福島章恭 合唱指揮とレコード蒐集に生きるⅢ

合唱指揮者、音楽評論家である福島章恭が、レコード、CD、オーディオ、合唱指揮活動から世間話まで、気ままに綴ります。

シェルヘンのベートーヴェン交響曲全集 仏VEGA盤(米ウエストミンスター録音)

2014-06-22 21:30:40 | レコード、オーディオ

シェルヘンのベートーヴェン交響曲全集 仏VEGA盤!

「エロイカ」を聴き終えて、端正な外見に狂気を隠し持った名演であることを確認! 

「7番」も、遅めのテンポを基調に腰の据わった音楽づくり。鬼才と言うよりは巨匠の風格さえ漂う。

一般にシェルヘンのベートーヴェンと言えば、最晩年のルガノ放送響との狂気に充ちたライヴ録音が有名であるが、

なかなかどうして、米ウエストミンスターに入れたスタジオ録音も素晴らしい。

VEGA盤の音質も仏プレスならではの華やぎと艶があって、米ウエストミンスター・オリジナルとは別の味わいがある。

どちらか言うと、こちらが好きかも。

何よりコンディションの良いのが嬉しい。

 

ベートーヴェン:
・交響曲第1番ハ長調 op.21(録音時期:1954年6月)
・交響曲第2番ニ長調 op.36(録音時期:1954年9月)
・交響曲第3番 変ホ長調 op.55『英雄』(録音時期:1951年1月)
・交響曲第4番変ロ長調 op.60(録音時期:1954年9月)
・交響曲第5番ハ短調 op.67『運命』(録音時期:1954年9月)
・交響曲第6番ヘ長調 op.68『田園』(録音時期:1951年7月)
・交響曲第7番イ長調 op.92(録音時期:1951年7月)
・交響曲第8番ヘ長調 op.93(録音時期:1954年9月)
・交響曲第9番二短調 op.125『合唱』(録音時期:1953年9月)

 マグダ・ラースロ(ソプラノ)
 ヒルデ・レッセル=マイダン(アルト)
 ペトレ・ムンテアヌ(テノール)
 リヒャルト・シュタンデン(バス)
 ウィーン・アカデミー合唱団
 ウィーン国立歌劇場管弦楽団 (第1、3、6、7、9番)
 ロイヤル・フィルハーモニー管弦楽団(第2、4、5、8番)
 ヘルマン・シェルヘン(指揮)
 録音方式:モノラル(セッション) 原盤:Westminster

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ムラヴィンスキーのブルックナー8番を聴く

2014-06-22 16:31:56 | レコード、オーディオ

今朝のブルックナー8。
ムラヴィンスキー&レニングラード・フィル 旧ソ連メロディア盤。

古い盤ゆえに、バックグラウンドに針音がするのだけど、オーケストラのサウンド自体には味があって堪えられない。

ムラヴィンスキーならでは、透徹した眼差しによるブルックナー。

銀糸を思わせる弦の響きが、聴く者の心を彼岸へと連れ去る。

気高く美しい。

個人的には、テンポ設定や、ちょっとした楽器の浮き上がらせ方など、たいへんに刺激を受けた。

聴衆として、というよりも、10月26日(日)の本番指揮に備える身として、「ああ、そういう光の当て方もあったのか!」という感動である。

今の時期に聴いておいたことは良かった。

間際に知ると自分の表現にブレがでるかもしれないが、今からなら十分に咀嚼して、自分の演奏に自然に溶け込ませることができるだろう。

ムラヴィンスキー&レンイングラード・フィルのブルックナー録音は、ほかに7番と9番のみ。

しかも、ステレオ録音が9番のみというのが惜しまれる。

まずは、未聴の7番のメロディア盤を探さなくては!

さて、ステレオカートリッジに付け替えるのも面倒と言うことで、つづけてムラヴィンスキーのチャイコフスキー「悲愴」の旧録音を聴く。

旧ソ連 メロディア・レーベルの56年プレス。もちろん、モノーラル録音。

赤くてSP盤のように直径の小さいレーベルだ。

想像通り、後年の盤に較べて針音は多い。

しかし、こちらも、オーケストラの音は魅力的で、手放そうとは思えない。

デジタル録音しか知らない世代には、こんな雑音だらけの音のどこが良いのか?

と訝られてしまうかも知れないが、なぜか心が惹き付けられてしまう。

不思議なものである。

 

 

 

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