アナザースカイ エジプト

もうひとつの故郷のように感じるエジプト。たびたび訪れるエジプトのフォト旅行記をご覧下さい。

ずっと言いたかった事。そして今でも苦々しく思い出し、また心からの感謝で思い出す事。

2018年11月10日 | 日記

安田さんのニュースを受けて、高遠さん、殺害されてしまった後藤さん、湯川さん、香田さんを思い出す。

「自己責任」の言葉は小泉政権の頃から飛び交い始めたと記憶している。

そして、あの地獄のような日々を救ってくれたのは、日本政府ではなくTwitterのお友達だったことを思い出している。

 

2011年 エジプト革命時、日本政府がやっと手配した実費自己負担のチャーター機はたったの1機。

しかも180人乗り。それでローマまで3往復との事。

エジプト在住の邦人は1000人以上。ルクソールには500人程の観光客が残っていると報道されていた。

どう考えても勘定があわない。

しかもネットが遮断されていて情報は行き渡らず。

外務省は、日本で自力で航空チケットを取れという。

当然エジプトへの便は飛ばず、取れたとしてもネット遮断でどうやってeチケットを送れというのかと抗議した。

しかし、その時一番知りたかったのは、連絡の途絶えた娘の安否だった。

「活発なお嬢様は、ご両親に頻繁に連絡される方だったのでしょうか?公衆電話なら連絡出来るはず」と言われた時は怒髪天をついた!

装甲車が走り回り銃声が聞こえる革命の町で、なぜそんな事が出来る!

私達親子の信頼関係も知らず、よくもそんなことが言えたものだ。

娘の命がかかっている。当然声を荒らげた。

海外で暮らす活発な邦人など、本気で救出する気などなかった。

少なくとも私と話したこの公僕は!

そして日本国とは、こんなものなのかと愕然とした。

 

 

後年「無血革命」「スマート革命」と称されたが、エジプト人の犠牲者は多数。事態はどう推移するかは分からなかった。

娘の身の安全を確保してくださったのは、考古学者河江氏だった。氏は米国古代エジプト調査協会のメンバー。

その考古学者宿舎で安全に 食べる物、眠る場所にも困らず居候で過ごさせて頂いた。

それを無償で許可してくれた米国にも、娘のために宿舎のスペースを空けて頂いた各国考古学者の方々にも、

心から深く感謝申し上げている。

 

何より出エジプトにご尽力頂いた河江氏、金谷氏、バヒトラベル社、貴重なアドバイスを頂いた冨田氏、Twitterの友人のお陰で今の娘がある。

各氏は、もう過去の事と言われるだろう。

しかし私と娘にとっては忘れてはならない事だ。

日本政府が救出しなかった香田さん、後藤さん、湯川さんのご遺族の壮絶な苦しみを思うと。

「自己責任」という言葉で人命を軽んじる事が無くならない限り。

 

 


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