岩木山を考える会 事務局日誌 

事務局長三浦章男の事務局日誌やイベントの案内、意見・記録の投稿

ハコベ咲く「本物の春の朝」だった。ほっとした。

2007-04-12 05:28:47 | Weblog
 昨日の朝は、本物の春の朝だった。そして日中も日差しが二時間おきぐらいに続いていた。
暦の上では「春」なのだから、偽物も本物もないのだが、ここで言う「本物の春」の朝とは「明け方にお湿り程度の降雨」があり、しっとりと地面を濡らし、植物たちにその日一日の潤いを与え、それを受けた植物たちがきらきらと輝いている朝である。だが、そのお湿りもアスファルト舗道では瞬く間に乾いてしまった。

 言わずと知れた春の七草の一つ。ナデシコ科ハコベ属の多年草、繁縷(ハコベ)が今真っ盛りだ。その白くて、六、七ミリの小さな花が重そうに雨のしずくをまとっていた。朝日をあびて、しずくはきらきらと透明な輝きを放っている。
 ハコベの学名である、Stellaria(ステラリア)は、ラテン語の「stella(星)」が語源である。花の形が星形をしていることからのようだが、しずくをまとったハコベの透明な輝きは、明けの明星にも紛うものだった。
 語源を星のしずくと転じてもいいなあと思ったりした。
 ハコベの花びらは、一見十枚のように見える。ところが、これは花びらの先端中央部から、まるで白ウサギの二本の耳のように深く切れ込んでいるためである。本当の花びら数は五枚である。
山野や路傍に自生して、背丈は十五~二十センチで下部は地に臥している。葉は広い卵形で柔らかい。「柔らかな葉に抱かれて繁縷咲く」という俳句もあるくらいだ。
 タンパク質やビタミンB、Cなどに富んでいるので、昔は食用にしていた。また、利尿剤にしたり、これを炒った粉に塩を混ぜて、歯磨き粉としても用いたといわれている。
 また、正岡子規の「カナリヤの餌に束ねたはこべかな」という俳句は、ハコベが鳥の餌になっていたことを教えてくれる。
 
 昔の人は現代の人よりも何倍も自然からの恵みを得ていた。現代人は文明の恩恵は受けても、自然の恩恵を受けているという実感を持たない。
 文明は人間を自然から隔絶する方向で「進歩」してきた。これを逆の方向から観ると「人間の持つ自然的な要素と自然との関わり」においては明らかに「退歩」していることであろう。
 これだと、自然に対する感謝と畏敬の念が、ますます薄れていくことは当たり前といえば当たり前な話しである。

 ハコベという名前の由来は、茎がよくはびこり、種が落ちると、その年のうちに芽が出て繁茂することから「はびこりめむら(蔓延芽叢)」と呼ばれたが、それが変化して「はこべら」になったという説がある。別名には、朝日が当たると花が開くことから「朝開け」。それが変化しての「朝しらげ」(日出草とも書く)もある。 
 名前の由来を調べてみると、昔の人たちの「自然との濃密な関係」や「畏敬の念」がよく分かるのである。 

 明後日、14日は「岩木山を考える会」2007年度の総会です。
15時から、桜大通り参画センター3階中会議室で開かれます。多数参加して下さることをお願いいたします。
 議案は2月上旬に発送した会報で、すでに提案済みです。

 事務局や幹事会だけでは気がつかないことが、たくさんあるはずですから、議案に対する皆さんの意見を討議の中で発表してほしいと思います。
 また、一~二のマスコミから「取材に行ってみようかな」というコメントもありました。取材は自由なのでどうぞお出で下さい。

 なお、総会後、懇親会を計画しています。10日を参加申し込み締め切りとしてありましたが、忘れていた人、まだの人は当日、会場に来たらすぐに事務局長に「参加する」と申し込んで下されば、間に合うはずです。