アナザースカイ エジプト

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乗り合いバス

2011年07月05日 | 旅行

 

 

今日もエジプトは上機嫌。

細胞が活性化してくるような良い天気。

ベランダから見えるピラミッドが「おいで、おいで。」と言っている。

そうだ!「ヤッラ!アハラマート!」(ピラミッドへ行こう)

 

 

                 

 

 

マンションの前の通りで、乗り合いマイクロバスを探す。

何度乗っても、乗り方がわからない。

なぜなら時刻表もなければ、停車場所も行き先もわからない。

ほとんど地元民しか利用しない、この難解な乗り物をこなすには、度胸とコツが必要なようだ。

 

 

                              

 

 

胸のあたりで手で三角形を作れば「ピラミッドへ行きたい」との意思表示。

ピラミッド行きの乗り合いバスが通りかかれば、どこに立っていても止まってくれる。

そしてドライバーに声を掛ければ、どこでも降りることが可能だ。

 

 

                 

 

  

中に乗り込むと、アラビアン-POPがガンガン響いてくる。

私と嫁の隣りは、お洒落で美しいお嬢さん。

元気なドライバーに、アシスタントらしき人、後ろにはコーランを唱えている人もいる。

そのコーランが佳境にさしかかると、A-POPのボリュームを下げるという配慮をみせるドライバー。

 

 

                 

 

 

後ろに座った娘が、私の隣のお嬢さんに知り合いのように声を掛ける。

「三人分の運賃をドライバーに渡して。」と頼んでいる。

乗り合いバスの乗客たちは、みんなで助け合う。

娘も何人かの運賃を集計してドライバーに渡し、各々のおつりを配ることもよくあったらしい。

「外国人の私に頼むって、どういうこと?」と思ったが、コミュニケーションがとれて結構楽しかったとか。

 

 

                              

 

 

料金は50ピアストルから1ギニー。(7円~14円)

娘は日本円で3円ほどのおつりを、きっちり返してもらっていた。

一度おつりが返ってこないので請求したら、

「今、細かいのが無いんだ。でも外国人なのに、そんな少ないおつりが欲しいの?!」

とドライバーに大笑いされたから

「当たり前!お金は大事。」と笑って言い返したとか。

 

 

                              

 

 

沢山のアヒルと同席したり、子どもからお菓子をもらったり、おばさんがみんなに詰めるように命じて、席を作ってもらったり、

仲良くなった人に降りる時ハグされたり、女の子の一団とおしゃべりしたり、見ず知らずの人に運賃を払ってもらったり…。

タハリールの客待ちのドライバー達とも顔見知りになり、何も言わなくても行き先まで連れて行ってくれた。

なかには親切なドライバーがいて、マンションのまん前で降ろしてもらうこともあった。

 

  

   

 

 

乗っていた乗り合いバスが、急に始まった検問から逃げ出し、

ハリウッド映画のカーチェイスのように怖い思いをしたこともあったらしい。

一度、膝に手を置いてきた痴漢らしき男に遭遇。

その手を掴んで「おりろ!」と言ってその男をバスから降ろしたことも。

中の乗客、特に若い女の子達に拍手されたという武勇伝も聞いた。

 

 

                              

                                   

 

庶民の知恵が作り出した、庶民の味方のこのシステムに、娘はずいぶん恩恵を受けた。

苦学生の財布にも優しく、何より地元の人々との心温まるふれあいがあった。

エジプト人の人情の裸の姿があった。

その人情に娘は何度心を慰められただろう。

今日も定員オーバーの乗り合いバスは、A-POPをガンガン響かせながら、

明るく元気にトコトコ走り回っていることだろう。 

 

 

 

 

 

 

 


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