筆者が新華網他、を見ていて感じた彼等の歴史認識を書いてみる。
「アジア的平和の中にいた『中国』は、西洋化した日本に日清戦争で侵略され、日露戦争で侵略され、第一次大戦で侵略され、満州事変で侵略され、日中戦争で侵略され、台湾をとられ、朝鮮をとられ、満州をとられ、ながらも八路軍の抗日闘争で第二次世界大戦は終結した。」
というもの。日本であれ中国であれ、おおよそ口にしたら常識を疑われる内容であるので、決して日中間で歴史認識が一致することはない、と筆者は断言する。
日本の対応が変わって、中国も表向きなりを潜めた格好の歴史問題ではあるが、ここにきて日米関係に歴史問題を絡める動きが出てきている。
・論評:日米共通価値観深層での解離(中文、国際先駆導報)
http://news.xinhuanet.com/world/2007-07/10/content_6353259.htm
・日米関係、歴史のキズ(中文、新華網)
http://news.xinhuanet.com/world/2007-07/11/content_6358965.htm
米下院の慰安婦可決、前防衛相の原爆発言が日米間の歴史認識問題であり。歴史問題が原因となって日米同盟すらあやしくなる、とする記事。
「こうあらねばならない」と自分が思い込んでいるとおりに他人が思っていない、という子供じみた理屈を安全保障上の理由にしてくる国を、筆者は寡聞にして数カ国しか知らない。
筆者の知る中国人の中に、中共のプロパガンダをここまで素直に信じている人間は一人もいないのだが、どこをどう押すと、なんの目的でこのような幼稚な願望記事が出てくるのだろう?
漠然と考えられるのが、米下院外交委員会に対するロビー工作を、とにかく成功したものにしなければならない事情があるのかもしれない。
別件:パキスタンテロリストキャンプ制圧の件
・宗教施設内に大量の武器 パキスタン立てこもり事件(和文、朝日)
http://www.asahi.com/international/update/0712/TKY200707120450.html
「本格的な武装の様子が明らかになるにつれ、ここまで過激化するのを放置した政府の責任が改めて問われている。多数の死傷者を出した制圧作戦を正当化するため、「人質」の数などを意図的に多く伝えて危機感をあおった疑いも浮上している。」
この短い文章でこれだけ論旨が矛盾できるのもこの新聞ならでは。テロリストを放置するのと制圧するのとでは180度逆の対応なのだが、この記事を書いた人間とこの記事を通した人間はわからなかったらしい。
責任をどうのこうの書いているが、事実関係だけを抜き出せばパキスタン政府は「わざわざ学生が過激化するのを待ち、それでも制圧するには不足だと考え情報を操作して危機感をあおらなければならない」無能そろいになってしまう。
といか、昨日の社説で慎重論をとなえたばかりの新聞社が、「過激化を放置」などというのに薄く笑った。