妄想による愉快な国際時事ネタ解釈
四生の盲者日記
そもそもフェアプレイは理解されない
中国製品について、20日官邸で官民の対策会議が開かれた。
産経の報道による限り、政府が中国政府に申し入れながら、民間は危険な製品が入ってこないよう警戒を続ける、という多分に受身な会合だったように見える。
・政府、中国に協議申し入れへ 中国製品の安全性で(和文、産経)
http://www.sankei.co.jp/seiji/seisaku/070720/ssk070720004.htm
ところが日経を見ると、一歩も二歩も踏み込んで、問題が派生しないよう中国に支援をおこなう、とまで書いている
・中国製品、安全確保へ技術支援・政府検討(和文、日経)
http://www.nikkei.co.jp/china/news/20070720d3s2001w20.html
政府と関係業界団体は20日、首相官邸で「輸入品の安全確保に関する緊急官民合同会議」を開き安全確保策を協議した。対策は(1)中国などとの情報交換・連携(2)予防措置(3)問題発生後の措置――が軸になる。
外国政府との連携では、中国政府との実務者協議を開催。予防措置としては情報提供の強化に加え、安全確保に関する技術面での支援を検討している。問題のある製品に関し日中共同で生産、流通、輸出などの現場を調査。原因を突き止め改善に必要な技術などを中国側に提供する仕組み。
日経はあからさまに中国にこびる傾向があるのでこの記事の信憑性が不明なのだが、もし本当にその動きがあるのだとしたら。製造業にとって、問題が発生した場合の原因解析から再発防止までのプロセスは各社のノウハウの塊、コンサルティングとして一つの市場が成立する分野であり、それを「提供」するというのはいたれりつくせりといってよい。
スーパーから買ってきた商品が悪くなっていたらどうするだろうか、日本の消費者なら最低でも代金を回収しスーパーの対応が悪ければそこは利用しないだろう。知恵のついた(左翼系の消費団体に多いようだが)消費者なら、「消費者運動」を盛り上げ、損害賠償をとろうとするだろう。資本主義社会の消費者としては、それが正しいありかたであり、まちがってもスーパーに手弁当で要因分析から対策まで教えてやる奇特な人はいない。
ましてや、連日質総局の局長が「中国製品の安全」を声だかに叫んでいる現状でそんなものを提供したところで、ノウハウ(とおそらく資金)だけを盗まれ感謝されるどころか次回も同じ事をやられるのは明らかである。
先日書いたように、今回の中国製品に関する騒動がどこかの広報活動を発端とするのであれば、ここで敵に塩を送る、手を緩める意味はまったくない。
「水に落ちた犬をこそ打つべき」と書いたのは魯迅だった。昔読んだ時にはかすかな反発を覚えたものだが、ここ十数年の日中間のやりとりをみていると、彼等に対しては、譲歩する、恩を売る、という感覚が全く通用しないのがはっきりとわかる。
今は政府は消費者の権利を守るように、普通にやるべきことをやっていればいい。
打つのはマスコミがやる。それにしても「溺れかけている犬を滅多打ちにするのが大好きな」消費者団体が、中国製品に関してはおとなしいのはそういうことなのだろう。