福島章恭 合唱指揮とレコード蒐集に生きるⅢ

合唱指揮者、音楽評論家である福島章恭が、レコード、CD、オーディオ、合唱指揮活動から世間話まで、気ままに綴ります。

大フィル第51回東京定期 ~ 尾高&大フィルの「今」を伝える

2019-01-23 15:43:27 | コンサート


原稿の締切に追われているので、以下、ほんの覚え書き程度に(写真上はゲネプロ開始前)。

昨夜の大フィル第51回東京定期。
尾高先生によって変貌を遂げつづけている大フィルの「今」を伝える素晴らしい演奏会だった。

音楽監督として各セクションの能力を向上させるのは第一条件。その上で、個々の楽曲では、アーティキュレーションを明瞭にし、パート間のバランスを見つめ、楽曲の構造を明らかにするのは当然のこととして、尾高&大フィルには、朝比奈時代から受け継がれた熱さがそこにある。これがオーケストラの伝統というものだろう。

冒頭の武満こそ、もっと透徹した管のアンサンブルを求めたくなる場面もあったが、メインのエルガーではマエストロの智と大フィルの情熱が渾然一体となって大きな魅力となっていた。この名曲を生で聴く機会が少ないだけに、大いなる至福の時間であった。
ただ、個人的には、朝比奈先生のブルックナーから受けた感動には及んでいないことを正直に告白せずにはおれない。その理由は、わたしには分かっているつもりであるが、いまは書かずにおく。

なお、2曲目のブルッフ: ヴァイオリン協奏曲第1番では、神尾真由子が入魂の独奏。解釈云々より、楽器の鳴りっぷりの良さに魅了される。もちろん、音色も含めての魅力だが、その存在感が素晴らしかった。
ソロ・アンコールは、ハガニーニ: 24のカプリースから第24番。鬼気迫る気迫に女王の貫禄。恐れ入りました。

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インフルエンザ休止、明ける

2019-01-22 14:25:04 | コーラス、オーケストラ


先週末は、大事な大事な「ドイツ・レクイエム」集中レッスンを、インフルエンザA型への罹患のため断念。
土日連続の長時間レッスンということで、全国からご参加者が集う機会だっただけにわたしはやる気満々。出掛けられないことが無念でならなかったが、ピンチヒッターに立ってくださったお二人の先生のレッスン内容が素晴らしかった、とのことで、ホッとひと安心。

日頃のわたしのレッスンの隙間を埋めたり、或いは、別角度から光を当ててくださったり、さらには、現役声楽家ならではの蘊蓄ありなど、充実した時間だったとのことで、ご参加者にとっても、わたしにとってもよかった。

関係者の皆様にはお礼を申し上げるのみである。

昨日、ようやく無罪放免となり、スウィングロビンのレッスンにて社会復帰となったが、5日間も布団で横になっていた割には、普段通りの歌声で指導できたことは何より。ピッチの統一に向けて集中した良いレッスンであった。

それにしても、「わたしはインフルエンザには罹らない」という態度が、全く根拠のない虚勢であったことが、このたび明らかになったわけで、今後は体調管理、時間管理も含め、予防に気を遣っていきたい。


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大フィル合唱団 ニューイヤーコンサート迫る

2019-01-10 17:12:41 | コーラス、オーケストラ


今週は、火曜日にVeritus Choir Osaka、水曜日に長岡混声合唱団(いずれもドイツ・レクイエム稽古)、そして、本日、木曜日に大フィル合唱団ということで、伊丹~新潟空港を往復することに。

伊丹空港が近付くたびに、「大阪は水の都」であることを思いを馳せますが、今日の大阪の街も夕陽に映えて素敵でした。

さて、今宵は、円光寺雅彦先生をお迎えしてのニューイヤーコンサートのマエストロ稽古。

恒例のエルガー「威風堂々」のほか、今回はレハール、ヨハン・シュトラウス、カールマンらのオペレッタからの名曲など、ふだん大フィル合唱団に縁の薄い作品をレッスンするのは、実に愉しいもの。

縁が薄いといえば、ビゼー「カルメン」からの「闘牛士の歌」。フランス語のテキストを扱うのは、大フィル合唱団のみならず、ぼく個人にとっても機会が少ないのですが、その難しい発音に取り組むことで、ドイツ語や日本語の発音にも役立つ知識を得ることの出来たのは大きな歓びでありました。

さてさて、マエストロのレッスンによって、大フィル合唱団にどんな化学変化が起きるのか、楽しみにしておきましょう。



大阪フィルハーモニー交響楽団
《名曲シリーズ》第88回新春名曲コンサート

2019年1月12日(土)
15:00開演(14:00開場)

フェスティバルホール

<出演>
指揮:円光寺雅彦
独唱:澤畑恵美(ソプラノ)
   三井清夏(ソプラノ)
   宮本益光(バリトン)
共演:糸井千加子、鈴木絢香(ダンサー)
振付:成平有子
合唱:大阪フィルハーモニー合唱団(合唱指導:福島章恭)

<曲目>
ビゼー/歌劇「カルメン」前奏曲
ビゼー/歌劇「カルメン」より “闘牛士の歌”
プッチーニ/歌劇「ジャンニ・スキッキ」より “私の愛しいお父様”
グノー/歌劇「ファウスト」より “宝石の歌”
ヴェルディ/歌劇「ナブッコ」より “行け、わが思いよ、金色の翼に乗って”
チャイコフスキー/幻想序曲「ロメオとジュリエット」
J.シュトラウスⅡ世/喜歌劇「こうもり」序曲
J.シュトラウスⅡ世/喜歌劇「こうもり」より “侯爵様、あなたのようなお方は”
J.シュトラウスⅡ世/喜歌劇「こうもり」より “チャールダーシュ”
J.シュトラウスⅡ世/喜歌劇「こうもり」より “ドゥイドゥー”
J.シュトラウスⅡ世/トリッチ・トラッチ・ポルカ 作品214
レハール/喜歌劇「メリー・ウィドウ」より “カンカン”
レハール/喜歌劇「メリー・ウィドウ」より “とざした唇に”
カールマン/喜歌劇「チャールダーシュの女王」より “ヨイ・ママン”
エルガー/行進曲「威風堂々」第1番

<料金>(全席指定・税込)
A席:6,000円(5,400円)
B席:3,000円(2,700円)
BOX席:7,000円(6,300円)





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新年おめでとうございます~ 2019年はブラームスの年

2019-01-01 22:25:01 | コーラス、オーケストラ

新年おめでとうございます!

2018年は、尾高忠明先生&大フィルとの感動的な「第九」に幕を閉じました。
わたしにとっては、4度目となる大フィルの12月29日、30日の「第九」。
マエストロ尾高とのベートーヴェン・チクルス最終回でもあったこの度の「第九」では、一段と表現力とアンサンブル力を増したオーケストラ共々、大フィル合唱団は最良のパフォーマンスを示すことができました。
年の最後に合唱団を定点観測する絶好の機会でもあるわけですが、マエストロからも「去年もよかったが、今年はさらに成長している」とお褒めの言葉を頂けたのは大きな励みとなります。

大フィル合唱団として初の海外公演となったライプツィヒ聖トーマス教会でのバッハ「ロ短調ミサ」体験(9月)、パスカル・ロフェ先生との清新なフォーレ演奏(10月)、また、ジャスティン・ドイル先生&リアス室内合唱団メンバーによるワークショップ(11月)など、合唱団にとってたくさんの財産を頂いた年でもありました。

さて、わたしにとって、2019年はブラームスの年となります。
すでに何度かお伝えしているように、2月27日にはサントリーホールにて「ドイツ・レクイエム」演奏会。
6月18日にはヴェリタス・クワイヤ・ジャパンを引き連れて、ベルリン・フィルハーモニーにて同作品の再演。こちらは、ベルリン交響楽団のほか、ベルリン自由大学合唱団との共演が本当に楽しみであります。

さらには、大フィル合唱団とともに、尾高忠明&大阪フィルハーモニー交響楽団のブラームス・チクルスに参加。
4つの交響曲のカップリング・ナンバーとして、「埋葬の歌」「アルト・ラプソディ」「運命の歌」「哀悼の歌」「運命の女神の歌」の5作品を演奏致します。
ブラームス・チクルスと言えば、かつての朝比奈&新日フィルがそうであったように、2つのピアノ協奏曲、ヴァイオリン協奏曲、ヴァイオリンとチェロのための二重協奏曲と組み合われるのが常であるところ、魅惑の合唱曲を採り上げるというあたりが、このチクルスの真骨頂。それほど、大フィル合唱団がマエストロ尾高に信任されているという証ともなりましょう。大いにご期待ください。

♪今回はブラームス関連のみにて。そのほかのコンサートについては、別の機会にお知らせします。

ブラームス:ドイツ・レクイエム特別演奏会

日時: 2019年2月27日(水) 19時開演(18時半開場)
会場: サントリーホール大ホール

指揮: 福島章恭
ソプラノ: 平井香織
バリトン : 与那城敬

オーケストラ: ヴェリタス交響楽団(コンサートマスター: 崔文洙、新日本フィル、東京交響楽団をはじめとするトッププレイヤーにより構成)
合唱:ヴェリタス・クワイヤ・ジャパン

チケットぴあ: https://t.pia.jp/pia/event/event.do?eventCd=1844428


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