赤峰和彦の 『 日本と国際社会の真相 』

すでに生起して戻ることのできない変化、重大な影響力をもつ変化でありながら一般には認識されていない変化について分析します。

沖縄県民は日中どちらを選ぶのか topics(584)

2022-08-31 12:55:15 | 政治見解



topics(584): 沖縄県民は日中どちらを選ぶのか


現在の情勢

9月11日投開票の沖縄県知事選が始まっています。立候補者は、基地反対派の現職の玉城デニー氏、自民・公明が推薦する前宜野湾市長の佐喜真淳氏という前回と同じ顔ぶれに、前衆院議員の下地幹郎氏が加わり三人の争いの構図となりました。しかし、今回も、玉城氏と佐喜真淳氏の事実上の一騎打ちです。

前回の知事選では、玉城氏が佐喜真氏に8万票差の396,632票(得票率 55.1%)で勝利しましたが、今回は玉城陣営を支えるオール沖縄【※1】は分裂し、今年に入ってからの、名護、南城、石垣、沖縄の各市長選ではオール沖縄は敗北を喫していますので陣営は引き締めにやっきになっているようです。

【※1】オール沖縄は「米軍普天間基地の辺野古移設に反対する保守・革新の共同体」を唱え翁長県政を支えてきたが、翁長氏関連の利権関係者と反基地派の寄り合い所帯であったため、玉城県政下で分裂。沖縄経済を牛耳る「金秀グループ」の呉屋守将会長、「かりゆしグループ」の平良朝敬会長が相次いで離脱している。

玉城陣営の不安は今夏の参議院選の結果にも出ています。基地反対派が当選したものの、自民との差はわずか2888票の大接戦でした【※2】。

【※2】参議院議員選挙結果:伊波洋一(無)274,235票(46.9%)、古謝(こじゃ)玄太(自民)271,347(46.4%)、参政党22,585票(3.9%)、N党11,034票(1.9%)、幸福実現党5,644票(1.0%)。

この分でいけば自民の佐喜真氏が勢いづくところですが、第三の候補者下地氏の乱入によって保守の側も分裂選挙になってしまいました。なぜなら、下地氏は、兄が前沖縄県建設業協会会長で建設業界が支援すると見られるからです。

ちなみに下地氏は自民党から維新に鞍替えした経緯もあり、2014年の知事選では約7万票を集め、昨年の衆院選では沖縄1区(無所属)で約3万票を獲得して、結果的に、オール沖縄の候補当選をアシストする形になっています。

したがって、沖縄の選挙情勢を分析することは至難の業で、開票結果が出るまではだれも予想できない展開になっています。


コロナの制裁下にある沖縄

いま、沖縄はコロナによる制裁下にあります。本来なら、国の安全保障政策に立ち向かう沖縄県知事がいる限り、政府から沖縄県には厳しい措置が取られるのは当然なのですが、沖縄の諸般の事情を繰り返されれば、政府は何も言うことができません。せいぜい、沖縄振興予算を減額するくらいでしかないのです。

その分、政府に代わって沖縄にお仕置きをしているのがコロナウイルスです。沖縄県の唯一の産業である観光業を干上がらせることによって、沖縄全体に経済制裁を科すのと同じ効果を上げています。

この原因は、沖縄県民の反政府感情に対する「自己処罰意識」に起因していると思われ、これが、沖縄のコロナ禍は他県に比べて多く、長引く要因になっていると思います。県民の集団想念から不安や不満感情、反発心などのマイナスの思いを早急に取り除く必要がありそうです。

実際、8月半ばの地元紙を見ると「直近1週間の10万人当たりの新規感染者数は約549人で全国最多が続く。前日時点の全国平均は約78人だった」とあるほど、他県の人間が沖縄に行くことをためらう状況にあります。今後も、知事選で多数の人が密集することからコロナ感染の輪が広がりますので、9月半ばから沖縄のコロナは再び拡大に転ずる恐れがあります。


沖縄県民は日中どちらを選ぶのか

また、沖縄にはもう一つ重大な問題があります。それは、中国が沖縄を自国の領土だと明白に主張しだしたことです。事の発端は中国の軍事演習の際、4発の弾道ミサイルが日本のEEZ(経済的排他水域)に着弾しましたが、日本政府の抗議に対して、中国側は「日本の主張するEEZは認めない」と発言しています。

ただ、この発言には続きがあり、「なぜなら沖縄は中国の領土だから」【※3】とあり、共同通信がその訳を意図的に掲載しなかったとの指摘がなされています。

【※3】「共同通信が中国政府に呼びつけられて、軍人出身の評論家・宋忠平をインタビューした際、その旨の発言があり、共同通信の中国版にそれが書かれている」と台湾の林建良氏が指摘している。

これは大変に大きな問題ですが、この言葉に呼応したのか、玉城氏は自らの自らの支持者が集まる1万人集会で「日本政府から、アメリカから沖縄を取り戻す」と述べました。地元紙が喜んで掲載していますので間違いありません。これで、玉城氏が二期目に入ったら、沖縄をどこの国に組み入れたいのかつい本音を漏らした場面となりました。

これで沖縄の命運は決まりました。玉城氏が再選されれば、住民を巻き込んでの「第二の沖縄戦」を回避させるという名目で、米軍基地を追い出し、物理的な空白地帯をつくり中国を招き入れます。沖縄の中国化のはじまりです。しかし、中国化とは、すなわちウイグル化を意味します。無辜の沖縄県民は人民解放軍に言いがかりをつけられて拘束され、途端の苦しみを味わうことになるでしょう。


沖縄県民におかれては、中国の傀儡であることがはっきりした玉城氏に騙されることなく、正しい選択をするようただただ祈るのみです。


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