福島章恭 合唱指揮とレコード蒐集に生きるⅢ

合唱指揮者、音楽評論家である福島章恭が、レコード、CD、オーディオ、合唱指揮活動から世間話まで、気ままに綴ります。

ものを失くす人

2016-04-30 09:40:45 | コーラス、オーケストラ


昨夜はマザーボード交換から戻ってきたパソコンと格闘していたところ、気が付けば午前3時。

購入済みのソフトのプロダクトキーなどが行方不明のケース多発で気絶寸前。例えば、Blu-ray再生ソフトまでは復活させられたが、画像編集ソフトの再アクティブ化は絶望的である。よって、暫くYouTubeへの新作投稿は諦めざるを得ない。

こういうプロダクトキーやパスワードの類の保管の出来ない人間は、パソコンを持つべきではない、とのお叱りを受けそうだが、「ものを紛失する」性は、幼少の頃よりの性でどうしようもない。買い直した教科書、楽譜、CDは数知れず。

さあ、今日も張り切ってレッスンしよう!







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間もなく公開! モーツァルトの命日にシュテファン大聖堂で歌う「レクイエム」2017年 12月5日 PV

2016-04-26 10:37:37 | コーラス、オーケストラ


いよいよ機が熟した。
2017年12月5日、モーツァルトの命日。天才の魂に捧げる「レクイエム」。プロモーション・ビデオが完成し、間もなく公開されるのだ。



今回は既存のコーラス単体でなく、全国各地に拠点を設け、広く合唱参加者を募ることとした。我と思わん方は、いまから心の準備をはじめて欲しい。



ツアー、練習日程などの詳細は8月~9月に発表予定。



使用されている映像、並びに演奏は、すべて2009年グランドコンサートに於けるライヴより。本来は非公開のものを、シュテファン寺院よりの特別な許可がおりて、公開するものである。

ビデオ公開の手筈が整い次第、お知らせしたい。乞う御期待!
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東尚彦作品・額装完成!

2016-04-25 16:40:11 | 美術




先日、心斎橋で出会った東尚彦作品2点の額装が完成したというので、引き取ってきた。

当初、黒縁に白のマットで十分と考えていたのが、いざ、額とマット選びを始めると、作品から発せられる強力なエネルギーに触発され、店員さんに助言を仰ぎつつ、ちょっとした冒険をすることとなった。

いざ完成品をみると、上々の出来映え。作品が力強いので、この程度の額に負けることはない。

東尚彦の狂気に突き動かされた「創作」の最後にほんの少しだけでも参加できたようで嬉しい。





さて、先週はポリーニをサントリーホールに聴き、さらには、ジョナサン・ノット指揮東響による「ドイツ・レクイエム」ほかをミューザ川崎に聴き、いずれも大きな、しかし、異なる種類の感銘を受けた。

本来、記事にすべきだったのだが、突然メインのPCが起動しなくなったことへの対応に疲れきってしまい、ブログの更新どころではなかったのである。

結局、メインPCは、マザーボードの不具合という小手先の修理ではどうにもならない事態であることがわかり、致し方なくマザーボードを交換。
CPU、メモリ、SSD、ハードディスク、ビデオカード、電源などは概ね無事であったものの、いまからOSのインストールからやり直しをするというのは億劫だ。レッスンとレッスンの合間の作業となるので、しばらく時間がかかりそうである。



ついでながら、壁にはブルックナーもおります。
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静・沈思の「マタイ」と動・激情の「マタイ」

2016-04-22 00:46:01 | コーラス、オーケストラ
ようやく、聖トーマス教会に於ける「マタイ受難曲」公演(3月1日)の録音が届き、今宵はその第1部を聴いた。

我ながら凄まじい演奏だ。1月30日の東京公演を静・沈思の「マタイ」とするなら、聖トーマス教会公演は動・激情の「マタイ」と呼べるだろう。テンポも自分で想像していたより速い。きっとアドレナリン全開だったためだろう。

しかし、どちらも自分の「マタイ」であることは間違いない。静と出ようと動と出ようと、その本質に変わりはないのだ。

どちらの録音も、契約の関係で一般発売できないのが残念ではある。


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画家・東尚彦のことば ~ 狂気について

2016-04-19 22:20:41 | 美術


創造的な人は狂気を恐れてはならない 狂気は破壊であり 新しい分別を生み出す母胎である 狂気に耐える精神こそ精神と呼べる



東尚彦という現役の画家と出会ったのは、ドレスデンでのクルト・クヴェルナーのときと同じく、偶然であり、運命である。

たまたま、奈良県でのコーラス指導に向かうのに、30分ばかりの空き時間ができ、退屈しのぎに心斎橋筋のNという老舗古書店に立ち寄ったのだ。

壁に掛けられた、この二点の作品と対面した途端、わたしの心の真ん中にひとつの波紋が生まれた。その文様がぐんぐん大きくなり、全身全霊に行き渡るのに時間は要らなかった。

東尚彦という名前を見るのもはじめてであったが、その作品を支える巌のような意志は何処かクヴェルナーや中川一政を思わせた。しかし、我が心にもっとも訴えたものは"狂気"であろう。

わたしがレコードを蒐集するとき、執筆をするとき、コーラス指導をするとき、本番指揮をするとき、すべては狂気の裏付けがあり、聖なる天啓とともに何かに突き動かされる衝動がある。

写真は額装前のもの。
作品に内在する狂気に鼓舞され、今回は額とマット選びを少しだけ冒険した。無難な額装だと狂気に蓋をするような気がしたからである。

ただし、わたしは色彩にはド素人なので、大失敗している可能性もある。

それも含め、来週の出来上がりが楽しみだ。

なお、店によれば、二点とも「肉筆画」とあったが、下の山の作品は版画のように見える。
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17年間のご愛顧に感謝 ~ 新版クラシックCDの名盤・演奏家篇 増刷 

2016-04-12 13:32:30 | レコード、オーディオ



文春新書「新版クラシックCDの名盤 演奏家篇」 宇野功芳・中野雄・福島章恭 共著

本年4月5日付けにて増刷して頂きました。

「クラシックCDの名盤」旧版の上梓以来、すでに17年の歳月が流れました。長年のご愛顧に心より感謝致します。

ここで、文春新書「クラシックCDの名盤」シリーズ刊行の流れを振り返ってみましょう。

クラシックCDの名盤 1999年10月 374頁

クラシックCDの名盤 演奏家篇 2000年10月 374頁

新版 クラシックCDの名盤 2008年7月 470頁(96頁増!)

新版 クラシックCDの名盤 演奏家篇 2009年11月 456頁(82頁増!)

クラシックCDの名盤 大作曲家篇 2014年12月 282頁

因みに、「クラシックCDの名盤」という書名の命名はわたしでした。

姓名判断にこだわりがあるため、画数はもちろん、声に出したときのリズムや響き、見た目のインパクトなどいろいろ考えた結果です。

さらに留意したことは、「片仮名、平仮名、漢字、アルファベットをすべて含めて多様性を持たせる」ということ。そういえば、a i u e oの5つの母音もすべてありますね。短い書名の中に左記のすべて入れられたのは我ながら会心のファインプレーでした。

本書が17年間も生きつづけているということは、内容が第一であることは勿論ですが、書名も些かは貢献できたのではないか?と自負しているところです。

旧版以来、なんだかんだ言われながらも読み継がれていることは、嬉しいことです。世の中、なんだかんだ言われずに消えてゆく本の方が、圧倒的に多いのですから。

因みに、最後の「大作曲家篇」について、わたしは書名を変更することを希望しました。いまさらCDの時代でもないし、新しい風を起こすべきではないか、ということで。

実際、出版間際まで書名が決まっていなかったので、「クラシックCDの名盤」というつもりでは執筆していません(笑)。それは、宇野功芳先生、中野雄さんも恐らくは同じで、三者の対決姿勢(?)が薄まっているのもそのためでしょう。

結局は、「お馴染みの書名の方が安定して売れるだろう」という営業の判断で、大作曲家篇に落ち着いたようです。

覚悟はしていましたが、宇野功芳先生が事実上の断筆宣言をされたことで、本当に最後の「クラシックCDの名盤」となってしまいました・・・。

話は戻って「演奏家篇」。

万一、旧版しかお読みでない方には、新版を手に取って頂けると幸いです。上記青文字の通り、大増ページに加え、とくにわたくし=福島章恭は、旧版での若気の至りを書き改めておりますので・・・。

今後とも、どうぞ宜しくお願いします。

 



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グノー「ロメオとジュリエット」 英デッカ・モノーラル録音の華

2016-04-12 00:51:46 | コーラス、オーケストラ



今宵は、滅多に聴くことのないフランス・オペラに針を降ろした。
エレーデ指揮パリ・オペラ座管によるグノー「ロメオとジュリエット」。

フランスの名花ジャニーヌ・ミショー、カナダに生まれ長くパリで活躍したラウル・ジョバン。

英デッカの薫るようなモノーラル録音に酔いしれる。

実は、作品についての知識もないままに、ジャケットの美しさと盤のコンディションの良さに惹かれて手に入れたのだが、これは大正解であった。

※ナクソス・ミュージック・ライブラリーにて聴くことができるので、以下にリンクを貼っておきます。

グノー:歌劇「ロメオとジュリエット」 
Romeo et Juliette
英デッカ LXT 2890/2 (3LP) 録音: 1953年
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マリナー&アカデミー室内管のシューベルト交響曲全集

2016-04-11 23:39:18 | コーラス、オーケストラ

ヤノフスキ&NHK交響楽団の「ジークフリート」について書かなくてはならないのだが、まだ想いが熟さない。

というわけで、マリナーのお話。

写真は、オペラシティに於けるマリナー&アカデミー室内管コンサートを聴き終えた直後、新宿のディスクユニオンにて入手したシューベルト交響曲全集。

その前日、、迷った末に購入を躊躇ったものだが、コンサートの余りの素晴らしさにお店に急いだ次第。あんまり急ぎすぎて、新宿3丁目を通過して市ヶ谷まで行ってしまったほど(都営新宿線に「急行」があるとは知らなかった)。

「イギリスの音楽学者ブライアン・ニューボールド監修による初の全集」とのことで、「未完成」はなんと完成バージョン。ほかに、ピアノ・スケッチからオーケストレーションを完成させた曲が二つも加わり計10曲。かつて、バッハ「ブランデンブルク協奏曲」のサーストンダート版を録音した頃のチャレンジ精神が健在で嬉しい限り。ところで、この未完成ではない「未完成」の第2楽章でみせる魂の慟哭のような凄絶さが、マリナーのうちにあったこと、今更のように驚かされた。

一度、マリナーの本番を聴いた耳に、あのサウンドが蘇るようであり、今後、1曲、1曲を聴いてゆくのが楽しみである。

なお、この全集の録音は1981~84年ということで、最近のDSD録音などと較べるのは気の毒なほど低いフォーマットであるが、先日聴いたブーレーズの「ジークフリート」ほどの音質の不利は感じられなかった。

室内オーケストラのスタジオ録音とバイロイトでのライヴでは条件が違う、ということもあるのだろう。


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東京春祭 ヤノフスキの「ジークフリート」

2016-04-11 00:05:06 | コンサート

昨年の「ワルキューレ」にひきつづき、今年も7日、10日両公演とも聴くことが出来た。

東京・春・音楽祭の「リング」公演については、かなり前から手帳に書き込み、仕事の予定を入れることを阻止したことの勝利である。

「神々の黄昏」もなんとか日程を確保したいところだが、来年の4月は合唱指揮のスケジュールが微妙なところ。

なんとか1公演だけでも聴けるよう調整したいものだ。

さて、演奏は両日合わせて、我が国のワーグナー演奏史上、特筆すべき演奏だったと思われる。

歌手陣、オーケストラともに、最上の出来映え。もちろん、最大の功労者は指揮者ヤノフスキだ。

感動の新たなうちに書き留めておきたいところだが、今宵は余力がない。

月曜日のうちには某か書き残しておきたい。

■曲目
ワーグナー:舞台祝祭劇 『ニーベルングの指環』 第2日 《ジークフリート》

(全3幕/ドイツ語上演)[上演時間:約4時間50分(休憩2回含む)

■日時・会場
2016.4.7 [木] 15:00開演(14:00開場)
2016.4.10 [日] 15:00開演(14:00開場)
東京文化会館 大ホール

■出演
指揮:マレク・ヤノフスキ 
ジークフリート:アンドレアス・シャーガー 
ブリュンヒルデ:エリカ・ズンネガルド 
さすらい人:エギルス・シリンス 
ミーメ:ゲルハルト・シーゲル 
アルベリヒ:トマス・コニエチュニー 
ファーフナー:シム・インスン 
エルダ:ヴィーブケ・レームクール 
森の鳥:清水理恵 
管弦楽:NHK交響楽団(ゲストコンサートマスター:ライナー・キュッヒル )
音楽コーチ:トーマス・ラウスマン 
映像:田尾下 哲 

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35年前の新譜 ブーレーズの「ジークフリート」

2016-04-10 12:24:45 | レコード、オーディオ
東京春祭、ヤノフスキの「ジークフリート」二日目を前に、今朝はブーレーズ&バイロイトの「ジークフリート」、1981年頃リリースの未開封アナログ盤に通針。第1幕を聴く。



新品同様の筈が、いざ針を下ろすとバキバキと雑音だらけ。ビニールでシールドされていたとはいえ、35年も放置しておくとこうなるのか。
そこで、話題のOYAGクリーナーで磨いたところ、今度こそ新品同様のクリアな再生音となった。めでたし。



しかし、ブーレーズにとっての不運は、これがデジタル初期の録音であることだろう。レコード盤で聴いても、いかにも密度がなく、スカスカのサウンドなのは否めない。もともと透明度重視、音圧の高い類いの演奏ではないが、この希薄はそのせいではなかろう。

バーンスタインのマーラーのようなアナログ・マジックは起きなかった模様。いやあ、本当に惜しい。
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