赤峰和彦の 『 日本と国際社会の真相 』

すでに生起して戻ることのできない変化、重大な影響力をもつ変化でありながら一般には認識されていない変化について分析します。

総選挙はメディアの想定と違う結果になる!?

2024-10-11 00:00:00 | 政治見解
総選挙はメディアの想定と違う結果になる!?



10月9日、衆議院が解散されました。石破首相は「今の政権を信任してもらうために、正々堂々、誠心誠意、選挙に臨みたい」と語っていますが、立憲民主党の野田代表は、自民党の裏金を問題視して「臭いものにフタ解散だ」と述べています。

ロイターなどのメディアでも、「岸田文雄前首相が退任するきっかけとなった派閥の裏金問題を巡る自民党の対応に、有権者がどのような判断を下すかが最大の焦点となる」と報道していますが、総選挙のテーマとしては矮小化されていないのだろうかと思います。


メディアがつくった「政治と金」という矮小化されたテーマ

そもそも、政治と金、裏金問題に対して国民は腹の底から激怒しているのかという疑問があります。筆者には、メディアがワアワアと騒ぐから、テレビばかり見ている人が追随しているだけに見えて、テレビ報道を真に受けない若い世代はどう判断するのか、極めて興味深いものがあります。

はっきり言って、これまでの日本の政治はメディアの意見に左右された高齢者の動向で動いてきました。かつての非自民・非共産8党派の連立政権である細川政権も、媚中親韓で日本を奈落の底に落とした民主党政権もメディアが作り上げた政権です。

事実、細川政権は。リクルート事件などの汚職スキャンダルで、また民主党政権は、年金問題や政治とカネの問題で、それぞれ連日のメディアによる強烈なバッシングによってつくられました。テレビをつければ、自民党のスキャンダルばかりですから、情報に流されやすい団塊の世代以上の年齢の人は、これを真に受けて非自民政権の樹立に一役買いました。

しかし、非自民政権の現実の振る舞いを見てキャンペーンから目覚めると非自民政権を見捨てています。団塊の世代以上の人は、情報という名の情緒に流されすぎなのです。

実際、日本テレビのニュース番組をみても、毎日芸能人の偉そうなコメントを聞かなければなりませんが、こうしたコメントはテレビ局側が用意したものであることはすぐにわかります。彼らはセリフを暗記するのが得意ですので、「いかにも」という発言をするのですが、あまりにもできすぎで、そこまでして世論誘導したいのかと思ってしまします。

この点から考えると、団塊の世代以上の人は、これからもメディアの誘導に、TV以外に情報源がない人は、振り回されるでしょう。事実、国民の人口の三分の一はいますから、メディアの情緒報道に振り回されるとはおもいますが、ただ、みんな後期高齢者以上になっており、かつての投票行動を左右する力には期待できないと思います。

現場を見ればわかるのですが、業界や団体の利益のために自民党員になっている人を除いて、個人の資格で入っている自民党員は超高齢です。共産党や創価学会を見てごらんなさい、熱心な活動家は80歳以上と見て間違いないでしょう。この人たちに、選挙のウエーブを作る力はもはやありません。これが、最近のあらゆる選挙の情勢を読めなくなってしまった原因です。

したがって、メディアが政治と金の問題を取り上げても、どこまで有効なのかはだれにもわかりません。TV等の情緒情報に左右されない団塊の世代以降の人の動向が何よりも大切になると思います。


「政治と金」20億円を着服した小沢一郎氏の「金言」

立民の選対本部長代行の小沢氏は、20億円超の不記載で訴追された陸山会の代表者。



小沢一郎氏の政治資金管理団体の睦山会は、例年のごとく政治資金規正法に基づく報告義務の不履行や資金の不透明な流れが指摘されていました。特に、土地購入に関連する資金の流れや、献金の出所に関する疑惑が取り沙汰されていましたが、2009年に、西松建設からの違法献金をめぐる問題が浮上し、小沢氏の秘書が逮捕される事態を引き起こし、本人も検察審査会から「20億円超の不記載で」強制起訴されています。

そんな、「裏金議員」の先駆者ともいえる小沢氏が、こんな「金言」を述べています。(朝日新聞)

小沢:(自民党が「裏金議員」の比例重複立候補を認めないことについて)なおさら自民党は頑張るわな。それが強いんだよ。日本人はそういうのに弱い。人間関係、情緒的な関係で投票する。だから情緒に訴えて一生懸命やった方が、日本では強い。

自民党はスキャンダルで選挙やって負けたことはない。マスコミが何を書こうが、誰が何を言おうが、一生懸命だからスキャンダルの時はたいがい勝っている。

(立憲が呼びかける野党各党の候補者一本化は)明日(9日)解散だもの。魔法使いでもない限り、難しいんじゃないか。しょうがない。解散してからなんて、できっこない。(野田佳彦代表の新執行部発足から)2週間あったんだから、その間にできるだけのことをやらなくちゃいけなかったんだ。(記者団の取材に)



ただ、小沢氏は1日のX(旧ツイッター)で、を更新。裏金議員について警鐘を鳴らしてもいます。
・「裏金議員、ダメ。ゼッタイ」と書き出した上で「これこそ今回の解散総選挙の最大のテーマになる」と投げかけた。
・この国の行く末を議論する前に、まず、故意に法を犯し脱税してきた自民党裏金議員を、国会の場から追放することが不可欠。もはや彼らには法律も政策も語る資格は無い。


とも述べています。上が本音、下が建前であることは間違いなく、下のX発言をみて「あんたには言われたくない」と思う人も多いことでしょう。


傲慢なメディアの終わりの始まり

自民党総裁選の時に、メディア(及びそれを裏で支配するなにものか)が、自民党総裁選における重要テーマを矮小化させていると筆者が思うことがありました。当初は、この国をどうするかということで、 経済政策、 社会保障と人口問題、外交・安全保障、憲法改正、などの国家の根幹にかかわる政策論争が行われるべきだったのです。

しかし、いつの間にかメディア誘導の討論では、政策活動費の廃止、選択的夫婦別姓の導入、防衛増税の停止、解雇規制の緩和、保険証廃止計画の見直し、などメディアが気にする(利害関係がある)個別の話にすりかえられて、国家の大局についての論議はされませんでした。その過程で、最も国家観のない石破氏が総裁にえらばれたのは当然の帰結かもしれません。

かつて、安倍元総理は、民主党からの政権奪還のスタートともなった2012年の自民党総裁選の出陣式で「この戦いはまさに日本を取り戻す戦いであります」と宣言し、同年の総選挙では「日本を取り戻す」をスローガンに掲げ、復興、経済再生、教育再生、外交再生、暮らしの再生の5つのテーマを訴え、圧勝しました。

これを見ればお分かりの様に、大きな理想を掲げなければ選挙には勝てません。したがって、今選挙における立憲民主党の『裏金・脱税を許さない』、 公明党の『令和の政治改革』などは論外としか言いようがないのですが、彼らを操縦するメディアの意向なのですからしょうがないともいえます。

ものの見方として以下のことを教えられたことがあります。

メディアが一斉に同じスキャンダルを流したら、その影に隠れた同時期の政策をチェック
スキャンダル報道で得するプレイヤーをチェック
報道「されない」ことで得する人々をチェック


今回の総選挙で誰が得をするのか、こんな情報があります。
「岸田さん,石破内閣は短命だからスグ俺が再登板だぁなんて側近に言ってるそうです(゚Д゚)」

総選挙がどういう結果になるのか自民党総裁選の時の様に予測はつきません。

しかし、言えることは、TV情報のみを信ずる団塊の世代以上の高齢者にはもはや世論を動かす力がないことからメディアの思惑通りにはならないことは確かで、今回の総選挙で一番笑った人が、最大の利益を受けることになります。

それが誰なのか、岸田前首相という噂もありますが、現時点では私にもわかりません。結末から判断するほかはなさそうです。
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