京都楽蜂庵日記

ミニ里山の観察記録

テングチョウ初見

2013年03月24日 | ミニ里山記録

                           日光浴するテングチョウ(Libythea celtis)


顔の一部が天狗の鼻のように長い愛嬌のあるタテハチョウ科の小蝶である。この蝶は6月ごろ羽化するが、すぐにどこかに隠れてしまう。秋にはまたしばらく活動するが、越冬して翌年の春先に里山へ出てくる。

 この季節には、明るい雑木林の路上をせわしく飛び回り縄張りを張る。深山よりも低山に多く、吉田山の小径や比叡山に登る山中越などでよく観察される。筆者は、モンシロチョウよりもテングチョウの初見で春の訪れを感ずる。食樹はエノキ (N7I2)。

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近所のヒヨドリ

2013年03月17日 | ミニ里山記録

 ヒヨドリは本来、山間部に生息する鳥だが、適応力があるのか、最近では都市郊外でもよく見かける。近所ではハトについで大型の鳥で、林の梢にとまってヒヨーヒヨーと甲高く鳴くのですぐわかる。

 家の畑の野菜をヒヨドリがついばむので追い払うと、石垣についてシダを食べはじめた。冬の間に木の実を食べ尽くすのか、この季節は鳥の食物不足なのだろう。

 彼等はこれから桜が咲くのを心待ちにしている。甘い蜜をたらふく吸うことができるからだ (N5A1)。

                     鵯真似て芯の甘さや夕桜 いさお

   

 

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寒き都のここかしこ

2013年03月06日 | ミニ里山記録

  寒い冬だったのでニホンスイセン (Narcissus tazetta var.chinensis)の開花が遅れていたが、やっと咲き揃った。学名のナルキソスはギリシャ神話の美少年ナルキソスの名をとったものである。ナルキソスは池面に映った自分の姿に恋し、ついには衰弱して死んでしまった。

スイセンはヒガンバナ科に属しリコリン(lycorine)というアルカロイドを含む有毒植物である。葉とか球根を食べると気分が悪くなり嘔吐して吐き出すので、大抵は大事に至らないとされているが、注意が必要である。

スイセンは本来、地中海沿岸の原産で日本へは中国経由で渡来したとされているが、いまや1-2月の街の露地で最も眼につく日本的な花となっている。

   

                              水仙や寒き都のここかしこ 蕪村


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