時々新聞社

慌ただしい日々の合い間を縫って、感じたことを時々報告したいと思います

アメリカで金融機関に税金投入?

2008年10月10日 | 経済問題
アメリカで、個別金融機関への公的資金(税金)の投入計画が進んでいる。
日本時間で今夜にもブッシュ大統領が演説を行うということだが、どうも内容は、個別金融機関への税金投入の話らしい。(あるいは、もっとショッキングな証券取引所の一時閉鎖などかもしれないが。)
日本でのバブル崩壊後に、日本政府が行ったことと同じことを、今度はアメリカが追随しようとしている。
愚かというほかはないが、金融危機を鎮めて、資本主義体制を維持しようと思えば、これしか思いつかないのが、ブッシュ政権のレベルであろう。
投機家、投機機関が散々食い散らかして招いた金融危機に対して、結局は国民の税金を投入して、尻拭いをしようというのだから、国民にとっては踏んだり蹴ったりであることは間違いない。
日本も、バブル崩壊後の「失われた10年」の間に、ゼロ金利政策によって、利息収入は激減する一方で、銀行は経営を持ち直した。企業は、景気後退を理由に、大規模なリストラや賃金抑制、正規雇用者の非正規雇用への置き換えなどによって、収益を確保してきた。
これと同じことが、アメリカで、そしてヨーロッパ諸国でも繰り返されようとしている。
とは言っても、これが資本主義社会の常識である。
市場に任せっ放しにしておくたびに、深刻な不況や恐慌を招いてきた。そして、その都度、国民を犠牲にしながら、金融、経済を立て直してきたのが資本主義諸国の政府であった。
しかし、いつまでこのようなことが続けられるだろう。
アメリカでもヨーロッパでも、多くの国民の反発を買うことは目に見えている。
国民に尻拭いをさせるのではなく、投機によって大もうけをした投機家、投機機関に責任を負わせよというきわめて当たり前の声が巻き起こってくるだろう。それは、やがては社会体制そのものへの批判にもつながるに違いない。