日本ギター界の第一人者、荘村清志さんと同じステージに立つことになるとは思ってもみなかった。
しかし、残念ながら同時にではなく、時間差で・・・。
去る5月25日、長岡に於ける「2014花いっぱいコンサート~響き合う 三善ワールド」のステージである。
そのコンサートが、三善晃先生に捧げられたことは既にお話ししたとおり。
荘村清志さんは、三善作品より、「エピターズ」「プロターズ」を披露。
後者は地元長岡のギターリスト畠山徳雄氏との友情溢れるデュオであった。
生演奏で三善先生のギター作品を聴く機会が滅多にないだけに実に興味深く、
その静謐で底知れない作品の魅力に触れることの出来たのは歓びであった。
その中で、荘村清志さんが語られていたエピソードが面白かった。
三善先生に作品を委嘱したい旨、電話をしたところ朝8時にいらっしゃい、という。
夜型の荘村さんは恐れ入ったが従うほかなく、朝8時にお宅に伺うとカーテンを閉め切って真っ暗だった。
何故かというと、三善先生は静寂の中で創作するために、夕方6時過ぎには就寝し、朝2時頃に起床されていたのだといわれた。
(聞き覚えのため、細部に違いがあったらスミマセン)
確かに、三善作品の多くは、真夜中の静寂が似合うような気もする。
早起きをして「朝の爽やかな気」の中で創作された田三郎先生とは正反対の生活スタイルを貫かれたわけだが、
それ故に健康面には大きなダメージがあったのではないか? とも想像される。
さて、荘村清志さんは、わたしたち長岡混声合唱団のリハーサルと本番を真剣に聴いてくださった。
あれだけの大御所なら楽屋で寛いでおられてもよいはずなのに、お人柄であろう。
本番の終了後も「いや、作品も素晴らしいし、コーラスもよかった。構築力が見事で。今度どこかでご一緒しましょう」
と言って頂けたのは望外の歓びである。
ギターとコーラスのためのレパートリーは多いとは言えないのだけれど、実現できたら嬉しい。
荘村清志さんの実演に感銘を受けたわたしが、帰宅後に真っ先に手配したのがこれ。
武満徹の編曲による名歌集。
このアレンジと演奏には参った。
言い古された言い回しなのだけれど、まさに「魂を奪われた」が相応しい。
聴き慣れたメロディーに付された和声のなんと優しく、不可思議なことか。
武満徹とギターと言えば、黒澤明「どですかでん」の音楽を思い浮かべるが、
まさにあの哀しさを含んだ人間への肯定感がここにもある。
和田誠によるジャケットがまた、自由な音楽にぴったりだ。
『12の歌 地球は歌っている』
東芝EMI TA-72039 (1977)
A)
1. ロンドンデリーの歌 (アイルランド民謡)
2. オーヴァー・ザ・レインボー (アーレン)
3. サマー・タイム (ガーシュウィン)
4. 早春賦 (中田章)
5. 失われた恋 (コスマ)
6. 星の世界 (コンヴァース)
B)
1. シークレット・ラヴ (フェイン&ウエブスター)
2. ヒア・ゼア・アンド・エヴリウェア (レノン&マッカートニー)
3. ヘイ・ジュード (レノン&マッカートニー)
4. ミッシェル (レノン&マッカートニー)
5. イエスタディ (レノン&マッカートニー)
6. インターナショナル (ドジェイテール) (以上 武満徹編)
レコードを買ったということは、中古品を探したということで、
荘村清志さんの懐の足しにはならず申し訳なかった(笑)。
しかし、荘村清志さんの秘められた情熱と細やかな情感を確かめるにはレコードしかないと思った。
どうぞ、お許し頂きたい。
いま、CDで聴きたいという方には、別編集ながら武満作品の聴けるアルバムもあるので、どうぞこちらをお探しください。
荘村清志ディスコグラフィ
http://www.shomurakiyoshi.com/news/?,29
しかし、残念ながら同時にではなく、時間差で・・・。
去る5月25日、長岡に於ける「2014花いっぱいコンサート~響き合う 三善ワールド」のステージである。
そのコンサートが、三善晃先生に捧げられたことは既にお話ししたとおり。
荘村清志さんは、三善作品より、「エピターズ」「プロターズ」を披露。
後者は地元長岡のギターリスト畠山徳雄氏との友情溢れるデュオであった。
生演奏で三善先生のギター作品を聴く機会が滅多にないだけに実に興味深く、
その静謐で底知れない作品の魅力に触れることの出来たのは歓びであった。
その中で、荘村清志さんが語られていたエピソードが面白かった。
三善先生に作品を委嘱したい旨、電話をしたところ朝8時にいらっしゃい、という。
夜型の荘村さんは恐れ入ったが従うほかなく、朝8時にお宅に伺うとカーテンを閉め切って真っ暗だった。
何故かというと、三善先生は静寂の中で創作するために、夕方6時過ぎには就寝し、朝2時頃に起床されていたのだといわれた。
(聞き覚えのため、細部に違いがあったらスミマセン)
確かに、三善作品の多くは、真夜中の静寂が似合うような気もする。
早起きをして「朝の爽やかな気」の中で創作された田三郎先生とは正反対の生活スタイルを貫かれたわけだが、
それ故に健康面には大きなダメージがあったのではないか? とも想像される。
さて、荘村清志さんは、わたしたち長岡混声合唱団のリハーサルと本番を真剣に聴いてくださった。
あれだけの大御所なら楽屋で寛いでおられてもよいはずなのに、お人柄であろう。
本番の終了後も「いや、作品も素晴らしいし、コーラスもよかった。構築力が見事で。今度どこかでご一緒しましょう」
と言って頂けたのは望外の歓びである。
ギターとコーラスのためのレパートリーは多いとは言えないのだけれど、実現できたら嬉しい。
荘村清志さんの実演に感銘を受けたわたしが、帰宅後に真っ先に手配したのがこれ。
武満徹の編曲による名歌集。
このアレンジと演奏には参った。
言い古された言い回しなのだけれど、まさに「魂を奪われた」が相応しい。
聴き慣れたメロディーに付された和声のなんと優しく、不可思議なことか。
武満徹とギターと言えば、黒澤明「どですかでん」の音楽を思い浮かべるが、
まさにあの哀しさを含んだ人間への肯定感がここにもある。
和田誠によるジャケットがまた、自由な音楽にぴったりだ。
『12の歌 地球は歌っている』
東芝EMI TA-72039 (1977)
A)
1. ロンドンデリーの歌 (アイルランド民謡)
2. オーヴァー・ザ・レインボー (アーレン)
3. サマー・タイム (ガーシュウィン)
4. 早春賦 (中田章)
5. 失われた恋 (コスマ)
6. 星の世界 (コンヴァース)
B)
1. シークレット・ラヴ (フェイン&ウエブスター)
2. ヒア・ゼア・アンド・エヴリウェア (レノン&マッカートニー)
3. ヘイ・ジュード (レノン&マッカートニー)
4. ミッシェル (レノン&マッカートニー)
5. イエスタディ (レノン&マッカートニー)
6. インターナショナル (ドジェイテール) (以上 武満徹編)
レコードを買ったということは、中古品を探したということで、
荘村清志さんの懐の足しにはならず申し訳なかった(笑)。
しかし、荘村清志さんの秘められた情熱と細やかな情感を確かめるにはレコードしかないと思った。
どうぞ、お許し頂きたい。
いま、CDで聴きたいという方には、別編集ながら武満作品の聴けるアルバムもあるので、どうぞこちらをお探しください。
荘村清志ディスコグラフィ
http://www.shomurakiyoshi.com/news/?,29