赤峰和彦の 『 日本と国際社会の真相 』

すでに生起して戻ることのできない変化、重大な影響力をもつ変化でありながら一般には認識されていない変化について分析します。

人を貶めるための言葉は言論ではない コラム(334)

2020-08-22 12:59:49 | 政治見解



コラム(334):
人を貶めるための言葉は言論ではない


日本人が培ってきた他者への思いやり、調和や協調といった美意識が失われています。

伊藤詩織氏の提訴

性的暴行の被害にあった伊藤詩織氏に中傷ツイートを繰り返した自民党の杉田水脈衆院議員が提訴されました。

伊藤氏にも隙があったとは言え、彼女が暴行事件の被害者であったことは間違いありません。

提訴された杉田氏は、政治的立場が異なる被害者に攻撃を加えることで、加害者の男性ジャーナリストを擁護しようとしていました。杉田氏は従来からきちんとした政治理念や国家観に基づく政治家とは言えず、反対勢力に対する中傷発言を繰り返すことの多い人物でした。

当ブログでは過去にこの問題を「セクハラ被害者を攻撃する風潮」として取り上げたことがありますが、掲載直後からコメント欄に自民党サポーターズクラブ(J-NSC)から「安倍政権を叩くネタを探す目的で彼女の方からコンタクトをとって取材を申し込んでいるのでレイプではありません」など、事件の本質を政治的な問題にすり替える意見が寄せられていました。

杉田氏をはじめとして自民党サポーターズクラブの面々が被害者に対し誹謗中傷を続けるのは、なりふり構わず自分たちの利益を守ろうとしているからです。しかし、彼らは結果的に自民党を支持している人たちを遠ざけていることに気づいていないのです。


言葉の暴力に加担してはならない

言葉の暴力はSNSの普及に伴い増加しています。SNSの匿名性に乗じて自分の憂さを晴らそうとする人たちがいるからです。そのため今後もこのような訴訟案件が増えることになりそうです。

彼らが他者への誹謗中傷を繰り返す理由は、相手を貶めることによって自分を相対的に浮上させようとする心理があるからです。他人を攻撃し貶めることで自分の優位性を示すことができると思い込んでいます。つまり、動機の部分に自分の劣等感が潜んでいるのです。

また、彼らの誹謗中傷記事や言葉の数々に何も考えず付和雷同する人々は、彼らと同様の精神構造であるだけでなく、彼らの行為に加担していることを理解すべきです。


美しい言葉で世界を変えよう

戦争行為などの物理的な暴力だけでなく言葉の暴力は世界を破壊します。

裏を返せば、相手を理解し尊重する言葉を発すれば世界は変わるということを物語っています。どちらにせよ言葉を発するという行為が「世界を動かす」ということを認識しなければならないということでもあるのです。

古くから日本人には言霊(ことだま)を大切にするという考え方がありました。「良い言葉を発すれば良いことが起こり、言葉には発した通りの結果を現す力がある」とされていました。

言葉の暴力を発することで自らの心の中にも破壊的な思いが蓄積されてしまうことも事実なのです。

言葉の問題に着目すると、いま人類が直面している飢え、貧困、犯罪や腐敗、政治的混乱などは、互いを非難する言葉から始まっていることがわかります。

実は、人々の内心の思いや信念に「愛」「共感」「優しさ」という人間本来の価値観を置くことで言葉の質が変わります。この事実に多くの人が気づくことこそが大切です。

私自身も美しい日本語を駆使して新しい時代を切り開く努力をしていきたいと願っています。




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