土曜日
https://www.jiji.com/jc/article?k=2018041400223&g=int
米英仏、軍事行動を正当化=化学兵器常態化を警告-国連安保理
【ニューヨーク時事】シリアのアサド政権による化学兵器使用疑惑で、米英仏がシリアへの軍事的な対応を検討していることを受け、国連安全保障理事会は13日午前(日本時間同日深夜)、公開会合を開いた。ヘイリー米国連大使は、米英仏が対シリア軍事行動に踏み切るとすれば、化学兵器禁止条約などに基づく国際社会の原則や規範を「守るためだ」と主張し、軍事行動を正当化した。英仏両国も同調した。
会合はアサド政権の後ろ盾のロシアのほか、中国、ボリビアが要請し、米英仏が13日夜(同14日午前)にシリア攻撃に踏み切る前に行われた。ロシアのネベンジャ国連大使は会合で「主権国家に対する違法な武力行使に向けた危険な軍事的準備が進められている」と訴え、米英仏に対し、一方的な軍事行動の自制を促した。
ヘイリー氏は、米国の推定でアサド政権はシリア内戦下で化学兵器を少なくとも50回使用したと指摘。「アサドによる化学兵器使用の常態化を許せば、すべての国や人々が害を受ける」と警告した。さらに、「米国や同盟国がシリアでの行動を決断するとすれば、それは(国際社会が)合意した原則や、すべての国が利益を享受している根本的な国際規範を守るためだ」と述べた。
デラトル仏国連大使もアサド政権が化学兵器を使い続け、国際社会の安全を保障する規範に違反していると指摘した上で、「集団安全保障に対する耐え難い脅威を終わらせる責任をフランスは負う」と明言。ピアース英国連大使は、アサド政権を擁護するロシアの行為は「究極的にはわれわれの安全保障に悪影響を与える」と主張した。
一方、中国の馬朝旭国連大使は「安保理を経ない一方的な軍事行動は国連憲章の目的や原則と食い違う」と指摘。欧州でも、スウェーデンのスコーグ国連大使が「化学兵器使用が国際法違反だったとしても、いかなる対応も国際法に基づき国連憲章を尊重しなければならない」と述べ、軍事行動に慎重姿勢を示した。
7日の化学兵器使用疑惑以降、安保理が会合を開くのは4回目。(2018/04/14-11:42)
https://www.jiji.com/jc/article?k=2018041400289&g=int
米英仏、シリアに軍事攻撃=首都など化学兵器施設標的-トランプ氏「怪物の犯罪」
【ワシントン時事】トランプ米大統領は米東部時間13日午後9時(日本時間14日午前10時)ごろ、シリアのアサド政権による化学兵器使用を受けた「精密攻撃」を命じたと発表した。
英仏両軍も作戦に参加。
AFP通信によると、首都ダマスカスで複数の爆発音が聞こえた。
米国防総省は、ダマスカスや中部ホムス県の化学兵器関連施設を攻撃し、作戦は終了したと明らかにした。
アサド政権による「化学兵器使用」を理由にした武力行使は、昨年4月に次いで2回目。
米政府は13日、シリアの首都近郊で用いられた化学兵器について、猛毒の神経剤サリンが含まれているという情報があると指摘した。
アサド政権の後ろ盾であるロシアの警告を無視して軍事攻撃を実施したことで、米ロ関係がさらに悪化するのは避けられない。
トランプ大統領は国民向けの演説で、アサド政権が化学兵器を使用したと断じ、「悪辣(あくらつ)かつ卑劣な攻撃で女性や子供に苦しみを強いた。怪物による犯罪だ」と痛烈に批判。
アサド政権が使用をやめるまで「攻撃を続ける用意がある」と強調した。
今回新たに攻撃に加わった英国のメイ首相は声明で、シリアへの対応は「軍事力行使に代わる現実的な選択肢はなかった」と表明。
フランスのマクロン大統領も声明で、アサド政権に対し「レッドライン(越えてはならない一線)」を越えたと非難した。
米軍制服組トップのダンフォード統合参謀本部議長は記者会見で、ダマスカス周辺の化学兵器研究施設やホムス県の化学兵器保管庫など3カ所を攻撃したと発表した。
巡航ミサイル「トマホーク」やB1爆撃機が使われたとみられる。
ダンフォード議長は「昨年の攻撃と比べ、質量ともに異なっている。アサド政権の化学兵器能力を長期的に大きく後退させた」と強調。
マティス国防長官は「昨年と比べてほぼ2倍の兵器を使った」と述べた。
(2018/04/14-12:54)
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180414-00000029-jij-m_est
「ミサイル13発撃墜」=アサド政権、攻撃は「うそ隠し」―シリア
【カイロ時事】シリア国営メディアは14日、米英仏による軍事行動によって、首都ダマスカス近郊の軍用空港や科学研究センターなどが攻撃を受けたと報じた。
シリア側の防空システムが作動し、ミサイル13発を撃ち落としたと主張している。
国営メディアは、中部ホムス近郊でも軍事施設を狙ったミサイル攻撃があったものの、施設への被害は回避されたと伝えた。市民3人が負傷したと報じている。
シリア側は「3カ国の侵略は国際法違反であり、必ず失敗する。対テロと同じ決意で侵攻に立ち向かう」と強調。化学兵器使用が疑われる首都近郊の東グータ地区で14日から化学兵器禁止機関(OPCW)の現地調査が始まる前に空爆が行われたため、「うそを隠すことが狙いだ」と批判した。
在英のシリア人権監視団によれば、攻撃対象となった軍関連施設などからは、空爆に備えて既に人員などが退去していた可能性が高いという。
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