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京都楽蜂庵日記

ミニ里山の観察記録

正岡子規の碁俳句

2024年10月18日 | 評論

病床の子規。明治33年4月5日

 2017年10月頃の日本棋院のHPをみると、正岡子規が第14回囲碁殿堂入りしたという。子規は日本の野球殿堂にも入っている。なんでも最初に始めた人はハッピーである。晩年、結核性の脊髄カリエスという死の病に冒されていたが、子規庵で精力的に文芸活動を続けいていた。また無類の碁好きで、病床に碁盤を持ち込んでいたそうだ。その子規は、たくさん碁の俳句をつくった。それらを可能なかぎり集めてみた (ただしインターネット収集なので「全集」での確認が必要である)。

 涼しさや雲に碁を打つ人二人

 短夜は碁盤の足に白みけり

 碁丁々荒壁落つる五月雨

 蚊のむれて碁打二人を喰ひけり

 修竹千竿灯漏れて碁の音涼し

 共に楸枰(しゅうへい)に対し静かに石を下す    *(楸枰は碁盤のこと)

 碁の音や芙蓉の花に灯のうつり

 勝ちそうになりて栗剥く暇かな

 月さすや碁を打つ人の後ろまで

 碁にまけて厠に行けば月夜かな

 焼栗のはねかけて行く先手かな

 蓮の実の飛ばずに死にし石もあり

 昼人なし碁盤に桐の影動く

 蚊のむれて碁打ち二人を喰ひにけり

 碁に負けて偲ぶ恋路や春の雨

 真中に碁盤据えたる毛布かな

 月さすや碁をうつ人のうしろ迄

 

       明治31年新年ある日の子規庵(下村為山画昭和10年)河東碧梧桐の思い出が書かれている。

追記2024/10/03

子規が野球で遊んだ上野公園の野球場は子規の名前がついている。「打者」「走者」「飛球」などの訳語を考えたのも子規である。


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1 コメント

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ドル安来りて笛を吹く (ストライベックオイル)
2025-04-22 03:55:49
最近はChatGPT(LLM)や生成AI等で人工知能の普及がアルゴリズム革命の衝撃といってブームとなっていますよね。ニュートンやアインシュタイン物理学のような理論駆動型を打ち壊して、データ駆動型の世界を切り開いているという。当然ながらこのアルゴリズム人間の思考を模擬するのだがら、当然哲学にも影響を与えるし、中国の文化大革命のようなイデオロギーにも影響を及ぼす。さらにはこの人工知能にはブラックボックス問題という数学的に分解してもなぜそうなったのか分からないという問題が存在している。そんな中、単純な問題であれば分解できるとした「材料物理数学再武装」というものが以前より脚光を浴びてきた。これは非線形関数の造形方法とはどういうことかという問題を大局的にとらえ、たとえば経済学で主張されている国富論の神の見えざる手というものが2つの関数の結合を行う行為で、関数接合論と呼ばれ、それの高次的状態がニューラルネットワークをはじめとするAI研究の最前線につながっているとするものだ。この関数接合論は経営学ではKPI競合モデルとも呼ばれ、トレードオフ関係の全体最適化に関わる様々な分野へその思想が波及してきている。この新たな科学哲学の胎動は「哲学」だけあってあらゆるものの根本を揺さぶり始めている。こういうのは従来の科学技術とは違った日本らしさとも呼べるような多神教的発想と考えられる。
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