悪口

2020年08月24日 | 悪口学

 サツマイモはその葉が虫などにかじられると強い匂いの化学物質を放出して、自分だけでなく、近くに生えているサツマイモの葉にも、消化を妨げるタンパク質(スポラミン)を合成させるようにする。この匂いは、植物の葉が周りの仲間に害虫への防御を促す一種の警報フェロモンである。植物では、サツマイモ以外にもこのような例は多い  

 

 動物の場合は、匂いを使わず大抵、音声情報で警報を発する。コクマルガラスの悪口警報の話しが有名である。

ある男がいたずらで、木に止まっている一匹のコクマルガラスに石を投げつけた。そうすると、そのカラスは、その男を記憶していて、彼がそばを通る度にガアガアと叫び続けた。そのうち、その辺りのほとんどのカラスに情報が広まり、どのカラスも男の姿をみると騒ぐようになった。行動学の権威、コンラード・ローレンツ博士の著に出てくる有名な話である。

サツマイモの警報フェロモンやカラスの騒がしい鳴き声などの危険情報は、それぞれ生存価を高めるための重要な「悪口」なのである。

 

 

参考資料

日経サイエンス 2020/05月号 p18 「サツマイモの警告」


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