ひょうきちの疑問

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2020年のアメリカ大統領選以後はムチャクチャ

お金とは何だ 41 円が高いと輸入品は安いからデフレになる

2018-11-13 08:19:19 | お金とは何だ

火曜日

1990年のバブル崩壊以降、ドル円相場は1ドル=110円前後で推移している。2000年代に入ってからはますますそれがはっきりした。現在は113円である。
ところが購買力平価で見ると、適正相場は1ドル=150円前後である。
つまり1ドル=110円というドル円相場は、『円高』過ぎるのである。
円高だと日本人は外国製品が安く買える。つまり物価は低下する。だからデフレになる。
実際その通り今の日本はデフレ状態が長く続いている。

では円が高くて、外国製品が安く買えるのなら、日本人がそれだけ豊かになったのかといえば、肝心の我々の給料は減っている。預金金利もつかない。ゼロ金利である。こうやって我々はだんだん貧しくなっている。
なぜ我々は貧しくなるのか。
それは日本がドル買いしているからである。ドル買いして、買ったドルをそのまま米国債にしているから、我々のお金は我々には回ってこないのである。

日本は1980年代の中曽根康弘の時代からずっとこの米国債買いを続けてきた。
そうやってドルを買い支えてきた。不自然なドル高をつくってきた。
だから我々日本人にはお金が回らない。
我々のお金はアメリカ人が使っている。アメリカの消費に当てられている。
我々は自分たちが働いて得たお金をアメリカに貸し、その貸したお金でアメリカ人に日本製品を買ってもらっている。
そしてそのために円を売ってドルを買い、ドル高・円安にしている。
日本のドル買いがなければ、ドルはもっと安いのだ。ドルの実力はもっと落ちるのだ。
日本のドル買いがなければ、ドル円相場の適正レートは、1ドル=80円前後だろう。
実際に過去2度ほど、ドルは80円を下回った。

アメリカは1980年代から貿易赤字の上に財政赤字の国である。これを長く続けた結果、世界最大の債務国である。このような国の通貨は、ふつうは下落し続けていく。それが110円前後で安定していること自体がおかしいのである。
それに対し日本は、貿易黒字の国である。そして世界最大の債権国である。このような国の通貨はふつうは上昇を続ける。しかしそれを食い止めるためにドル買い、米国債買いをしている。だから財政赤字が続いている。こうやって日本のお金がアメリカに流れている。

ドルの本当の実力は、1ドル=80円前後である。
しかし購買力平価で見ると、1ドル=150円前後が適正レートである。

この矛盾は何を意味するか。
1ドルは80円の実力しかないのに、150円の力を持っているということである。
アメリカ人は本当は1ドルで80円のものしか買えないのに、150円のものを買っているということである。
この差し引き70円はどこから来るのか。
それが日本から与えられたお金である。(米国債は返済されないから)
逆にいえば我々日本人は、80円で買えるものを、150円で買って損しているということである。
我々が今150円で買っているものは、実は80円で買えるものである。
我々が稼いだお金の70円分は、アメリカに貸し出され、アメリカ人が使っている。
だから我々はずっと貧しいのである。