福島章恭 合唱指揮とレコード蒐集に生きるⅢ

合唱指揮者、音楽評論家である福島章恭が、レコード、CD、オーディオ、合唱指揮活動から世間話まで、気ままに綴ります。

オーヴェルニュの歌を45回転で

2014-09-28 22:58:24 | レコード、オーディオ

 

カントルーブ編曲 オーヴェルニュの歌 vol.2 

ネタニア・ダウラツ(ソプラノ) ピエール・デ・ラ・ローシュ指揮 管弦楽団
原盤: 米VANGUARD

「オーヴェルニュの歌」は、ジョゼフ・カントルーブ(1879 - 1957)が故郷オーヴェルニュ地方の民謡を独唱と管弦楽のために編曲した本当に美しい曲集。

その愛らしく素朴なメロディが色彩感溢れるオーケストレーションによって、爽やかな芸術作品となっている。どんな疲れた心も癒やされてしまうほど。

かつて、宇野功芳先生の随筆集のタイトルともなったことをご存知の方も多かろう。

その宇野功芳先生も絶賛されていたのが、ソプラノの名花ダヴラツの名唱だ。

歌い回しに媚びや計算はなく純朴そのもの。村の少女の純粋さに青い果実のようなエロスを僅かに滲ませたような風情が堪らない。

この度は、米CLASSIC RECORDS社による45回転テスト・プレス4LPを入手。ジャケットなしの白箱入りのため、冒頭には同社による33回転復刻盤の写真を掲げた。
このテストプレスは、なんと限定20セット。45回転盤は商品化されなかったはずなので稀少。ホントは、あの名曲「バイレロ」を含むvol.1の方が欲しかったけど、こればかりは仕方ない。

なお、33回転復刻盤の方は、vol.1とvol.2を合わせての2枚組で、十二分な高音質。

ヴァンガードによる録音がこんなに優秀であったとは、昔、国内廉価盤で聴いたときには想像もできなかった。

一生大事にしたいレコードである。

  
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無事を祈る

2014-09-28 01:26:13 | コンサート
昨日は、王子ホールにて、アルカント・カルテットの素晴らしいコンサートを聴いた。

記事にしようと思い、構想も固まりかけていたが、木曽の御嶽山噴火の惨事にショックを受け、なんだか書けなくなってしまった。

10月2日には、トッパンホールでも彼らの演奏を聴くので、その時にまとめて書けるかも知れない。

御嶽山登山者の一人でも多くのご無事をお祈りしております。
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愛知祝祭管団員さんのFB記事より

2014-09-26 15:34:23 | コーラス、オーケストラ

愛知祝祭管弦楽団の犬山合宿から早くも6日が経ってしまったが、胸には未だ余韻がくすぶっている。

それだけ、ブルックナー、ワーグナー、バッハの音楽には大きな力があるし、愛知祝祭管弦楽団の面々の音楽に賭ける想いが熱いからなのであろう。

ここで、ふと目にとまった団員さんのFB記事が素敵だったので、転載しておく。

 

日常から離れて、

仲間と過ごした2日間。

早く寝ればいいのに、
テンションが上がりすぎて夜は寝ないし、
かといって、体は正直で肩にも腕にも重いものが。
決して噂のオバケではないと思いますが(笑)

それでもfffの刻みに全力そそぐ、
sulGに思いのすべての響きを吐き出す、
上がらないはずの肩が、楽器も弓もあげて響きを天に向ける。

合宿も終盤、3楽章の合奏前の休憩時間、
3ソロの部分を見直していたら、隣の椅子に福島先生。

「どうですか。今日は。」

「はぁ。がんばってますが。」

「幸せですか?」

「!!!はい!幸せです!」

「うん、それはよかった。」

そう!幸せなのです!
体が満身創痍ギリギリなのに、どこからこの思いがあふれてくるのか。
その思いを放出燃焼し放題なこの状況、
これを幸せと呼ばないなら、幸せとは何なんだ!!

私たちのブルックナーが犬山館のホールに響きわたっている。
そして、まだ進化を続けている。

1か月後、私たちが芸文のホールで体験する世界はどんななんだろう。

こんなメンバーでブルックナーを演奏できることは、
もうこの先ないかもしれない。
私の課題はまだまだたくさん。
悔いを残さないように課題をつぶしていきたいと思います。(Y.M)

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愛知祝祭管弦楽団FBページより

2014-09-24 00:35:41 | コーラス、オーケストラ
 
 
9/20~21、木曽川河畔、犬山城のふもとで合宿が行われました。
2日間日常から離れ、レトロな旅館のレトロなホールにこもって、ブルックナーの世界に浸りました。

レトロ旅館にありがちな「おばけが出る」噂におびえる者もありましたが、霊感のまったくない私などは、合奏中、柱にある鏡が目に入ると、そこに映る団員メンバーの中に、目を閉じたブルックナーがうなずきながら座って聴いている姿を妄想したり。

本番まであと1か月にせまったタイミングでの合宿。
ただ楽譜の音符を追いかけているだけの響きから、天に向かって全体として鳴る響きに、そしてそれが生き生きと温かく降り注ぐのを、実感できるようになってきました。

時に個々の思い入れが強すぎて、「もう少し楽に響かせて」「もう少しあっさり」と先生から注意されることも多く反省点も多いけど、きっと他では感じることのできない演奏になることは間違いないです。

思いはさらに熱く、練習は細部まで丁寧に、
反省点を好転させて、私たちのブルックナーの完成形へ。

ラストスパート、メンバー全員燃えています。(Y)

 

2014年9月20(土)~21(日)
9/20(土)
 13:00 集合・セッティング
 13:30~弦楽器分奏(1・4楽章)
 15:00~弦楽器分奏(2・3楽章)
 (管楽器は別の部屋で分奏)
 16:30 休憩・移動・セッティング

 17:00~ブルックナー8番 2楽章
 18:00~ブルックナー8番 3楽章
 19:20 練習終了

 19:30~夕 食
 20:30~団内アンサンブル(参加・編成などは自由)
 21:30~懇親会(宿泊部屋へ移動します)
 23:00 就 寝

9/21(日)
 8:00~朝 食
 9:00~マイスター
 10:15~バッハ:ドッペル・コンチェルト ソリスト込み
 (管楽器は別の部屋で分奏)

 12:00~昼 食
 13:00~ブルックナー8番 1楽章、4楽章(後半)
 15:00~ブルックナー8番 4楽章(全部)、3楽章
 17:00 練習終了

 

 

 — 場所: 犬山館

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愛知祝祭管弦楽団 コンサートマスターよりのメッセージ

2014-09-23 00:49:00 | コーラス、オーケストラ

土曜夜に豪出張から帰国したセントレアからそのまま犬山の愛知祝祭管合宿に行って来ました。
肉体が疲弊しきっていたのでまともな演奏が出来るかとても不安でしたが、福島先生のオーラとオケの皆さんの気合・集中力の御蔭で、自分の力以上のものを出しきる事が出来ました。
僕が不在にしていた間に、懸案だった四楽章後半部分が一気に改善されていたのはただただオケの皆さんに感謝です。

今回の合宿で、福島先生の紡ぐ音楽のスケール感と深みをいよいよオケが受け止めきって、深遠なブルックナー宇宙が現出してきました。

生涯最高のブルックナー体験になる可能性大です!

また合宿には古井先生・清水先生のお二人がお越しくださり、ドッペルコンチェルトのソリスト合わせも出来、いよいよヘルメスベルガーのカデンツァを生で堪能し危うく嬉し死にしそうでした。

本番が楽しみな気持ちともうあと僅かしか福島ブルックナーを味わえない寂しさと、双方が強烈に強まってきましたが、そういった想いを最高に昇華出来る演奏会本番を目指して頑張ります!
10月26日です。お時間のある方は是非お越しくださいませ!!

写真: 愛知祝祭カルテット!

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ゴールなき旅の幸せ

2014-09-22 05:46:34 | コーラス、オーケストラ
柄にもなく、今朝は4時過ぎに目が覚めたので、愛知祝祭管・犬山合宿の録画および録音をさらに確認していた。

自分の棒のテクニックやレッスン内容については、マーラー8の頃に較べて、かなり是正できてきているようだ。
マーラーの時は、自分の棒や振っているときの姿勢の悪さを動画で見るのが恥ずかしかった。即ち、自分のつもりと実際に大きな誤差があったわけだが、今回はその後の経験や研究の成果から、概ね自分の考えている姿で指揮できていたように思う。素直に喜ばせて頂いても良いだろう。

しかし、慢心ではない。
音楽づくりも含めて、まだまだ改善の余地のあることも痛感。もっと良い音を引き出す振り方はある筈だし、もっと深く自由な呼吸法も探求しなくてはならない。さらにブルックナーの美しさはどんなに究めても究め切れるものではない。

そう、成果に歓びを覚えつつも、止まれ!と叫んではいけないのだ。こうして、ゴールなき旅をつづけていけるのはなんと幸せなことであろうか。
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10月26日 愛知県芸術劇場にて待つ!~合宿終了

2014-09-22 00:14:11 | コーラス、オーケストラ


愛知祝祭管の犬山合宿。
力強い手応えのうちに終了!

まずは、素晴らしいメンバーが集まってくれたことに感謝。何が素晴らしいかというと、各パート、各人が「如何に良いパフォーマンスにしていくか」という課題に積極的に取り組んでいてくれること。

指揮者に言われたからやる、ではなく、確固とした自主性のあるのが演奏の生命力やテンションに反映されている。だから、指揮者であるボクはオーケストラに行くべき道だけ開いてあげれば、皆さんが自分で音楽を作ってくれる。実は、これはボクにとっては、大きな歓び。ただ指示通りになぞられただけ、というのは演奏としては本物でないから。



ボク自身、火曜日の全身打撲から最悪のコンディションで犬山入りしたのだが、終わってみるとかなり元気。やはり、音楽が何よりの薬であるし、生命の源泉だということを実感している。



とはいえ、長時間の指揮後の休養は大事。名古屋の宿で疲れた身体を癒しているが、先ほど、録画しておいた練習風景の一部を観たところ、目が冴えてしまった。

とても、神聖で崇高なブルックナーになってきているではないか! 指揮台で聴くより全体のバランスの分かる録音で聴いて、これは只ごとではない、と思った。身贔屓なしに、凄いコンサートになることを確信。

まだ、迷ったている方があるなら、遠方からいらしても後悔はさせないことを約束するので、万難を排して駆けつけて欲しい。

10月26日13時半、愛知県芸術劇場コンサートホール(名古屋・栄)にて、待つ!
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おはようございます

2014-09-21 07:07:43 | コーラス、オーケストラ


おはようございます。
犬山の朝です。

お城に見守られながらの合宿2日目。
良い1日となりますように。
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愛知祝祭管 ブルックナー合宿初日

2014-09-21 01:30:56 | コーラス、オーケストラ


犬山に於ける愛知祝祭管合宿初日。
無事に終了。
本日は、弦楽器の分奏のあと、スケルツォとアダージョ。

転落事故の影響から消耗しきっていた肉体が動いてくれるか否か心配したものだが、ブルックナーの崇高な音楽と愛知祝祭管の精気溢れる演奏にエネルギーを貰って、なんとか振り通すことができた。音楽の力は偉大だ。

いよいよ明日はソリスト2人を迎えてのバッハのコンチェルト合わせ。大好きなマイスタージンガーのあとは、胸躍る両端楽章。いまから楽しみだ。
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ドラティのストラヴィスキー三大バレエ

2014-09-18 13:17:37 | レコード、オーディオ


アンタル・ドラティ指揮によるストラヴィンスキー三大バレエ
「春の祭典」「火の鳥」「ペトルーシュカ」米マーキュリー原盤 SPEAKERS CORNERによる180g重量復刻盤 3LP



特別なストラヴィンスキー・ファンというワケではないが、在庫のある今のうちに、ということで、復刻に定評あるSPEAKERS CORNERの3枚組アナログ盤を入手。

というか、最近は「これまで、聴いてこなかったものを知ろう」と、敢えて、趣味のド真ん中から外れたものも聴くように心掛けているのだ。
そもそも、ボクの好みについては、ストラヴィスキーで一番好きな曲は「詩篇交響曲」などと言って、宇野先生や中野さんに大笑いされたほどなので・・。

まずは、ミネアポリス響(現ミネソタ管)との「春の祭典」を聴く。原始的とも言える野性味が、聴く者の魂を鼓舞する演奏。今ではもっと洗練されたり、上手いパフォーマンスはいくらでもあるだろうが、洗練されることで失われるものもあることを、この録音は教えてくれる。確かに、終盤には苦しい場面もあるけれど。

オリジナルは知らないが、生々しく素晴らしい音質。マスターテープのホワイトノイズをカットせずに残したSPEAKERS CORNERの英断には拍手を送りたい。ノイズを消すことで、演奏そのものの精気まで奪われたディスクが枚挙に暇がないからである。
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