何とも優美で心休まるハイドンだ。
全部で108曲もある彼の交響曲には、「時計」、「軍隊」、「驚愕」など、ニックネームを持つ曲が少なくない。中には「めんどり」とか「熊」などもある。
そんな中にあって、第85番は「王妃」と呼ばれている。
聴いてみると、確かに高貴な王妃をイメージさせる凛とした美しさだ。しかも、これを演奏しているのはコレギウム・アウレウム(黄金楽団)だ。
このドイツの合奏団は、60年代、バロックから初期のロマン派まで、作曲された時代にふさわしい演奏を目的として結成された。当初は、録音のためにだけ演奏していたが、好評を得て世界各地で演奏したという。その優美な響きは、今、聴いても新鮮だ。