赤峰和彦の 『 日本と国際社会の真相 』

すでに生起して戻ることのできない変化、重大な影響力をもつ変化でありながら一般には認識されていない変化について分析します。

偽証から始まった百条委員会 コラム(208)

2017-03-14 11:21:02 | 政治見解



コラム(208):偽証から始まった百条委員会



都議会の豊洲市場の問題を調査する百条委員会の証人質疑が11日から行われています。


水面下の交渉記録の存在

この日の中心的なテーマは、石原元都知事が主張する「知事就任以前からの既定路線」の真偽と、「東京都と東京ガスとの間で行われた水面下での交渉」についての質疑でした。問題の焦点は後者についてですが、東京ガス側は明確な証拠資料があるにもかかわらず、否定に終始したのです。

都民ファーストの会の音喜多駿氏は、東京ガス側が公式に提出した記録資料「東京都政策報道室赤星理事との折衝内容」をもとに質問しました。

都側の赤星理事が、「この日(土壌Xデー)を迎えれば土壌問題が噴出し、東京ガスが所有する土地の価格が下落する、結論さえ出せば石原知事が安全宣言で救済するから、早急に結論を出すように」と提示した内容のメモです。

このメモを示された東京ガスの伊藤春野元副社長は、「浜渦副知事と面会したが裏約束はない」とし、浜渦副知事と交渉を行った東京ガスの市野紀生元会長は「そんな言葉を使った記憶がない」と証言しました。


東京ガス側から自発的に提出された証拠

この記録の中には、「先週は中曽根元首相が都庁にやってきた」「いま石原・扇(当時建設・運輸大臣)・亀井(自民党政調会長)はバッチリだ」「本日亀井政調会長が都庁を訪問し、東京都の懸案事項への国費投入を約束していった」「国費投入は(亀井静香)政調会長もOK」「都知事もそんなに時間がない」なども記載されています。

そして、記録の末尾には、「脅かしてきた」「これ以上議論をしても無駄」など、強い憤りを感じさせる言葉が残されていました。


偽装行為を露呈させた自民党委員

この記録は、東京ガス側が自発的に提出したダンボール資料の中から音喜多氏が見つけ出した真実の記録です。

しかし、驚くべきことに音喜多氏の質問の最中、自民党委員から「どこから出てきたんだよっ!」という音喜多氏への攻撃的なヤジが浴びせられました。

このヤジによって、百条委員会の設置を提案した自民党有志議員の行動が、単に自己保身のための偽装行為であったことが露呈したのです。


認識力の甘い東京ガス


それではなぜ、東京ガスは自分たちが不利になる記録を提出したのでしょうか。

実は、東京ガスは危機管理が甘いため、しっかりとした点検なしに提出しました。

東京ガスや東京電力の歴史は、つねに国家によって守られてきた独占企業です。自分たちの都合で簡単に料金の値上げを申請し、国はほとんど無条件に認可を繰り返してきたのです。そのため、民間のはずの企業がお役所同然に硬直化した組織となり、誰も責任を取らない体質となってきたのです。危機管理体制の欠如はこうした社内の風潮がもたらしたものです。

さて、東京ガス全体に危機感がないのと同様に、証言に立った二人は証言の重要性を認識していません。本人たちは水面下の交渉を否定すれば逃げ切れると考えていたのですが、現存した記録が公表されたことで、「裏約束は無い」「記憶は無い」と否定した二人の証言には整合性が無く、明らかな偽証であることを物語っています。あきれるほどの幼稚な証言でした。

お二人には、偽証罪の刑罰は「3箇月以上5年以下の禁錮」と定められ、議会の調査が終了する前に自白したときのみ刑罰を免れることが出来ることを申し添えておきたいと思います。


時代は今、「すべてが明らかになる」

東京ガスから提出された記録の数々によって、今まで伏せられていた事実や嘘で封印されていた真実、検証の手が届かなかった事柄などが次々と明るみに出てくると思われます。

また、今と言う時代は、東京ガスに限らず、さまざまな分野において真実が明らかになってきます。

東京ガスは時代に遅れることなく、堂々と真実を明かし、企業としての誇りあるコンプライアンスを示していただきたいと思います。




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