福島章恭 合唱指揮とレコード蒐集に生きるⅢ

合唱指揮者、音楽評論家である福島章恭が、レコード、CD、オーディオ、合唱指揮活動から世間話まで、気ままに綴ります。

愛に溢れたジャン=ピエール・ランパルのハイドン

2016-03-30 23:53:55 | レコード、オーディオ

マタチッチのベートーヴェンを再生するためモノーラル・カートリッジを装着したのをよい機会に、ベルリンで購入してきたレコードの1枚を聴く。
カール・リステンパルト指揮ザール室内管によるハイドンの3つの協奏曲。
即ち、フルート協奏曲ニ長調、二本のホルンのための協奏曲変ホ長調、オーボエ協奏曲ハ長調という組み合わせ。
中では、久し振りに聴く(青春時代は本当によく聴いた)ランパルのフルートの調べにグッと惹かれた。なんと愛に溢れた音だろう。もちろん、オーボエの名手ピエルロの歌心も胸に響いた。優秀録音で知られるディスコフィル・フランセの香るような音も堪らなく魅惑的。

レコード番号: 仏 DF730.061

  • Concerto pour flute et orchestre en re majeur / Concerto for flute and orchestra in D major
  • Concerto pour deux cors et orchestre en mi bemol majeur / Concerto for Two Horns and Orchestra in E flat major
  • Concerto pour haubois et orchestre en ut majeur / Concerto for oboe and orchestra in C major
  • Jean-Pierre Rampal - flute
  • Andre Fournier & Gilbert Coursier - horn
  • Pierre Pierlot - oboe
  • Orchestre de Chambre de la Sarre
  • Karl Ristenpart - conductor



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とかなんとか言ったものの・・・

2016-03-29 00:40:02 | レコード、オーディオ

その後、マタチッチのベートーヴェンからは、「第5」および改めての「7番」全楽章を聴いた。

「第5」もいい。

遅めのテンポによって、ベートーヴェンの記したすべての音に命が吹き込まれ、極めて血の通った音楽となっているのだ。

音質も、1962年の放送録音ということでいえば、十分なクオリティだと思われる。

何より、マタチッチの燃え立つ火が、そのままの音に収められているのが良い。

「限定アナログ盤高額商法」とかなんとか言ってはみたものの、これほど良い演奏ならアナログ盤の音質も確認せねばなるまい。
 
辛いところである・・・。

 

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マタチッチのベートーヴェン 1962年ミラノ・ライヴ

2016-03-27 10:23:36 | レコード、オーディオ

巨匠マタチッチの初のベートーヴェン交響曲全集~1962年ミラノ・ライヴ! - TOWER RECORDS ONLINE


購入したまま、留守がちのため未開封だったマタチッチのベートーヴェン交響曲全集。1962年ミラノに於けるライヴで、当然ながらモノーラル録音。

今朝、家族を駅まで車で送りがてら、「7番」の最初の二つの楽章を聴いたのだが、これには参った。

オーケストラのアンサンブルは乱れまくり、音質だって優れているワケはないのだが、ここに聴く魂を揺り動かす巨大なエネルギーはどうであろう。ドライブしながら聴くのは危険と思わせるだけの途轍もない波動に打ちのめされたのである。

ベートーヴェン「7番」は、マタチッチ最後の来日での2公演ともをNHKホールにて聴いているが、そのN響との録音を聴くときよりも、このミラノでのライヴを聴く方が、マタチッチの実演での五感に訴える感動に近いように感じた。

さて、気になるのは、このCDの音質が、我がメイン・システムでどの様に鳴ってくれるかだ。いまは外出先なのでその検証は後日とする。

なお、この全集は、例によって、アルトゥス・レーベルより限定アナログ盤(200組)としても発売された。音質的にCDよりも優位なことは予想されるが、47,520円(10枚組)という価格設定はいかにも高すぎる。少ないプレス枚数ゆえの単価の高騰は理解できるにしても・・。
キングインターナショナルの同一の購買層を狙った「限定アナログ盤高額商法」に、"そろそろついて行けない"という愛好家も少なくないのではないだろうか? 


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蒲生どん墓

2016-03-24 23:01:05 | 旅行


今日は、天気も回復したということで、父と2人、墓参りに出掛けました。福島、黒川(母)両家のほか、遠近の親戚やお世話になった方々まで、町内三つの墓地を自転車で回り、ご無沙汰していた数年分のお参りを済ませてきました。





写真は「蒲生(かもう)どん墓」と言われる蒲生一族の墓。蒲生氏は、15世紀半ば島津家の配下となる前、この地を治めていた豪族で、看板にある通り、水害に流されていたものが昭和13年に復元されたものです。

墓地とはいえ、どこか清々しい空気の漂う心地よいスポットでありました。





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ジョルジュ・モランディ展

2016-03-22 21:56:27 | 美術


東京ステーションギャラリー - TOKYO STATION GALLERY -


順序は逆になったが、先日、東京ステーションギャラリーにて、ジョルジュ・モランディ展を訪ねた。

しみじみとよかった。
人物画はなし、殆どが花瓶やビンなどの静物画。あとは、僅かに誰も目を留めないような風景や家の絵があるばかり。

色彩にも派手さはなく、ただただ静かな時間が流れている。

「重要なのは、物の深奥に、本質に、触れることです」(ジョルジュ・モランディ)

とかく派手なパフォーマンスが聴衆に受けがちな演奏行為に於いても、モランディの精神を受け継ぎたいものである。

さて、東京ステーションギャラリー初体験であったが、レンガ造りの東京駅舎を生かした建物そのものも実に美しく、心楽しかった。











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かもっくすレーベルの聖地を詣る

2016-03-22 18:17:41 | レコード、オーディオ


1年2か月ぶりに両親の住む鹿児島を訪れております。

まずは、蒲生八幡神社を参拝です。
御神木は樹齢1500余年の日本一の大楠。蒲生の楠=かもっくす、というわけで、わがブルックナー「8番」、小沢さちさんの「平均律第1巻」のCDをリリースした「かもっくす」レーベルの聖地であります。



蒲生八幡神社の社務所には大楠を見下ろす、否、大楠に見下ろされるカフェがあり、父と2人、コーヒーを頂いてきました。



ここで、コーヒー・セットを注文すると茶請けのお菓子のほか、蒲生八幡神社の御守り付き。神社ならでは、実に有り難いことです。



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ツァグロゼクの「エロイカ」を聴く

2016-03-17 21:39:12 | コンサート



ひょんなことからツァグロゼク&読響の「エロイカ」を聴くことになった。
最近、良い評判を聞いていたので期待して出掛けたが、残念なことに我がストライクゾーンではなかった。

決して悪い演奏ではないし、聴衆も湧いていた。では、どこがわたしの感性とすれ違っていたのか?

ツァグロゼクから発する気が足りない、或いは気の性質が淡いからなのではないか?
深い呼吸の底から発せられる気ではなく、上腕を力ませては振り回すことから生まれる単純なパワーに過ぎないので、そこに鳴る音が単色で味気なく、さらにはワンパターンなのだ。だから、わたしは酔えなかったし、すぐに飽きてしまった。

また、ツァグロゼクは、ファイティングポーズのような姿勢をとってからタクトを振り始めるが、「エロイカ」のすべての楽章の前で同じポーズをとるのも気になった。

「おい、お前。間口が狭すぎるぞ。そんな小さなこと問題にするな」という声も聞こえてきそうだが、実際、それが演奏の質にも繋がっていたような気がしたのだから仕方ない。

しかし、噂のツァグロゼクの音楽を、この目と耳で確かめることのできたのはよかった。演奏とは何か、指揮とは何かをいろいろ考察できたのは、大きな収穫であった。

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ウィーン・シュテファン大聖堂よりの告知!

2016-03-17 10:09:13 | コーラス、オーケストラ

ウィーンのシュテファン大聖堂の音楽を管轄するKunst und Kurturの清水一弘様より、2017年12月5日、モーツァルト命日の「レクイエム」公演について、告知がありました。

名誉なことに、その指揮者にわたくし=福島章恭が任命されております。シュテファン大聖堂の公式行事ということで、かつては、アーノンクールも指揮する予定であった(しかし、病気のため直前キャンセル・・)という極めて重大な演奏会となります。

独唱陣とオーケストラは現地にて選定され、コーラスは日本国内にて組織します。現地コーラスとのジョイントも計画中。

合唱団参加への募集要項は現在、作成を急いでいるところ。
発表まで、今暫くお待ちください!

それにしても、シュテファン大聖堂で2度、聖トーマス教会で2度(2018年には3度目)、バチカン・システィーナ礼拝堂で1度、ウィーン・ムジークフェラインザールで2度・・などで指揮するという音楽家として最高度に幸せな運命は、わたしの人生のいつに置かれたものなのでしょうか?



『福島 章恭先生が8年の時を経て、2017年12月5日零時より
聖シュテファン大聖堂にてモーツァルト「レクイエム」を再演されます。
  
1791年12月5日0時55分 
モーツァルトは享年35歳の若さで亡くなり、
聖シュテファン大聖堂で葬儀を行いました。
         
聖シュテファン大聖堂では、モーツァルトの魂に捧げる為、
彼のレクイエムを毎年12月5日零時から中央祭壇で演奏し、
0:55に終演いたします。
         
曲が終わる度に、大聖堂内の明かりを一つづつ消していき、
終演直後に大聖堂内は真っ暗になります。
もちろん、拍手なしです。
        
そして静寂の中、祭壇の後方から聖職者達がマントを羽織り
鐘を鳴らす方、十字架を持つ方、光を灯す方が
モーツァルトの魂に祈りを捧げる為に
大聖堂内をプロセシオン(聖行進)いたします。
私は、光の役をさせて頂きます。(私のプロフを御覧ください)
        
モーツァルトのご自宅から大聖堂まで遺体を運んだ際、
当時実際に使用された鐘を鳴らしながら聖行列を行います。
    
聖シュテファン大聖堂ならではの雰囲気を
存分に味わって頂けると思います。
    
福島 章恭先生は、2016年3月1日ライプツィヒにある
バッハの聖地、聖トーマス教会にて四旬節に於ける
邦人指揮者および合唱団による初「マタイ受難曲」
公演をされ大成功を納められました。
      
合唱愛好家の皆様、そして、ピアノの先生や
プロの声楽家を目指している学生の皆様に
レジェンド オブ モーツァルト合唱団に
是非ご参加くださることを強くお勧めいたします。
      
福島 章恭先生は、音楽を創るスペシャリストで、
モーツァルトの事に関して超マニアックにご存知です。
     
レクイエムを音楽的にどのように創られるのか、
また合唱指導の作法や発声法、
モーツァルトのマニアックなエピソードなど
音楽創りの上でソロの演奏にも役立つし、
大変良い経験になると思うのです。
   
福島 章恭先生のモーツァルト「レクイエム」に対する
情熱は凄まじく、大聖堂内がフォースで満たされます。
    
そして、何よりも確実に結果を出されます。
私は、数字で評価される世界で14年間生きてきたので、
福島 章恭先生にすべてを任せておけば安心なのです。
      
この写真は、2009年1月24日、聖シュテファン大聖堂に於ける
モーツァルト「レクイエム」公演終演直後の打ち上げで
公式発表されたコンサートの収益金です。
   
37323,84ユーロ!!!
  
本日のレート1ユーロ = 126、59円で計算すると
約472万円にもなります。
   
聖シュテファン大聖堂公式演奏会である「グランドコンサート」の
趣旨に添って、福島 章恭先生から聖シュテファン大聖堂修復費用の為に全額寄付して頂きました。
   
伝承を重んじつつも革新的で格調高く、
聖シュテファン大聖堂へ対する畏敬の念を持って終始演奏され
聴衆の心に届いたからこそこれだけの結果が起きたと思います。
  
正式に合唱団募集の告知が出来上がり次第、
FBでお知らせさせて頂きたいと思います。
    
ご検討の程、どうぞよろしくお願いいたします。 
    
音楽の神様からたくさんのインスピレーションが与えられますように…
   
アマデウスは永遠に不滅です。
   
Das Herz adelt den Menschen.
1781,Wien W.A.Mozart
     
誠に有難うございます。
    
聖シュテファン大聖堂音楽事務所
Kunst und Kultur ohne Grenzen
Area Consultant 
清水一弘拝』

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不思議なご縁~「マタイ受難曲」前日写真

2016-03-15 12:40:00 | コーラス、オーケストラ


聖トーマス教会「マタイ受難曲」の通訳などでお世話になったワイマールご在住のソプラノ歌手、木村能里子さんより、公演前日の写真が届きました。

ボクを挟んで向かって左から、ハルトムート・ベッカー(ザクセン・バロックオーケストラのリーダー、チェロ)さん、ダヴィド・エルラー(C-T)さん、シュテファン・ハイネマン(バス、イエス)さん、トビアス・ベルント(バス)さん。

気持ちのよいプローベの休み時間だけに、皆さんにこやかなお顔をなさっていますね。



さて、木村能里子さんは、テレマン協会さんの「ドイツ・レクイエム」にご出演のため、只今ご帰国中なのですが、なんとその公演の共演者がボクの大好きな篠部信宏さん。お二人も旧知の仲とのことで、世間の狭さを感じます。

今後も人と人とのご縁を大事に活動をつづけてゆかなくては。
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大阪フィル500回定期に向けて

2016-03-14 06:16:36 | コーラス、オーケストラ


昨日は久し振りの大阪フィル合唱団の稽古。時間帯が聖トーマス教会&ゲヴァントハウス管の「マタイ」西宮公演と重なっていたので、そちらに行った団員さんも居たようだが、基本はNGとはいえ、今回に限ってはいろいろ感じて貰うのも悪くはないだろう。

本年の聖トーマス教会聖歌隊来日公演について、わたしの周辺にも好意的な感想は多々あり、それはそれで良いと思っている。それこそ、音楽に求めるものは聴き手の数だけあってよいのだから。

わたしには、どうやら大多数の人が気にもしないことを重大に捉える傾向があるようだ。それゆえに他の人にはない着眼点から個性的な(或いは抜本的な)音楽づくりが出来るのでは?と自認している。
他者の「マタイ」については、自分の思い入れが強いだけに、見えなくてよいことも見えすぎてしまったり、多くを求めすぎてしまうのかも知れない。
一方、シュヴァルツ氏の指揮を、聖トーマス教会の礼拝堂に座して聴くなら、別の感想も生まれる可能性もある。

実は、先日観た新国立劇場のヤナーチェク「イェヌーファ」(千秋楽)についても、音楽と台本の素晴らしさ、歌手の声に感嘆しつつも、オーケストラの色彩感やリズム感に違和感(平板に思えてならなかった)を持った。しかし、そんなことを言ってるのはわたしくらいのもので、殆どの批評はオーケストラを絶賛している。どうもわたしの価値基準や美意識は、世間の大半とは別のところにあるようだ。まあ、自分はその感性を武器に音楽づくりに邁進するしかない。たとえ、圧倒的大多数に支持されなくとも、一握りの深い共鳴者のために・・。

さて、大阪フィル会館で見つけたチラシである。演目は、バカロフの「ミサ・タンゴ」とベートーヴェン「エロイカ」。指揮は、もちろん、我らがマエストロ井上道義。

記念すべき500回定期演奏会に、大阪フィル合唱団を起用して頂けるというのは、なんと光栄なことだろう。ミサ・タンゴは、文字通りバンドネオンを従えた異色のタンゴ・ミサで、ラテン語ではなくスペイン語による歌唱。まさに抜群のセンスを備えた井上先生の個性にピッタリの音楽だが、普段タンゴにもスペイン語にも馴染みの薄いわたしにはひとつの挑戦となる。精一杯尽くしたい。

休憩後のベートーヴェン「エロイカ」は、創設者である朝比奈先生の十八番。500回定期という節目に、敢えて、ド真ん中直球勝負の選曲のなされたことに、井上先生と大阪フィルの心意気を感じるではないか。本年7月21日(木)、22日(金) フェスティバルホール。大いに期待したい。


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