赤峰和彦の 『 日本と国際社会の真相 』

すでに生起して戻ることのできない変化、重大な影響力をもつ変化でありながら一般には認識されていない変化について分析します。

自民党総裁選に思う コラム(364)

2021-09-01 07:49:55 | 政治見解



コラム(364):自民党総裁選に思う


9月29日の自民党総裁選に関心が寄せられていますが、メディア、自民党員、国民の間でそれぞれが違うとらえ方をしています。


自民党総裁選の真実

メディアは連日のように党内のきしみを書き立て、政変に発展することを待ち望んでいます。これを真に受けて菅総裁の再任は無理と感じている国民も大勢います。

自分の選挙のことしか考えていない国会議員も同様です。周囲の動向を見回し、誰につけば得かということばかり考えています。

党内で菅降ろしに積極的に動いているのは既得権益を守りぬこうとする議員です。彼らは数の力を背景に圧力をかけて利益を奪い取ることが政治であると思い込んでいます。彼らが菅総裁を引きずり降ろそうとしている理由は、菅総裁が彼らの利権活動を許さなかったからです。

また、党内に安倍前総裁の再任を望む声が上がるのも、安倍氏が彼らの利権活動を黙認していたことによるもので、安倍氏の外交政策や経済政策とは一切関係ありません。あくまでも利害損得の問題なのです。

これが自民党内の利権派議員が菅降ろしをする本当の理由です。裏返せば、菅氏ほど清廉潔白な人は存在せず、自民党では稀有な存在といえるわけです。

一方、国民は、コロナ対策をはじめ安全保障政策や経済政策が自分たちの未来に直結すると捉えているため、総裁選の行方を固唾を飲んで見ています。


首相は国民投票で選ぶ時代に

自民党総裁=首相の在り方を変えるべき時期にきているのではないかと思えてなりません。現在はIT技術が発達し国民投票も簡単にできます。古い制度にこだわらず、国民を政治の暗闇から解放しなければならないと思います。

多くの国会議員たちは、国民が頼んでもいないことを勝手に行うだけでなく、利権に群がり政治を腐敗させてきました。これが国民の政治不信を招き、前回の衆院選の投票率は54%を切っています。国民の半分が投票しないというのは異常事態です。

前回の総選挙、小選挙区で自民党は得票率が49.32%で、289議席中78%の226議席を獲得しました。この数字を見ると、投票の5割以上が死に票となっていることがわかります。

つまり、国民の半分しか投票せず、しかも投票数の過半数も取れない政党から首相が指名される現実があります。今の政治が、いかに民意と乖離しているかがよくわかります。これを打開するには、間接民主主義を排し、直接民主主義に移行するほかはありません。

その手始めが首相公選制の導入だと思います。「首相は国民投票で選出する」となれば、国民の政治参画の意欲が高まり、国家の行く末を自分の問題として捉ええることができると思います。天皇「制」との兼ね合いは、「天皇元首」を徹底すれば問題は生じません。また、公選された首相は、従来の首相よりも立場が強く、政党などの圧力団体に屈することなく、官僚に対して強力な指導が可能です。

直接民主主義を突き詰めていけば、政党も不要になることも想像に難くありません。新しい価値観のもとに新しい政治システムを導入することで、政治の世界を一変させることは確実です。

再任される菅首相におかれては、勇気を奮い過去の政治的遺物を廃棄し、明日の日本と国民の未来のビジョンを示していただきたいと思います。その上で、国民が直接政治に参画できるシステムづくりである首相公選制に取り組んでほしいと願っております。



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