時々新聞社

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ストレスが原因の精神疾患で労災認定、3年連続で過去最悪更新

2009年06月09日 | 社会問題
仕事上のストレスが原因で精神疾患になり、2008年度に労災認定を受けた人が269人(2007年度比1人増)と3年連続で過去最悪を更新したことが、厚生労働省のまとめで分かった。20、30代を中心に高い水準が続いており、半数以上を占めた。また、過労自殺の労災認定は66人、過労による脳・心疾患は377人(うち死亡313人)で前年度からそれぞれ15人減ったが、高水準で推移しているという
厚労省によると、精神疾患の申請は927人(前年度比25人減)。2008年度に労災かどうか決定した862人(前年度以前の申請を含む)のうち労災支給決定(労災認定)は269人で、認定率は31.2%(前年度比1.8ポイント減)だった。
年代別では、30代(74人)、20代(70人)、40代(69人)の順で若年層の認定が目立った。特に20代は申請、認定とも前年度を上回り、若年層がストレスにさらされている実態が浮かんだ。業種別では製造業が50人、卸売・小売業(48人)、その他(43人)と続いている。また、過労自殺で労災認定されたのは50代が24人で最多、次いで40代(15人)、30代(11人)、20代(10人)だった。
一方、過労による脳出血や心筋梗塞(こうそく)などの労災申請数は889人(前年度比42人減)で2年連続で減少したが、認定された人の残業時間は、月80~100時間未満が最多の131人、次いで100~120時間未満が103人、120~140時間未満が49人だった。100時間以上が前年度より増加しており、長時間労働が是正されていない実態が分かった。
相変わらず、とんでもない長時間労働である。
一方で、非正規雇用者を切り捨てながら、他方では、正社員(かどうかはわからないが、)には長時間労働を強いるという構図である。
しかも、退職に追い込まれたまま、労災を申請していない例もあるだろうし、この記事を見ても、労災申請が認められているのは約30%である。
要するに、氷山の一角ということだ。
こういう働かせ方をしている企業の姿勢は問題である。また、それを放置している政治の責任も重大だ。労働基準法をきちんと守らせるだけで、労災を抑止する効果は相当あるだろう。厚生労働省も、こういう統計結果を報告し、問題を認識しているのであれば、直ちに、指導を強化し、このような悲劇が生まれないようにすべきであろう。

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