福島章恭 合唱指揮とレコード蒐集に生きるⅢ

合唱指揮者、音楽評論家である福島章恭が、レコード、CD、オーディオ、合唱指揮活動から世間話まで、気ままに綴ります。

ムラヴィンスキーのブルックナー8番を聴く

2014-06-22 16:31:56 | レコード、オーディオ

今朝のブルックナー8。
ムラヴィンスキー&レニングラード・フィル 旧ソ連メロディア盤。

古い盤ゆえに、バックグラウンドに針音がするのだけど、オーケストラのサウンド自体には味があって堪えられない。

ムラヴィンスキーならでは、透徹した眼差しによるブルックナー。

銀糸を思わせる弦の響きが、聴く者の心を彼岸へと連れ去る。

気高く美しい。

個人的には、テンポ設定や、ちょっとした楽器の浮き上がらせ方など、たいへんに刺激を受けた。

聴衆として、というよりも、10月26日(日)の本番指揮に備える身として、「ああ、そういう光の当て方もあったのか!」という感動である。

今の時期に聴いておいたことは良かった。

間際に知ると自分の表現にブレがでるかもしれないが、今からなら十分に咀嚼して、自分の演奏に自然に溶け込ませることができるだろう。

ムラヴィンスキー&レンイングラード・フィルのブルックナー録音は、ほかに7番と9番のみ。

しかも、ステレオ録音が9番のみというのが惜しまれる。

まずは、未聴の7番のメロディア盤を探さなくては!

さて、ステレオカートリッジに付け替えるのも面倒と言うことで、つづけてムラヴィンスキーのチャイコフスキー「悲愴」の旧録音を聴く。

旧ソ連 メロディア・レーベルの56年プレス。もちろん、モノーラル録音。

赤くてSP盤のように直径の小さいレーベルだ。

想像通り、後年の盤に較べて針音は多い。

しかし、こちらも、オーケストラの音は魅力的で、手放そうとは思えない。

デジタル録音しか知らない世代には、こんな雑音だらけの音のどこが良いのか?

と訝られてしまうかも知れないが、なぜか心が惹き付けられてしまう。

不思議なものである。

 

 

 

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