福島章恭 合唱指揮とレコード蒐集に生きるⅢ

合唱指揮者、音楽評論家である福島章恭が、レコード、CD、オーディオ、合唱指揮活動から世間話まで、気ままに綴ります。

2016年仕事納め 大阪フィル「第9シンフォニーの夕べ」

2016-12-31 00:39:07 | コンサート


大阪フィル「第9シンフォニーの夕べ」2日目をもって、2016年のお仕事終了。大阪フィル合唱団のパフォーマンスについつは、お顔を紅潮させたマエストロのポーガさんからも、”Fantastic!!"と大絶賛して頂きました。

お客様の立場からは色々なご意見・ご感想はあると思われますが、合唱指揮者として、今回の第九は、コバケン先生との「燃える第九」とはまた別の意味で、大きな記念碑となりました。

一言で表するなら、フェスティバルホールの巨大な空間をようやくコーラスの声で満たすことができた、という手応えです。
ザ・シンフォニーホールの場合、広さも程よく、コーラスの力不足をホールの美しいアコースティックが助けてくれるのですが、フェスティバルホールは、生半可な発声を受け付けません。力任せに歌ったところで跳ね返されるのがオチです。
今宵の「第九」を聴きながら、日頃の呼吸法と発声練習の成果によって、ああ、ようやくフェスティバルホールに認められるコーラスとなったのかな、という手応えを覚えたのです。

もちろん、その質や完成度については、まだまだ発展途上ではありますが、昨年とは全く別の次元で音楽のできたことは、大きな歓びであり、今後への励みとなります。

個人的にもポーガさんの指揮からは、様々な啓示を受けました。それが何であるかは、ひとまず企業秘密としますが、今後の自分の指揮活動に生かして参ります。

とまれ、オーケストラと合唱の共同作業によって、アンドリス・ポーガさんの清新な美学に、熱い血を通わせることのできたことを祝したいと思います。
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当日券あり 大阪フィルの第九をお聴き逃しなく

2016-12-29 12:43:46 | コンサート


今宵の初日とそれにむけてのゲネプロに備え、心静かな時を過ごしております。

この度のマエストロ、アンドリス・ポーガさんはただ者ではありません。

演奏スタイルを新旧ふたつに乱暴に分けるなら、新しい方に属します。ベーレンライター新版によって、過去のロマンティックな趣味とは訣別したもの。即ち、つい先日のコバケン先生の「燃える第九」とは、対極に位置する理知的で心爽やかな第九と申せましょう。

ポーガさんの素晴らしいのは、その主義主張が原理主義的でなく、極めて自然で音楽的なことでしょう。歌い手の生理も理解してくれているので、声楽的な違和感もなく、未知の領域に連れていってくれます。

合唱の仕事に携わって四半世紀を越すわたしにとっても、「おお、こんな美がかくされていたのか!」という瞬間がいくつもありました。この新鮮な息吹を多くの方に味わって欲しいと願います。

今宵、そして明晩、お時間のある方は、是非ともフェスティバルホールにお運びください。



ところで、ヨーロッパ的な佇まいに誘われたこのお店。窓からの景色は、どこまでも大阪なのでありました。
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いよいよ大阪フィル恒例の年末「第九」 

2016-12-27 11:06:12 | コーラス、オーケストラ

2016年もいよいよ大詰め!

わが合唱指揮のお仕事も、大阪フィル恒例の年末第九2公演を残すのみとなりました。

ご報告が遅くなりましたが、コバケン先生との「第九」は破格の素晴らしさでした。もちろん、昨年だって良かったのですが、今年はそれを遙かに上回る出来。コーラスは益々の成長した姿を見せ、コバケン先生からの本気の厳しい指示を引き出すことに成功。当日のリハーサルでは、感極まったコバケン先生に「神懸かっている」とまで評して頂きました。

オーケストラ共々、「燃える第九」の名に恥じない、燃えに燃えた本番となったことは言うまでもありません。

そして、大トリとなる29日と30日。

初共演となるアンドリス・ポーガさんの指揮により、どのような世界が繰り広げられるのか?

大いなる期待に胸が膨らんでいるところです。

皆様のご来場をフェスティバルホールでお待ちしております。

第9シンフォニーの夕べ

http://www.osaka-phil.com/schedule/detail.php?d=20161229

2016年12月29日(木)、30日(金)
両日とも 19:00開演(18:00開場)


[拡大]

フェスティバルホール

<指揮>アンドリス・ポーガ
<独唱>中村恵理(ソプラノ)、福原寿美枝(アルト)、福井敬(テノール)、森雅史(バリトン)
<合唱>大阪フィルハーモニー合唱団
<曲目>
ベートーヴェン/交響曲第9番 ニ短調 「合唱付」 作品125

<料金>(全席指定・税込)
A席:6,000円(5,400円)
B席:4,500円(4,000円)
C席:3,000円(2,700円)
BOX席:7,000円(6,300円)

※未就学のお子さまのご入場はお断りさせていただきます。
※(  )内の料金は大阪フィル・会員価格でございます。

・チケット販売所
大阪フィル・チケットセンター 06-6656-4890
フェスティバルホール チケットセンター 06-6231-2221
チケットぴあ 0570-02-9999【Pコード:305-322】
ローソンチケット 0570-000-407【Lコード:52171】
イープラス

・お問合せ
大阪フィル・チケットセンター 06-6656-4890
(営業時間:平日10:00~18:00 土曜10:00~13:00 日・祝・年末年始は休業)

 

 

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完売御免 コバケン「炎の第九」(立ち見あり!)

2016-12-17 21:22:17 | コンサート


ところで明日、12月18日(日)は恒例のザ・シンフォニーホールでの「第九」。指揮は昨年に引き続きコバケンこと小林研一郎先生。

昨夜、オーケストラとの合わせがあり、当初、その前にコバケン先生との合唱稽古も予定されていたのですが、蓋を開けてみると、「福島さん、ちょっと振ってくださる?」と、指示された場所をボクが振っては、それにコバケン先生が注文をつける、というスタイル。終始和やかな雰囲気でレッスンはすすみ、わずか15分ほどで終わってしまいました。

コバケン先生に合唱団が信頼されている、ということは合唱指揮者としてまことに嬉しく、また名誉なことであります。

嬉しいことに、明日のチケットは早々に完売。いまから手に入れる方法はないと思われますが、運良く手にされた方にはご期待頂きたいと思います。コーラスは昨年よりも上のパフォーマンスを展開してくれるでしょう。

※追記
いま、調べたところ、立ち見券は残っている模様。



さて、それでも、どうしても、大阪フィルと大阪フィル合唱団の「第九」を(座って)聴きたい、という方には、年の瀬29日、30日にフェスティバルホールにお越しください。マエストロはアンドリス・ポーガさん。ラトビア出身の実力派との噂。はじめての共演となりますが、どんなベートーヴェンをつくってくださるか、大いに楽しみにしているところです。

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FM OSAKA 番組収録完了!

2016-12-17 14:53:53 | レコード、オーディオ


本日は、FM OSAKAさんに招かれ、番組に出演して参りました。

“くらこれ! おしゃべり音楽マガジン"
放送は、12月18日(日)深夜25時15分(19日午前1時15分)よりの1時間。

大阪音楽界の生き字引とも呼べる司会の吉川智明さんの軽妙なトークに乗せられて、楽しくお話できました。

今回は、合唱指揮者としての自分や宇野功芳先生の思い出話など。1時間ではとても語りきれるものではありませんね。

次の機会には、クナッパーツブッシュ、シューリヒト、朝比奈先生のお話などしたいものです。

ネットやスマホにて、全国どこからでもお聞き頂けますので、宜しくお願いします。
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ラトル&BPO ダイレクト・カッティングによるブラームス交響曲全集

2016-12-13 09:57:07 | レコード、オーディオ


ベルリンより今朝到着。
ダイレクト・カッティングによるラトル&BPOのブラームス交響曲全集アナログ盤ボックス。
午前中の予定を後回しにして、まずは「1番」に針を下ろした。普通なら1枚2面に収めるところ、1&2楽章には各1面を費やし計3面という贅沢なカッティング。

ううう、確かに凄い!
ベルリン・フィルの怒濤のサウンドが眼前に迫りくる。こりゃ途轍もない音質だ。音場の広がり、奥行き、そして、音そのものの鮮度など、今まで聴いてきた数々のデジタル録音とは別物である。しかも、わざとらしい強調はなく、自然な音だ。逞しく力強いのにしなやかで優しくすらある。

演奏も真剣勝負。一発勝負の緊迫感がひしひしと伝わってきて手に汗握る。かつて実演で聴いたラトル&VPOのモーツァルトのあまりに曲芸的なパフォーマンスに、「もう一生ラトルは聴かないぞ」と心に誓ったものだが、このブラームス「1番」は無条件によい。これで、ラトルへの負のトラウマがかなり解消されるだろう。



国内販売盤の特典に興味がなかったわたしは、ベルリン・フィルの直営店にネット注文したが、万一プレス・ミスなどがあったとにには、交換の手続きが面倒なことは確かである。価格の違いはあるが、保険として国内ショップで購入するという選択肢もあるだろう。
わたしは、「2番」以降のプレスに瑕疵のないことを祈るのみ。
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モーツァルトの第225回目の命日 ~ 聖シュテファン大聖堂のモツレク1年前

2016-12-05 22:52:39 | コンサート

本日、2016年12月5日はモーツァルトの225回目の命日でありました。

そして、来年の今日は、ウィーン・シュテファン大聖堂にて、モーツァルト「レクイエム」を演奏し、奉納する日なのです。

ということで、シュテファン寺院より、神々しい聖堂内部の写真が送られてきました。

トーマス教会の「マタイ受難曲」のときもそうでしたが、おそらくは、あっという間に1年後の今日を迎えることとなるのでしょう。

さて、こちらが本年のコンサートのポスターです。

ソプラノにサンドラ・トラットニックさんのお名前がありますが、トラットニックさんこそ、2009年に私がシュテファン大聖堂でモーツァルト「レクイエム」を振ったときのソリストのお一人。

それはそれは美しく、力強く、そして祈りに満ちた歌声で、密かに再びの共演を祈っているっほどです。しかし、それも天の配剤にお任せしたいと思います。

さて、ちょうど1年前と言うことで、ここで久しぶりに、ウィーン・ツアーのプロモーション・ビデオを公開しましょう。

Vienna Mission final 2

2017年12月5日、モーツァルトの命日に歌う「レクイエム」!

会場は、ウィーンの中心に聳え立ち、音楽の都の歴史を見守りつづけてきた聖シュテファン大聖堂。

指揮は福島章恭。

オーケストラ、ソリストはまだ発表できる段階ではありませんが、ウィーンの一流、実力派を予定しております。

合唱団参加への募集要項は、エムセック・インターナショナルまでご請求ください。

旅行日程

2017年12月1日(金)~12月6日(水)6日間
2017年12月1日(金)~12月8日(金)8日間(その他、延泊等のオプションもご用意)

http://www.mcec-inter.com/concert/index/4

東京都渋谷区渋谷2-8-7 青山宮野ビル2F
TEL:03-3406-1122
FAX:03-3406-1125

なお、当プロモーションビデオに於ける映像・録音は2009年1月のシュテファン大聖堂グランドコンサートに於ける福島章恭指揮シュテファン・ドーム・オーケストラによるものです。

まだ、情報は少ないのですが、随時アップデートしていく予定。乞うご期待。

以下、聖シュテファン大聖堂音楽事務所(Kunst und Kultur ohne Grenzen)の清水一弘様よりのメッセージとともにお届けします。

福島 章恭先生が8年の時を経て、2017年12月5日零時より
聖シュテファン大聖堂にてモーツァルト「レクイエム」を再演されます。
    
1791年12月5日0時55分 
モーツァルトは享年35歳の若さで亡くなり、
聖シュテファン大聖堂で葬儀を行いました。
         
聖シュテファン大聖堂では、モーツァルトの魂に捧げる為、
彼のレクイエムを毎年12月5日零時から中央祭壇で演奏し、
0:55に終演いたします。
          
曲が終わる度に、大聖堂内の明かりを一つづつ消していき、
終演直後に大聖堂内は真っ暗になります。
もちろん、拍手なしです。

そして静寂の中、祭壇の後方から聖職者達がマントを羽織り
鐘を鳴らす方、十字架を持つ方、光を灯す方が
モーツァルトの魂に祈りを捧げる為に
大聖堂内をプロセシオン(聖行進)いたします。
私は、光の役をさせて頂きます。
      
モーツァルトのご自宅から大聖堂まで遺体を運んだ際、
当時実際に使用された鐘を鳴らしながら聖行列を行います。
  
聖シュテファン大聖堂ならではの雰囲気を
存分に味わって頂けると思います。
    
福島 章恭先生は、2016年3月1日ライプツィヒにある
バッハの聖地、聖トーマス教会にて四旬節に於ける
邦人指揮者および合唱団による初「マタイ受難曲」
公演をされ大成功を納められました。
      
合唱愛好家の皆様、そして、ピアノの先生や
プロの声楽家を目指している学生の皆様に
レジェンド オブ モーツァルト合唱団に
是非ご参加くださることを強くお勧めいたします。
      
福島 章恭先生は、音楽を創るスペシャリストで、
モーツァルトの事に関して超マニアックにご存知です。
     
レクイエムを音楽的にどのように創られるのか、
また合唱指導の作法や発声法、
モーツァルトのマニアックなエピソードなど
音楽創りの上でソロの演奏にも役立つし、
大変良い経験になると思うのです。
   
福島 章恭先生のモーツァルト「レクイエム」に対する
情熱は凄まじく、大聖堂内がフォースで満たされます。
    
そして、何よりも確実に結果を出されます。
私は、数字で評価される世界で14年間生きてきたので、
福島 章恭先生にすべてを任せておけば安心なのです。


      
この写真は、2009年1月24日、聖シュテファン大聖堂に於ける
モーツァルト「レクイエム」公演終演直後の打ち上げで
公式発表されたコンサートの収益金です。  
  
37323,84ユーロ!!!
  
1ユーロ = 126、59円で計算すると
約472万円にもなります。
   
聖シュテファン大聖堂公式演奏会である「グランドコンサート」の
趣旨に添って、福島 章恭先生から聖シュテファン大聖堂修復費用の為に全額寄付して頂きました。
   
伝承を重んじつつも革新的で格調高く、
聖シュテファン大聖堂へ対する畏敬の念を持って終始演奏され
聴衆の心に届いたからこそこれだけの結果が起きたと思います。
  
ご検討の程、どうぞよろしくお願いいたします。 
  
音楽の神様からたくさんのインスピレーションが与えられますように…
  
アマデウスは永遠に不滅です。
 
Das Herz adelt den Menschen.
1781,Wien W.A.Mozart
     
誠に有難うございます。
    
聖シュテファン大聖堂音楽事務所
Kunst und Kultur ohne Grenzen
Area Consultant 
清水一弘拝

 

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来年11月16日東京オペラシティ公演 前プロ思案中

2016-12-03 01:57:50 | コーラス、オーケストラ

2017年11月16日(木) モーツァルト「レクイエム」の前プロに何を置くべきか?

思案中である。

かつてウィーンでそうしたように、交響曲第40番ト短調K.550が順当であろうか?

それとも、かのペーター・マークを倣って第38番ニ長調「プラハ」K.504とすべきであろうか?

どちらも捨てがたく、即決はできそうにない。

今暫く、心の声との対話をつづけるとしよう。

 

 

 

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