心にうつりゆくよしなしごと / 小嶋基弘建築アトリエ

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Let's enjoy 構造計算③  (^-^)v

2006年03月12日 | うんちく・小ネタ

後厄のたたり? 風邪をひいて治ってはまた風邪をひき…(x_x;)  私は今、仕事と子育てと親の介護でちょいとダウン気味です。毎朝、タウリン3000mg・植物性生薬2種類配合の医薬品栄養補給ドリンク剤を飲んで、パパはがんばってますよ~p(^-^)q  大変だけれど、私はちゃんと子育てをするのだ。あ~、仕事だけしてた方が、どんなにラクなことか。育児休暇も当然ない恵まれない労働環境でも、必死に身体にムチ打って、馬車馬以上に働き、子供の未来の為に真剣に育児している同士よ、俺もがんばってる、君もがんばれ!それにしても、おかあさんの偉大なこと!尊敬m(_ _)mしますね。 我が家でも妻は凄いっす。それに比べれば、男はへなへなですね~

ということで、今回はLet's enjoy 構造計算シリーズの③   細かいことは抜きにして、目次に沿ってさーっといきましょう。

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1.一般事項 計算の前提条件の提示です。1.3では使用材料および許容応力度表を提示します。設計者なら、たとえ木造であっても、建築基準法施行令(”施工令”ではないよ)第8節ぐらいは”知ってる”でしょ、と言いたいところなのですが、建築士試験で構造と法規何点で合格だったの?と訊きたくなる方が現実には多数いらっしゃいます。ヽ(^^ ) 私は意匠および大工系なのですが、構造25点満点中21点、法規は同22点でしたけど。みなさんしっかり設計しましょうね。

1.4.で仮定荷重、1.4.1で固定荷重、1.4.2で設計荷重、1.4.3で積雪荷重、1.4.4で速度圧の計算、1.4.5で地震力をそれぞれ提示します。そして1.5で略伏図(根太等の2次部材を省略した柱と梁だけの構造図のこと)を提示します。木造とS造(鉄骨造)・RC造(鉄筋コンクリート造)・SRC造(鉄骨鉄筋コンクリート造)とでは構造計画から根本が異なりますが、今一連の耐震強度偽装問題で数値を偽装したのは、多分ここでしょうね。設計には基本設計と実施設計がありますが、相当に力量のある設計士でなければ正確な実施設計が出来ませんから、偽装を見抜けるには大変な知識量が必要だと思います。ちなみに私は偽装していませんよ~ (^-^)v

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2.で耐力壁の設計をします。現在の木造軸組み構法では、最も大切な構造設計です。2.1で耐力壁の配置と有効壁長Ldと許容耐力Piの算定、2.2で建築基準法施行令第46条に定める壁量の算定を行います。2000年の法改正で性能規定が盛り込まれ、耐力壁の配置バランスの規定が数値化されて、それまでの『釣合い良く』という語から、偏心率が0.3以下というものに変更されました。ただ、法改正後も木造では間取りを1/4ずつに区切って配置計算を行える、仕様規定的簡易計算が大多数を占めているのが実情です。偏心率計算を行った方がより間取りの自由度が大きいので、お勧めです。(ただし構造計算費用分、コストアップしますけど)

2.3.1で地震力、2.3.2で風圧力の算定をそれぞれ行い、耐力壁量が法令以上であるかを提示します。ここでは地震力で1階X方向が法令の1.29倍、Y方向が同1.31倍、風圧力で1階X方向が同2.28倍、Y方向が同2.51倍の耐力壁量を設計しています。品確法を考慮した場合、出来れば地震力で1.5倍以上は欲しいところです。

私は伝統構法の構造計算が行える限界耐力計算法による計算方法を知りませんが、伝統構法では間違いなく構造接合部(木組み)を評価するのでしょうから、伝統構法+耐力壁の組み合わせが木造では最も高性能な耐震性能が得られる構法といえるのではないでしょうか。

つづく


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