時々新聞社

慌ただしい日々の合い間を縫って、感じたことを時々報告したいと思います

人口減少

2006年11月02日 | 社会問題
もう過去の話題かもしれないが、日本の人口が昨年あたりから確実に減少に転じたようだ。
先日の新聞報道によると、現在の人口は、約1億2776万人で、この1年間で2万2000人減少したという。
政府からは、少子高齢化になれば、年金や健康保険などの社会保障に支障が出るといった議論が急に出始めたが、こういうことは今までの統計からも十分にわかっていたはずであり、今更驚くことではない。今後の国民負担や給付については、一層の議論が必要であるが、解決の方向は明確であろう。経済的に困窮している人たちがいるのなら、経済的に十分な余裕のある豊かな人たちから回せばよい。これが基本だ。いずれにせよ、高齢者だけでなく、収入がなく、健康上の問題を抱えた人たちにも憲法で保障された最低限度の文化的な暮らしが送れる仕組みを作って欲しいと願っている。
また、人口減少によって経済の活力が失われるというが、日本という国は、今後も世界の国々の中で、経済的に上位を占め続けなければならないのだろうか?誰がそんなことを決めたのだろう。
日本が本当に経済大国というのなら、国民一人一人ももう少し豊かな暮らしができそうに思うが、いかがだろうか?
経済大国ではなくとも、独自の技術や産物、文化を持ち、豊かに暮らしている国は世界にたくさんある。私たち自身の暮らしを振り返って、本当に日本という国は住みやすくて、素晴らしい国だと胸を張って言える人は、果たしてどのくらいいるのだろう。この機会に、日本が今までどおりに経済大国としての道を歩むのか、それとも別の道を模索するのか、将来どういう方向に進むのが望ましいのか、国民の中で大いに議論してみてはどうだろう。
明治維新の時点での日本の人口は、約3500万人といわれている。その後の140年間で、4倍に膨れ上がったわけである。機械化が進んでいる現在、現状の経済活動を維持するのに、果たしてこれほどの人口が必要なのであろうか。
また、人口減少が確実とはいうものの、年間に何百万人も減少するわけではない。全体から見ればごくわずかの数字である。景気が回復しつつあるとはいっても、日本の失業率は未だに4%台である。少し、人口が減ったほうが失業率も改善するのではなかろうか。また、統計上は表に出ない失業者がいることも考えれば、もっと人口が減っても大丈夫である。また、高齢化が進行すればそれに伴う新しいビジネスも生まれてくることだろう。
人口減少に備えて、どんどん移民を受け入れなければならないという議論もある。しかし、そんなことをわざわざ政策として掲げなくても、在日外国人労働者は確実に増えている。日本が素晴らしい国だと思えば外国人はどんどんやってくるし、どうしようもない国だと思えば日本人もどんどんと外国に出て行くであろう。
このように考えてくると、人口減少はそれほど大きな問題にはならないと思われる。にもかかわらず、政府によって人口減少と相まって「少子高齢化」問題が喧伝されるウラには、そのための増税や各種の負担増を合理化するための思惑、魂胆があることを見逃してはならない。
人口減少とそれによる少子高齢化は確かに大きな問題には違いないが、その変化は緩徐であり、人間の知恵を持ってすれば、乗り越えられない問題ではないと思われる。


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