福島章恭 合唱指揮とレコード蒐集に生きるⅢ

合唱指揮者、音楽評論家である福島章恭が、レコード、CD、オーディオ、合唱指揮活動から世間話まで、気ままに綴ります。

神戸市民交響楽団さんとの「惑星」

2016-05-30 22:50:51 | コンサート

昨5月29日(日)、大阪フィルハーモニー合唱団女声部は神戸市民交響楽団さんの定期演奏会に賛助出演して参りました。

演目は、ホルスト「惑星」の終曲「海王星 ~ 神秘主義者」。

テキストはなく、舞台裏で歌うヴォカリーズのみですが、この神秘を声として表現するのは至難の業。

とくに最終小節のリフレイン(回数指定なし)は、ディミヌエンドしながら消えるまで延々とつづけるわけですが、このピッチを維持するには相当の技量が求められます。

我々としては昨年9月の大阪クラシックで大植英次先生による3台ピアノ版「惑星」以来二度目の挑戦。この度のオーケストラ版でのパフォーマンスは、完璧とはまだ呼べないものの責任を果たせた出来映えだったのではないでしょうか。

指揮の藏野雅彦先生も明確なタクトで導いてくださり、迷うことなしに舞台裏での「かげ棒」を振ることができました。

ところで、神戸市民交響楽団さんの演奏を聴くのは、生、録音ともにはじめてでしたが、その技量の確かさと音楽性の豊かさに感嘆しました。

音楽に真摯に取り組んでいる空気がホールを満たしていて、共演者としてとても気持ちが良かった。

1700人を超す聴衆が集ったということも、このオーケストラのファンの多さと、楽団員の熱心なセールス活動を証明しています。

また、ポスター、パンフレット表紙の絵も団員さんの作とのことで、センスの良さに大いに感嘆した次第。

またの共演を待望するとともに、いずれこのオーケストラでブルックナーを振る機会がもてたら良いのにと勝手に夢想してしまいました。

追伸

オーケストラの皆さんからは、本当に立派な花束を頂戴し感激しました。

このようなすてきな機会を与えて頂いたこととともに、心より感謝致します。

貴団の益々のご発展をお祈りしております。

神戸市民交響楽団 第74回定期演奏会 (2016.5.29, 神戸文化ホール大ホール)

指揮 藏野 雅彦
女声合唱 大阪フィルハーモニー合唱団
合唱指揮 福島 章恭
  • J.シュトラウスⅡ/ワルツ「美しく青きドナウ」作品314
  • F.シューベルト/交響曲第7(8)番ロ短調「未完成」 D.759
  • G.ホルスト/大管弦楽のための組曲「惑星」作品32 H.125
  • G.ホルスト/大管弦楽のための組曲「惑星」作品32 H.125より 第4曲「木星~快楽をもたらすもの」(アンコール)

 

 

 

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モーツァルトの命日に行われるプロセシオン(聖行進)

2016-05-23 00:16:42 | コーラス、オーケストラ

2017年12月5日のモーツァルト「レクイエム」公演をプロモーションしてくださるウィーンの清水一弘様より貴重な映像が届きました。

こちらは、2013年公演からの映像です。

神聖にして厳か。

シュテファン寺院の皆さんのモーツァルトへの愛と尊敬が伝わってきます。

自分がこのような栄誉ある演奏会を指揮できようとは、今から身震いしてしまいますね。

以下、清水様のメッセージとともにご紹介します。

https://www.facebook.com/kazuhiro.shimizu.358/videos/10204835898857047/

5月19日、ウィーンに永住して22回目の誕生日を
迎えることになりました。 
日々、元気に顔晴っております。
いつもありがとうございます。
      
この映像は、私の誕生日プレゼントに頂きした。 
シュテファン大聖堂から公開許可を得てアップさせて頂きます。     
もしよろしかったら、是非ご覧になってみてください。
        
シュテファン大聖堂にて毎年12月5日モーツァルトの命日
「レクイエム」終演直後(0:55頃)に行われる
プロセシオン(聖行列)の様子です。
モーツァルトが亡くなったのは0:55です。
3人目に光を灯す役で私も映っております。
          
映像の中で鈴の音が聴こえてきますが、
モーツァルトのご自宅からシュテファン大聖堂まで遺体を運んだ際、
実際に当時の葬儀で使用された実物の鈴の音です。
      
映像最後に映っているお部屋は、サクリスタイ(祭具室)と言い、
聖職者のみ入ることが許される神聖な空間です。
演奏会の際、敬意をこめて演奏家の皆様の控室にさせて頂いております。
       
宇宙の生きとし生けるものすべてが平安でありますように......
   
皆様の益々のご多幸をウィーンよりお祈り申しております。
  
 今後ともどうぞよろしくお願いいたします。
             
ご視聴、誠にありがとうございました。

聖シュテファン大聖堂音楽事務所
Kunst und Kultur ohne Grenzen
Area Consultant 
清水一弘

 

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花言葉は「心変わり」

2016-05-21 17:39:33 | 美術

拙ブログを読まれたFB友のおひとりが、「青磁の花瓶にさされた花は、ゴシキドクダミでしょう」と教えてくださった。



なるほど、そうに違いない。
花は白。
花弁にも見えた燃えるような紅は葉のようである。



ドクタミなら庭にイヤになるほど生えているが、このゴシキドクダミは鑑賞用に品種改良されたものらしい。花言葉は「心変わり」。

http://tree.shiny-garden.com/post-531/

陽の光のように明るい向日葵でもなく、妖艶な薔薇でもなく、ひっそりと佇むゴシキドクタミを絵の題材とするあたり、浜田方一という人の清らかな精神が偲ばれる気がする。もっとも、ほかにどんな作品を描いたのかは知らないのであるが。



それにしても、好きな絵が居間なり、仕事場の壁に掛かっている、というのは、心安らぐものである。心身ともに疲れがスーッと引くような気がする。音楽から絵画への「心変わり」ではないが、レコードを集めたり聴くのとは違う種類の歓びがこの世にあろうとは、つい最近まで知らずにいた。まこと不覚である。

「そう言われても、絵は高価で手が出せない」
という方もあるかも知れない。確かにそうでもあり、時にそうでもない。
ピカソやシャガールを手元に置こうと思うなら前者で、一点ものの油絵など高嶺(高値?)の花。作者の没後に刷られた版画ですら、結構なお値段になる。

一方、知る人ぞ知る、或いは一般には未知の作者の作品については、古書店の店先やオークションなどで、ちょっとした価格で手に入れることもできる。中には、一回の食事代程度などという幸運なケースも。

壁に作家の名前を掛けるわけではなく、何かしら心に美しく響く作品であれば、作者が誰であっても構うまい。有名作家の作品には贋作、模造品という心配も生まれるが、名より作品本位で選ぶなら、その心配もいらないのである。

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浜田方一の「花」

2016-05-20 21:52:46 | 美術



ひょんなことから、我が家に1枚の静物画がやってきた。

画家の名は、浜田方一

画題「花」 油彩 F6号

案内には、
「北九州市門司生まれ
日本美術家連盟正会員
自由美術家協会会員
95歳で没」
とあるばかり。

とある方のインターネット日記から、2006年4月に「門司港レトロ」という施設で遺作展が催されていたことを知るのが精一杯。

無駄がなく、静かな作品である。
青磁のように見える花瓶の輪郭の美、背景の緑の深み、可憐な花弁とその密やかな影、陰。
この絵が語りかける心への波動が、モランディを観たときにどこか似ているのは、その筆の虚飾のない潔さからであろう。

もう少し、浜田方一という人のことを知りたいものだ。

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火口のど真ん中に立つ

2016-05-18 15:13:36 | 旅行




鹿児島県姶良市蒲生町にある米丸マールとは、約7,500年(縄文時代)に火山の火口だったところ。直径約1km。長い年月をかけて堆積物が積もり、いまは田んぼとなっている。

今日はそのど真ん中に立ち360度を見渡してみた。すると小高い山というか丘に囲まれ、なるほどここは火口の中心である、ということが体感できた。実に雄大な風景であり、地球の壮大な歴史を偲ぶこととなった。





その活発であった火山活動の名残が米丸温泉である。設備も古く、浴槽も洗い場も甚だ狭いが、この湯は確かで、特に皮膚病、怪我への効能は絶大なものである。かつては、西南戦争に傷ついた兵士たちの心身を癒やしたという。



因みにこの米丸マールは、国により活火山と指定されているとのこと。末永く何事も起きないことを祈るばかり。
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蛍狩り ~ 40余年前の記憶

2016-05-17 23:29:11 | 旅行


束の間、お休みを頂き、両親の故郷鹿児島を訪ねております。

今夜は、父とふたり、懐中電灯を手に(街灯が少なく道が暗い)、近所の沢まで蛍狩りに。



幻想的な光の乱舞。
ボクのカメラの腕前では上手く撮れなかったけれど、実に美しい景色でした。



ここで思い出したのが40余年前、今は亡き祖父に連れられて蛍狩りに来たこと。小学生の頃の記憶が蘇ったことに感動しました。

とともに、父との思い出をひとつ重ねられたことも嬉しく思いました。

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ピアノ連弾版の「第九」@平群町

2016-05-08 12:48:06 | コーラス、オーケストラ


奈良に何しに行ってるんだ?
飯食って、風呂入ってるだけか?
との声があったので、お答えします。

これです。
奈良県の平群町。平群は「へぐり」と読みます。

ピアノ連弾版の「第九」フィナーレ。
午前中のゲネプロを終え、これから本番。貴重な体験をさせて頂いております。

さあ、気合いを入れていこう!
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奈良なのだ!

2016-05-06 23:42:10 | コーラス、オーケストラ














奈良入りが16時を回っていたため、寺や博物館の拝観を断念。

その分、かえる庵にて極上の十割蕎麦と柿の葉寿司を食い、鶴屋徳満の立鶴三笠を食い、広々とのんびりした稲妻温泉に浸り、幸せなひとときを過ごしております。

明日は、平群という町に向かい、大事なプローベ! 張り切っていこう。

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生きた証としての「モツレク」を

2016-05-06 00:19:22 | コーラス、オーケストラ



今年のゴールデンウィークは久しぶりに有楽町のラフォル・ジュルネには出掛けず、主に家で過ごすことにした。特に意味はない。移動に次ぐ移動の日々がつづいたので、たまには電車に乗らない日があってもよかろう。結果として、昨年末、大阪フィルの「第九」に追われて棚上げになっていた大掃除などを行うこととなってしまったのだが・・。

さて、本夕は、2009年1月24日の聖シュテファン大聖堂グランドコンサートに於けるモーツァルト「レクイエム」をプライベートDVDにて振り返ることにした。即ち、2017年公演のためのプロモーションビデオに使われた大元の映像である。

まず素晴らしいのが、強力なソリスト陣。ソプラノのサンドラ・トラットニックさんは、アーノンクールにも愛された名花で、声の至純さと高貴な表現力を兼ね備えた、モーツァルトの音楽には理想のソプラノ。アルトのガブリエーレ・シーマさんはビロードのように深く暖かな情感が見事で、テノールのヘルムート・ヴィルトハーバーさんは、まさにウィーンのベルカントといった華のある美声の持ち主。バスのアドリアン・エレートさんは、新国立劇場の「ドン・ジョヴァンニ」でタイトル・ロールを歌って大評判だったので、わたしからの説明は不要であろう。この4人による「レコルダーレ」「ベネディクトゥス」のアンサンブルの美しさは、筆舌に尽くしがたく、未だにあの感動が蘇るほどである。

つづいて、シュテファン大聖堂オーケストラの響き。まさにウィーンの音。ウィーン・フィルというワケにはいかないが、音色、息遣いなどに、わたしが多くのレコードで聴いてきたものと同じDNAが感じられるのである。

さて、我が指揮であるが、7年前ということで、当然ながら今の自分より若々しくエネルギッシュである。しかし、今ならもっと上手く振れるのになぁ、と思う場面が多かった。一見力強くは見えるのだが、腹の底から沸き立つエネルギーがまだまだ不足しているし、テンポの浮つくところもある。また、一部に見られたコーラスの暴走だって、今なら許しはしないだろう(笑)。

つまり、このときは、ブルックナー「8番」を振る前であり、未だ福島章恭という音楽家になり切れていない指揮であり、演奏である、ということなのであろう。

2017年12月5日にどれだけ進化・深化したモーツァルト「レクイエム」を振ることができるのか、いまから楽しみでならない。

ところで、この度のコンサートは、録音と録画を最高レベルで行い、全世界に配信または販売するつもりで準備を進めている。一生に一度の特別な演奏を、我が生きた証として後世に残すのだ。そのためには、優秀な合唱団を組織しなければならない。これはなかなか難問なのであるが、なんとか成し遂げねばならないのだ。

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モーツァルトの葬儀に使われた聖なる鈴の音

2016-05-05 01:33:46 | コーラス、オーケストラ

Vienna Mission final 2

3日ほど前に公開した「モーツァルトの命日にシュテファン大聖堂で歌うレクイエム」映像。

おかげさまで、たいへん大きな反響を頂いております。

すでに「申し込みたい」との気の早い方もいらしたそうですが、まだ正式な要項が完成しておりません。

今月中には、代理店のエムセックさんよりご案内の第1弾が出される予定ですので、今しばらくお待ちください。

全国各地での練習会場もこれから正式に決まって参ります。

まだお約束はできませんが、国内での壮行演奏会もできたらよいな、と考えているところです。

さて、この60秒のプロモーションビデオの冒頭と最後に鳴る鈴の音に気が付かれたでしょうか?

その秘密を、聖シュテファン大聖堂音楽事務所の清水一弘さんが語ってくださっていますので、転載いたします。

これを読んでから、もう一度映像をご覧頂くことで、モーツァルトの永遠の魂に想いを馳せて頂ければ幸いです。


いつもお世話になっております。

今年入社15年目になりますが、シュテファン大聖堂から肖像権を得て
プロモーションビデオ製作したのは、今回が初めてです。
もしよろしかったら、是非ご覧になってみてください。
  
プロセシオン3人目に光を灯す役で私もチラッと映っております。
    
PVの始めと最後に鈴の音が聴こえてきますが、
モーツァルトのご自宅からシュテファン大聖堂まで遺体を運んだ際、
実際に当時の葬儀で使用された実物の鈴です。
  
モーツァルトの命日にシュテファン大聖堂へ
レクイエムを歌いに是非お越し下さい。
  
ご視聴ありがとうございました。

聖シュテファン大聖堂音楽事務所
Kunst und Kultur ohne Grenzen
Area Consultant 
清水一弘拝


合唱団参加への募集要項は、エムセック・インターナショナルまでご請求ください。

旅行日程(予定)

2017年12月1日(金)~12月6日(水)6日間
2017年12月1日(金)~12月8日(金)8日間(その他、延泊等のオプションもご用意)

http://www.mcec-inter.com/concert/index/4

東京都渋谷区渋谷2-8-7 青山宮野ビル2F
TEL:03-3406-1122
FAX:03-3406-1125


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