福島章恭 合唱指揮とレコード蒐集に生きるⅢ

合唱指揮者、音楽評論家である福島章恭が、レコード、CD、オーディオ、合唱指揮活動から世間話まで、気ままに綴ります。

愛知祝祭管 福島章恭ブルックナープロジェクト vol.1 反響5

2014-10-31 13:29:51 | コーラス、オーケストラ
音楽ライター 板倉重雄(TOWER RECORDS)さんのツイートより

福島章恭指揮、愛知祝祭管弦楽団@愛知県芸術劇場コンサートホール前半終了。ワーグナーの「ニュルンベルクのマイスタージンガー」前奏曲は、福島さんの音を長く保つ指揮、スケール雄大な造形、素晴らしいポリフォニー感覚、重厚なハーモニーによる名演となりました。

ワーグナー「ニュルンベルクのマイスタージンガー」前奏曲にはあっと驚く仕掛けもあって、終結を演奏会用終結にせず、オペラ同様コラールに流れ込む形にして演奏。いよいよ終結という所で、オケの向かい側にバラバラ座っていた聴衆が立ち上がって合唱を始めたのには驚きました。

2曲目はバッハの2つのヴァイオリンのための協奏曲。ソリストは名古屋に縁のある古井麻美子、清水里佳子。特筆すべきは第3楽章の甘美極まりないヘルメスベルガーのカデンツァ。事前にプログラムを読んでいなかったので吃驚。モダン楽器&奏法に相応しい濃厚な音楽世界でした。

福島章恭さんが指揮したバッハを今まで何度か実演で聴きましたが、モダン楽器&奏法での演奏は初めて聴きました。1960年代のバッハ演奏が還ってきたような印象でしたが、福島さんの個性にはこの方が合っていると思いました。昔のお父さんの書斎のような、重厚で落ち着いた色調をもった演奏でした。

福島章恭&愛知祝祭管、後半はブルックナーの第8。とてつもない演奏。細部を丹念にゆったりと積み上げた壮麗な音の大伽藍が会場いっぱいに響き渡りました。対向配置で金管を横一列に配した音響デザインがスケールの大きな音像と迫力を生み、第1、3、4楽章のクライマックスも見事に決まりました。



福島さんは学生時代にブルックナーの第8をクナッパーツブッシュ&ミュンヘン・フィルのLPで幾度となく聴き、マタチッチ&N響の実演に接して衝撃を受けブルックナー崇拝者となり、遂には指揮者となった。実は私自身もクナッパーツブッシュを愛聴し、マタチッチの実演に接して圧倒された1人。

若き日の想いを胸に、長い間声楽家、指揮者としての勉強と経験を積み、遂に今日の圧倒的なブルックナー第8演奏を成就させた福島章恭さんに心からの祝福と感謝を! クナッパーツブッシュともマタチッチとも違う、福島章恭のブルックナー第8を鳴り響かせたこと、素晴らしかった。
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愛知祝祭管 福島章恭ブルックナープロジェクト vol.1 反響4

2014-10-31 13:01:13 | コーラス、オーケストラ
ヴィオラ奏者N.Iさんの手記

メイン曲に力がこもっているのはもちろん、オープニングや協奏曲にもネタが仕込んであってお客様をあっと言わせる仕掛けで、こんなにサービス精神あふれた演奏会はプロ・アマ含めて、なかなか見られないのではないかと手前味噌をかましますよ。

実際、サービスしすぎて、終了予定時間を大幅にオーバーし、全体として3時間近くに渡る長い長いコンサートとなってしまったが、会場のお客様はほとんど物音一つ立てず、イビキもなく(意外なほど寝ている人は見当たらなかった)、最後まで真剣に聞いてくださった様子で、この点については、本当に感謝しかない。

プログラムは次の通り
ワーグナー 楽劇「ニュルンベルグのマイスタージンガー」第1幕への前奏曲
バッハ 2つのヴァイオリンのための協奏曲 ニ短調 BWV1043
ブルックナー 交響曲第8番(ハース版)



マイスタージンガー第1幕への前奏曲

比較的ゆったりしたテンボ、なおかつ歌うべき場所ではたっぷりと鳴らす、重厚なマイスターだったと思う。細かい音符のところはずいぶん助かったし、気持よく弾けたが、逆に一つ一つの音をきちんと弾かなくてはならず、基礎力が問われる恐ろしいテンポでもあった。
歌うようなテンポ……。実は終結部が演奏会用終止ではなく、そのまま第一幕冒頭の合唱につながるというサプライズが用意されていた。
「そろそろ曲が終わるな」というころ、舞台後方(パイプオルガン付近)P席の観客がすっくと立ち上がり、合唱隊に変身する。いわゆるフラッシュモブで、オルガンも加わり、非常に見事な合唱が響き渡った。弦楽器の後方部隊は、合唱の間はずっと休みなので、内心ニヤニヤしながら静かに聞き入っていた。こんなマイスター、おそらく後にも先にもできないと思う。


2つのヴァイオリンのための協奏曲

これはもう、自分が小さい頃からよく家のレコードで聞いていたし、もともとバッハは大好きなので、ぜひとも弾きたかった曲。他の2曲と違い、室内楽のなので編成も小さくしてある。ビオラの場合、メイン曲が5プルート(10人)に対し、バッハは3プルート半(7人)。本来は3プルートあれば十分なところ、なぜか自分が強引に割り込んでしまった感ありありで、よほど降り番を申し出ようかと悩んだが、最終的には乗った。その代わり音量はごく控えめで。バッハだからといって、バロック風の弾き方をするようにとの指示はなく、ブルックナーと同じような弓使いで弾いたが、この「モダン」な弾き方は意外と評判が良かった。
バッハに仕込まれたサプライズは2つ。まず、見た目も奏者も美しいチェンバロが入ったこと。チェンバロの音のおかげで、ずいぶん落ち着いて弾けた。
もうひとつは、コンサートマスターたっての希望で、3楽章にヘルメスベルガーのカデンツァが入ったこと。このカデンツァが素晴らしくて、自分などはついつい、ベートーベンのバイオリン協奏曲のカデンツァを思い出し、あの長大さに負けないくらい中身の濃いカデンツァだなあと、うっとりしながら聞き入っていた。


ブルックナー 交響曲第8番

この長大なメイン曲に仕込まれたサプライズはやはり演奏時間だろうか。演奏者は前もって90分超えを覚悟していたが、お客さま――特に「ブルックナーて何?」という人はまさかこれほど長いシンフォニーがあるとは予想すらしなかっただろう。
普通は80分前後で終わることの多いこの曲、今回の演奏時間は95分。体感的には確かに長かったけれども、心理的にはあっという間に終わってしまった気がするという、実に不思議な95分だった。
ゆっくりだけども、不自然に重いのではなく、大きなリズムに合わせていたら自然とこのテンポに落ち着いてしまったという感覚があるせいだろう。
演奏中は、少しでも良い音、正しい音を出すこと、まわりに合わせることに集中し、正直なところ感慨に浸る余裕は全然なかった。自分が楽しむよりは、お客様に少しでも良い音を届けるのが優先事項だし、ただでさえ長い上に演奏の質がアレだと非常に申し訳ないので、この時ばかりは真面目に真剣に弾いた。(もちろん、自分が楽しめないのに他人を楽しませることができるか、という考え方もよく知っている)。
必死で弾き続けて4楽章のコーダまで来て、全力で音を刻んでいると、あと10小節で終わるというころ、急に心拍数が上がって驚いた。バタバタ走り回って急に立ち止まったりすると、心臓がバクバクいうが、まさにあんな感じ。演奏会中に動悸に襲われるなんてまったく初めてのことで、それだけパワーを持っていかれる曲なんだなあと、恐ろしささえ感じた。
演奏が終わると、異様に大きく長い拍手で、それでようやく、この演奏会はうまくいったらしい、おそらく神的な何かを降ろすことができたのだろうと実感することができた。


雑感もろもろ

すっかり名物になっているコンサートマスターのHUP(※ヒップアップの頭文字らしいです。おしりをピョンピョン浮かせたり、中腰で弾くことで音に凄みと迫力を加える技術だと思われます→訂正:コンマス自身の解説によると、Hip up Pointの略だそうです。ちなみにこれを「ハップ」と発音するのは関東地域の人間だそうで…/以下略)。
今回は、セカンドバイオリンのトップにも伝染した。1stバイオリンと2ndバイオリンでは、まあ当然だけども、思い入れを込める場所が少しずつ違うので、ビオラの場所からだと、右と左で交互にHUPしているのが手に取るようにわかる。おまけに楽器の配置は1stと2ndが指揮者をはさんで向かい合う対向配置。結果的にどう見えたかというと、もぐらたたき。もぐらたたきを見て盛り上がるなんて、これまでにちょっとない体験だ。
今後、HUPのないバイオリンパートには物足りなさを感じるに違いない。

本番前の最後の一週間は、身体の中に音符がパンパンに詰まっているような状態で、常に頭の中でブル8のどこかのフレーズが鳴り響き、頭を傾けると耳から音符がこぼれてきそうな有り様だった。目の下にはクマが住みつくし。このクマの正体はきっと細かな♪の集合体。
ブラームスやベートーベンならまだしも、ブルックナーのしかも8番を心のうちに抱え込むというのは、単に音を記憶するという作業に終わらず、一つの宇宙を抱えるようなもので、身体にとっても精神にとっても、なかなか大変な事態だったのだと思う。もちろん意識や無意識の容量など測る術もなければ、そもそも「容量」自体存在するかどうかもわからないのだけどね。
心身に溜め込んだ大量の音符は、本番で思い切り吐き出して、もうおしまい。次はもっとひどい(褒め言葉)マーラーが待っている。

最後に、企画・運営に関わったスタッフの皆さんへの感謝を。非常にレベルが高く、数々のトラブルやピンチを乗り越え成功にこぎつけた仕事ぶりは、まったく素晴らしいとしか言いようがなく、良いオーケストラに引きずり込まれたものだと(もちろん、反省点も課題もあるけれど)感謝している。

©びおら弾きの微妙にズレた日々
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愛知祝祭管 福島章恭ブルックナープロジェクト vol.1 反響 その3

2014-10-30 23:16:09 | コーラス、オーケストラ
コンサートマスター高橋広氏の手記

<愛知祝祭管感想 ブルックナー編>
色々な想いが深すぎて、十分にまとめることは出来ませんし、いまだ虚脱状態から抜け出せずにおりますが、愛知祝祭管の旗揚げ公演が無事終了致しました。



これまで名古屋はおろかアマオケそのものを振られたことがない福島章恭先生をお呼びして、いきなり究極の交響曲ともいえるブルックナー8番を演奏してしまおうということ自体が相当冒険というのか、チャレンジングな企画だったわけですが、結果としては、未曾有のブルックナー像を打ち立てた記念碑的な演奏になったと思います。

往年の大巨匠の如き悠然たるテンポで演奏することは、ブルクネリアンにとって見果てぬ夢ですし、他ではあり得ないくらい独自な解釈の指揮のもと演奏することは、熱心なクラシックマニアにとって見果てぬ夢です。ただこれらはどちらも滅多に実現するものではありません。前者については、共感なしでただ長いテンポで演奏するのでは弛緩するだけで意味がないですし、後者についても、奇矯であることをアピールせんがための演奏であれば、それは唾棄すべきもので、そんな演奏をしても価値がありません。その意味で、前者に近い体験が2,3回、後者についてはほぼ皆無でした。

ところが福島先生によるブルックナーは、チェリビダッケを除く歴史上すべての巨匠を上回る「久遠」とでも形容したい巨大なスケールの演奏(通常80分程度のこの曲がなんと95分!)となり、二つの夢は同時にかなってしまいました。何より嬉しいのは、その恐るべきスローテンポが「奇矯な個性を持つことで他人の目を引こう」というショーマンシップではなく、ご自身のブルックナー観を吐露した必然的な帰結であったという点です。

実際、非常に深い呼吸に支えられた福島先生のテンポは、タイムを計れば極度にゆったりとしているのですが、体感的には実に自然。その呼吸感を共有すれば、音楽は弛緩することも違和感を感じることもなく、それどころか従来のテンポで演奏した時よりも遙かに豊かな音楽が紡がれていきます。公演本番においても、実測値としては常識はずれのテンポに、オーケストラは嬉々として従い、聴衆も水を打ったように静まり返り、特に第三楽章などは聴衆の呼吸が我々と同化していることさえ肌で感じられました。いつしか奏者・聴衆は一体となり、「愛」に溢れたブルックナー宇宙の本質が会場に満ち満ちていたものでした。

哲学者のカントは、物の本質は『物自体』というものであって、それを人間は決して認知することは出来ず、人間に出来るのは『物自体』の外側にあるものを見て、その限りにおいて判断することだけだ、と説きました。その形容を借りるならば、今回僕は『ブルックナー自体』を認知し、指揮者とオケとで本来あるがままのブルックナーの姿(『ブルックナー自体』)を原木から彫り出す行為の一端を担ったという自覚があります。夏目漱石『夢十夜』第六夜において、運慶が仁王像を彫っている様が「あれは眉や鼻を鑿で作るんじゃない。あの通りの眉や鼻が木の中に埋っているのを、鑿と槌の力で掘り出すまでだ。」と形容されたような行為といえましょうか。

実測値では異常であっても、これこそ正にブルックナーの本質、ブルックナーそのものの世界。二十年を超すブルクネリアンである僕は、演奏しながら「やっと自分はここに帰ってきのだ」という感動さえ抱いたものでした。アンケートやネットでの感想、知り合いから頂いたメイルの感想のいずれを読んでも、「長すぎ」「たるかった」といった感想は皆無。むしろブルックナー好きの方からは、あの異様な演奏時間にも拘わらず「正統的ブルックナー」と書いていただけて、「本物は伝わるし受け止めてもらえるものだ」と強く実感しました。「アマオケ史上でも最高レベルの演奏であったと賛辞を差し上げて良い名演」「心の奥深くのさらに奥深くまで刻まれるようなものスゴい瞬間に立ち会えた幸福に震えています」といったお客様の御感想は、我々にとっては最高のご褒美でありました。



どうせアマチュアだから無理だろうなどと妥協をせずに、思うがままのブルックナー像を提示して下さった福島先生、そしてそれを受け入れ最善のパフォーマンスで応えきってくださったオケの皆さん(特に驚異的テンポをものともせずついていってくれた管楽器陣)に、ただただ心から感謝を申し上げます。そして聴きに来られ、舞台と完全に一体化して下さったお客さまにも深く感謝を致しております。
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愛知祝祭管 福島章恭ブルックナープロジェクト vol.1 反響 その2

2014-10-29 00:53:58 | コーラス、オーケストラ

12月に出版される文春新書の原稿の一部を差し替えることにした。
それはブルックナーにまつわる章で、我が生涯に於ける記念碑的な演奏会後に大きく書き換える必要を感じたからである。それを午前中に済ませ、午後はクタクタに疲れた身体のメンテナンスのため経堂の「リエール整体院~バレエのための整体院」へ。ブルックナーの大曲をあれほどリラックスしたまま指揮し通せたのは、同院の津端先生の施術と助言に負うところが多い。感謝しているところ。バレエ整体を謳っているが、音楽家にも極めて有効なので、興味のある方はどうぞ。

夜は、その足で富士ベートーヴェンコーラスのレッスンに出掛けたが、名古屋の演奏会に来てくださった団員からは、沢山の感動の声を頂戴した。
「予習に聴いていたCDとは全く別の曲に聴こえた」
「帰ってから、有名なブルックナー指揮者のCDを聴いたけれど、あれを聴いた後だと物足りなくなった」などなど。
ピアニストの杉山倍美さんからは、「あのテンポで押し通せたことが驚異。さらにその緩急の設定が見事だった」「演奏に太く揺るぎない柱があって、作品の構成が目に見えるようだった」との専門的なご感想の他、「コンマスの情熱が凄まじかった」との賞賛の声もありました。とても嬉しいことです。

以下、コンサートに参加してくださったプロのコントラバス奏者「たんたん」さんがブログに好意的な記事を書いてくださったのでご紹介します。実際、彼の献身的なパフォーマンスは素晴らしかったです。

コントラバス弾きの日記 コントラバス奏者たんたんのブログ。「楽しくいきましょ~!」
http://blogs.yahoo.co.jp/cb_tantan_refre/35221003.html

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愛知祝祭管 福島章恭ブルックナープロジェクト vol.1 反響 その1

2014-10-28 01:19:08 | コーラス、オーケストラ

コンサートホールはBrucknerの宇宙となった。。

普通ならすぐに感想を書くところですが、今回は筆舌に尽くしがたい衝撃だったというのが正直な感想です。

コンサートホールの2階から視覚的にも音響的にも俯瞰するような席から聴かせていただけたのもまた最高。

金管の咆哮、怒涛の弦の響き、そして天上のハープの調べ、もはや耳からではなく、体中から染み込んでくるような不思議な体験でした。

この演奏を生で聴けたことは最高の幸せ。いくら録音が良くてもこの演奏の感動は再現できないのではと思います(しかも普通のプレーヤーやスピーカーではなおさら)。

帰り際に妻が一言、
"また先生が遠くなったね"と言っていたのが、まさしく私と一緒の感想でもありました。

~富士ベートーヴェンコーラス団員 Sotto Voce氏

 

凄いブルックナー8番だった。

他の曲もやっているけれど、昨日の愛知祝祭管弦楽団の演奏会の感想はその一言に尽きます。

「ブルックナーを隅から隅まで味わい尽くす演奏にしよう」と指揮者の福島章恭先生の言葉。スコアに書かれた音符一つ一つを慈しんで演奏しようとしたらブルックナー8番を演奏するのに90分以上の時間がかかるのは必然なのだろうとすら思いました。

(通常より遅いテンポに、あれ以上遅くなったら死ぬとか言ってますが、演奏困難なだけで、音楽的には素晴らしいと思っているのですよ!)

曲中の客席は咳払いはおろか、物音一つしない静けさでありながら、音楽とともに次第に高揚していく、あの雰囲気は今までどんな演奏会でも感じたことはありません。

チューバ奏者として、その巨大な音楽の中にいるということに、この上ない喜びを感じ、噴出するアドレナリンを全て音にしてぶつけるように演奏しました。(そのせいかアンケートにチューバがやる気があってよかったって書かれたけど)

長い長い交響曲の終わりが近づき、熱狂が高まってくると終わってほしくない気もしてきて…それでも最後のCの音は渾身の力で吹ききると、昂揚感、達成感、陶酔感…などが入り乱れて、とても幸せな気持ちでした。

今回の演奏会は僕は代役で、本番約1か月前にお話を頂いた時は、非常に驚きました。曲目がブルックナーである以上、チューバの代役は人を選ぶだろう、というのは僕もチューバ奏者なので想像がつきます。

愛知県内から手配することも可能だったでしょうが、わざわざ隣県に住む僕を指名していただいたこと、その信頼には何としてでも応えねばなるまいと思い、受けさせていただきました。

そして福島先生と愛知祝祭管弦楽団のみなさんのこの演奏会にかける熱い熱い思いに触れるにつれ、みんなが笑顔で演奏会を終えられるようにしたいと思うようになりました。

そのために約1か月、必死で練習し、聴き手としては決して得意ではなかったブルックナーを一生懸命勉強しました。(結果、食わず嫌いだったとわかりましたが)

終演後、みなさんがよい笑顔でいてくれたので、僕の役割は無事に達成できたと思います。

演奏についても共演者や観客の方々からとても褒めていただきました。それら全部を書きたいところですが(笑)ひとつだけ紹介すると、ステマネの方に「このホールはチューバの音が分離して聴こえてしまいがちだけど、見事にブレンドされていた」と言っていただけました。昨年、このホールでオケを聴いたときにその傾向は感じていたので、かなり意識的にやったことで、それに気づいていただいたことが嬉しかったです。

とにかく、生涯に一度あるかないかの素晴らしい音楽体験をさせていただいて、愛知祝祭管弦楽団のみなさんには感謝しかありません。

~ 愛知祝祭管弦楽団 Tuba奏者 K.S氏

 

 

 

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空前絶後のブルックナー8

2014-10-27 10:52:03 | コーラス、オーケストラ
昨日の愛知祝祭管との福島章恭ブルックナー・プロジェクトvol.1。とくにメインの交響曲第8番は、空前絶後の名演となりました。

昨夜、夜中の2時近くまで打ち上げに出ていてヘトヘトなのと、スマホからの投稿が億劫なため、取り敢えず、ただひとつのご報告をします。

今回は客席にコアなブルックナー・ファンも少なくなかったようで、アンケートも濃い内容のものが多くありました。
とりわけ嬉しかったのは、「マタチッチ&N響、朝比奈&大フィルも生で聴いたが、今回、最も感動した」というお客様のいらしたこと。

これは、愛知祝祭管にとっても、ボクにとっても大きな勲章と言えましょう。

今後への大きな励みとなりました。

写真はゲネプロ風景。
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「もっと自由に!」マエストロ無言の教え

2014-10-25 00:43:01 | コンサート


今宵はマエストロのエネルギッシュな指揮しパワーを頂戴しました!



開演前のひたとき、旧友の崔くん(今宵のコンマス)とともに、マエストロを表敬訪問。


今宵のボクのベストは、開幕のショスタコーヴィチ「ロシアとキルギスの主題による序曲 作品115」。

何と言っても、作品がベラボウに面白く、マエストロの指揮も舞踊のように美しかった。

「型にはまるな。もっと自由で良いんだぞ!」

とマエストロに教えて頂いたような気がする。大事なブルックナー8の本番直前にこのコンサートを聴けたことは、とても良かった!

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驚愕の作品名!

2014-10-25 00:37:30 | 旅行


日が落ちてから眺めると、その独特の姿が益々の異彩を放つ。



そして、遂に作品名が判明!
説明・解説不要。



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フェスティバルホールへの道

2014-10-24 16:49:46 | コンサート


敬愛する井上道義先生の大阪フィルへの復帰コンサートを、この目、耳、魂に焼き付けるため、大阪フェスティバルホールへやってきた。

地下鉄・御堂筋線の淀屋橋駅からホールへ至る遊歩道には、目と心を楽しませてくれる彫刻が並ぶ。










中でも、心奪われたのがコレ。
何という摩訶不思議な造型だろう!
このまま、ウルトラQの主人公にしたら、悲しみに満ちたストーリーが1話創作できてしまうのではないか? ウルトラ世代のワタシの想像力を掻き立ててくれる素晴らしい芸術作品だ。
おっと、作者とタイトルの撮影を忘れた。もし憶えていたなら帰り掛けに確認しよう。

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事務連絡

2014-10-24 13:09:21 | コーラス、オーケストラ
26日の愛知祝祭管 ブルックナー・プロジェクト公演について。
今回も、東京のみならず、長岡、富士、倉敷などから、沢山の方にご来場いただくとのこと、心よりお礼申し上げます。

今回は、コーラスの演奏会のような終演後のロビーでのご挨拶は致しません。また、セキュリティの関係で出演者以外の楽屋への出入りもできません。
面会は地下1階の楽屋口前にてお待ちいただくほかありません。お帰りを急がれる方は、どうぞお気遣いは無用です。

甚だご不便をお掛けしますが、宜しくお願いします。

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