京都楽蜂庵日記

ミニ里山の観察記録

時間についての考察 X サニャック効果による時計の動きの違い

2019年05月03日 | 時間学

 

  相対性理論による時間影響の一つにはサニヤック効果がある。理想的な時計が二つあって、同じ速さで進むように調整されており、それを赤道上の海面の高さに置く。そのうち一方を、海面に沿って、ジオイド(地球の重力が等しい面の1つであり、地球全体の平均 海面に最もよく整合する)からはずれないように注意して、ゆっくり東へ動かす。移動はゆっくり行なわなければならず、可能なら何年かかってもかまわない。移動する方の時計が、赤道を1周して静止している方の時計と再び出会ったとき、二つの時計を照合してみる。移動が確かに十分遅く、時計がずっと海面の高さにあったならば、回じ時刻を指しているものと予想されるが、そうはならない。移動した時計の方は静止していた時計よりも、207ナノ秒遅れることになる。さらに奇妙なことに、時計が逆方向に進み、西回りに赤道を一周したとすると、今度は移動した方の時計は静止していたよりも207ナノ秒進むことになる。サニャック効果は形を変えた時間の遅れである。地球を慣性座標系と見るか非慣性座標系から見るかで考え方が違うが、結論は同じである。

 

図1サニャック効果: 時計がA点からB点に地表を移動すると、静止した時計に比べて

影付きの部分に比例した時間のズレが生じる(参考文献の図を転載)

 

 

参考文献

トニー・ジョーンズ 『原子時計を計る』青土社 2001.

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