里の部屋

日々思ったことを綴っていこうと思います。

ドレミの歌 母らしい

2016年06月21日 | 日々のつぶやき
6月17日の新聞記事・ひととき欄の投稿記事から

 アルツハイマー型認知症である母の、最近のお気に入りはドレミの歌だ。

にこにこして得意そうに繰り返し歌う。

私も楽しくなって一緒に歌うのが日課だ。

 最初に聞いたときはちょっと驚いた。

「ドはドーナツのド」、「レはレモンのレ」、続いて「ファはファイトのファ」。ん?

「ミ」が抜けたな、と思っていたら、いきなり「シは幸せよお」ときて「さあ歌いましょう」で、あっという間に歌が終わってしまった。

ぽかんとした私とは対照的に母は、ひと仕事終えたような涼しい表情をしていた。

 記憶が抜け落ちるという世界は、どんな世界なのだろう。

母は、時折、ひとりごとをつぶやきながら自分の世界に行ってしまう。

失った記憶を自身の物語で埋めようとしているのだろうか。

そんな時、母は遠い人だ。私は邪魔をしないように、そばにいてそっと見守ることしかできない。

 少し短いけれど、私は母のドレミの歌が好きだ。

母の記憶の歌詞に「ファイトのファ」と「幸せのシ」が残ったことは嬉しい。

前向きで頑張り屋で、身の回りの小さな幸せに感謝していた母らしい気がして。

何度でも、私も一緒に歌おうと思う。 


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2 コメント

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Unknown (グライセン)
2016-06-22 06:13:35
素敵な里の子さん・・・
寄添ってあげてください。
大変ですが・・・
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母の歌 (里の子)
2016-06-23 14:01:31
グライセン様

コメントありがとうございました。

母も、よく鼻歌のように、色んな歌を歌っていました。
ときには、最初歌いだした歌とは、違う歌に自然に移動して、アレッ、どこで最初の歌から自然にバトンタッチして、違う歌で終わったんだろうと、不思議だなぁ、器用だなぁと感心させられる時もありました。
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