goo blog サービス終了のお知らせ 

お気楽ビジネス・モード

ビジネスライフを楽しくする知恵や方法を紹介する

日経デジタルマーケティング『最新マーケティングの教科書』日経BPムック

2015-01-14 23:39:32 | マーケティング
最新マーケティングのキーワードで、LINE、アトリビューション、ウェラブルデバイス、ショールーミング、データサイエンティスト、ビッグデータ、ソーシャルリスニング、フラットデザインなどが解説されている。
最新マーケティングは、ソーシャルメディアやビッグデータ、ウェラブルのテクノロジーなどがトレンドのようだ。
サイバーネットワークが発展する一方で、アンバサダーでの口コミやショールーミングのリアルとの融合などの試みもある。
ピンクのクラウンのトヨタ、パルコのLINE活用大丸松坂屋のさくらパンダのキャラクターマーケティングなど成功例も面白い。
口コミで広がる価値のある商品、ソーシャルメディアで特定の層への拡散、ビッグデータ活用によるマーケティング調査の精度向上などが最新マーケティングの成功のカギのようだ。

山口 智司『革命家100の言葉』彩図社

2015-01-12 22:18:45 | 教養・時事

3年前にコンビニで売っていたので思わず買った本。
ラインナップがなかなかおもしろい。
キング牧師、板垣退助、チェ・ゲバラ、吉田松陰などはわかるが、松下幸之助や本田宗一郎まである。
ある意味、革命家と言えば革命家なんだろうけど。

「生死は度外に措くきて唯だ言ふべきを言ふのみ」(吉田松陰)
「成せばなる」(上杉鷹山)

いい言葉もあるが、その人の人生、行動哲学、言葉が発せられた状況から切り離された言葉にどれほどの意味があるのか疑問ではある。
でもまあ、読むだけで元気になる言葉もある。

表紙がゲバラでかっこいい。

清稜監査法人『新・学校法人会計基準ハンドブック』清文社

2015-01-12 21:54:18 | 財務・会計

学校会計基準が4月から変わる。
それにあわせて一番早く出版されたのがこの本だろう。
もともと学校会計基準は補助金を受けるために、資金がどのように使われるかを国に報告するのが目的だった。そのために、企業会計とは異なる形式になっていた。資金収支計算書はその目的のためには優れたものだったのだろう。
経営状況を知るために、損益計算書に近い消費収支計算書もあるが、学校は永続的に続くことが条件だということで「基本金」という特殊な会計概念も取り入れられている。
私立学校法、私立学校侵攻助成法という二つの法律から求められる目的が異なるため、二つの収支計算書を持つことになった。
しかし、経営状況を知る目的や利害関係者への説明責任から消費収支計算書はよりわかりやすさを求められるようになった。
企業会計ではキャッシュフロー計算書が当たり前になったが、資金収支計算書をそれに似せるようにした。
この流れが今回の会計基準の様式変更になったのだろう。
資金収支計算書の名称はそのままだが、キャッシュフロー計算書に近い活動区分資金収支計算書を作成することになった。
消費収支計算書は、事業活動収支計算書という名称に変わり、並びも損益計算書に近くなった。
この本の出版の後、続々と新・学校会計基準に対応した本が出されている。
改訂版を含め、まだまだ出版は続くだろう。

この本の良いところは財務分析についての解説があるところだ。
企業会計の分析と似た安全性の分析、効率性の分析、資金安定性の分析が解説されている。
学校法人会計におけるFCF(フリーキャッシュフロー)についての解説もあってなかなかおもしろい。
ただ出版が早すぎたこともあって、分析指標の取り方が私立大学連盟の案と少し異なっている。
ここは要注意だろう。

映画『マンデラの名もなき看守』

2015-01-11 23:14:06 | 人間学
コーサ語ができたばっかりにマンデラの看守になった白人のグレゴリーの悲劇であり感動の物語である。
マンデラは周りの者を感化する力があるんだろう。
黒人をテロリストだと思っていたグレゴリーが最後にはアパルトヘイト廃止支持者になっている。

息子を交通事故で失ったグレゴリーが、自分は仕事でマンデラの息子の情報を売り、マンデラの仲間の情報を売ったことを嘆く。
マンデラもまた息子を交通事故で失ったことがあるのだ。
マンデラはグレゴリーに「それが君の仕事だったんだ。仕方ない」と言う。
「過去を悔やむより、未来を見つめろ」と。

この映画を見て、ダライ・ラマ14世を描いた『セブンイヤーズ・イン・チベット』を思い出した。
西洋人から見たアジアの聖人。
この映画もまた白人から見た黒い聖人を描いている。
マンデラ自身は自分が聖人ではないと言っている。
映画『マンデラ』を見れば確かにそうだ。不倫、暴力、武装闘争。聖人がやることではない。
しかし、マンデラはそれでも聖人に見える。
彼の信念と行動が聖人の証しに思える。

邦訳のタイトルはよくない。
「グッバイ、マンデラ」でいい。

原題:GOODBYE BAFANA
製作年度:2007年
上映時間:117分
製作国:フランス,ドイツ,ベルギー,南アフリカ
監督:ビレ・アウグスト


渡辺明『勝負心』 文春新書

2015-01-11 15:46:19 | 人間学
羽生善治を「生きた教材」と言う渡辺明竜王。
現在30歳の彼は羽生氏と14歳の年齢差がある。
これまで将棋界は大山康晴、中原誠、谷川浩司という天才を生み出してきた。
羽生善治の登場によって、それまでの歴史が塗り替えられた。
羽生の登場は、コンピュータソフトを使いこなす世代の代表のようにも言われたが、この世代の層の厚さが羽生を生んだとも思える。
羽生世代は定跡の体系化をはかり、将棋をシステマティックにした。島朗九段がデータベースをつくり、『羽生の頭脳』が画期的な定跡書になった。
その次の世代の代表が渡辺明竜王。
将棋界に限らず、常に新たな世代が前の世代を乗り越える。
羽生の新しさは既存概念にとらわれない戦術とともに休みの日に水泳などスポーツを楽しむ姿だった。
渡辺は競馬が趣味で、対局の直前まで競馬中継や競馬新聞を見ているらしい。
大胆な発想の反面、対局中にお菓子を食べるのは、自分の手番というように対局者に対して細かな神経も持ち合わせている。

熱意こそ才能。
渡辺はそう言う。
渡辺の強さは、将棋への熱意を研究に注ぎ、熱意を持ち続けられるところだろう。

江崎浩『なぜ東大は30%の節電に成功したのか?』幻冬舎新書

2015-01-11 15:19:56 | 大学事情
東京都内の業務用施設で一番CO2を排出しているのは東京大学の本郷キャンパスだという。
駒場Ⅰ・Ⅱキャンパス、白金キャンパスもあるので都内で膨大な電気を使用していることになる。
東京大学の年間の電気代は50億円になる。20%節電できれば10億円尾コストが浮く。
グリーン工学部プロジェクトのゴールは、2030年までに50%削減なのだそうだ。
ビル・エネルギー管理システム(BEMS)のオープン化で10%は削減できると見込み、ネットワークのオープン化、情報のオープン化を進めることによって、30%削減を実行したようだ。
ネットワークのオープン化は、IT企業、ゼネコンなどファシリティー・マネジメントの外注化によって実現した。
情報のオープン化=「見せる化」はスマートメーターを各所に取り付け、インターネット上で電気使用量が見えるようにした。
具体的な節電は次のようなもの。
・高効率証明への取り替え LED化
・ガス空調の利用
・100V電源プラグでの電力使用量モニタリング
・パソコンの動作モードの管理制御
・サーバーの仮想化・集約化
・サーバーのクラウド化
・デスクトップPCのノートパソコン化
・サーバー室の節電
・発電設備の設置

東大は工学部のサーバーなどもともと節電効果がある設備がある。
贅肉が多すぎたのだとも思える。
しかし、一般の大学のキャンパスでも参考にできることはある。

前田明洋『ナレッジ・コモンズ グローバル人材を育むキャンパス空間』日経BP社

2015-01-11 09:16:45 | 高等教育
最近高等教育改革で流行っているアクティブラーニングに対応したキャンパスをどうつくるかという内容。
ラーニング・コモンズからナレッジ・コモンズへということらしい。
岡村製作所というオフィス製品を作っているメーカーからの提案でもある。

アクティブラーニングといっても、3つに分類されるという。
(1)知識習得型
(2)課題解決能力養成型(Problem-based Learning)
(3)新価値創造型(Project-based Learning)

(2)と(3)は略するとどちらもPBLなので混同されがちなのだという。
(2)はマイケル・サンデルの「トロッコ問題」の授業の作り方のような「自分の頭で考える」ことを目的とすることに有効なんだそうだ。
課題を出して、ファシリテータやティーチング・アシスタントなどをいれてとグループ討議をして必要に応じて講義も聴く。
(3)は「裸足の国に靴を売りに行く」ことを考えるような課題に向いているらしい。アイデア出しをしてエスノグラフィー研究などをやって、グループ討議、プレゼンと進んでいくようなやり方だ。

大学内で行っている学習環境はラーニングコモンズだが、卒業後も生涯学習するスタイルがナレッジ・コモンズで学生が卒業生とコラボしたりすることを目指している。

p.172で横軸にパーソナル、コラボレーション軸、縦軸に特設、可変軸で学習環境を分類しているが、結構面白い。
教員の研究室とコラボレーションスペースというのは対極に位置している。

カタカナが多い本であるが、メーカーの人が書いた本としてはなかなか深みがある。

守屋洋『孫子の兵法』 三笠書房知的生きかた文庫

2015-01-05 14:09:28 | 哲学・宗教
色の基本は、青、赤、黄、白、黒の五つに過ぎないが、組み合わせの変化は無限。
音階、味も基本は五つに過ぎないが、組み合わせの変化は無限。
戦争は、「奇」と「正」の二つから成り立っているが、その変化は無限。誰も知り尽くすことはできない。

兵法は戦いの書であるが、軍の統治の書でもある。
「兵は多きを益とするにあらず」
・数が問題ではなく、一致結束を図ることが肝要
・罰の適用は慎重に、しかし、必要な時はためらってはならない
・温情(文)と軍律(武)の両面が必要
・軍律は普段から徹底させておかなければならない

この本は兵法のエッセンスをわかりやすく解説してくれる本である。
将棋は定石を覚えなければ上達しないように、戦術を覚えなければ応用できない。
スポーツでも経営でも応用できるというのが兵法の面白いところだ。

加来耕三『黒田官兵衛 軍師の極意』小学館新書

2015-01-05 11:39:01 | 歴史
黒田家の黒田は、滋賀県の伊香郡黒田邑に先祖が住んだからという説がある。ただこの黒田邑、もう今はない。
また、播磨国高郡黒田村に出自があるとの説もあるらしい。こちらの黒田の地名はまだある。
播磨で黒田の地名はここだけなのでその説が出たらしいが、黒田家の系図がこの黒田の荘厳寺という真言宗の寺にある。
少し怪しい説なのだが、いずれ真偽は明らかになるだろう。
秀吉の軍師として、中国大返しなどの戦術を編み出した官兵衛は大河ドラマで描かれている人物像と近かったのかもしれない。
獄中に捉えられても主君を裏切らず、報酬を求めず懸命に働いた。
戦に秀でて、家臣にも慕われた。
家康、光成と対峙しようと九州平定し、天下を目指したのが本当かどうかはわからない。
最初から恩賞として領地を広げたかっただけとの説もある。
官兵衛のおかげで、去年は軍師ブームになった。
会社にも軍師、参謀が必要とか。
戦において、竹中半兵衛、黒田官兵衛という軍師がいなければ秀吉の天下はなかったのだろう。
しかし、統治するためには石田三成が必要だったのだろう。
この両方が経営には必要だと思う。

伊藤元重『経済学で読み解く これからの日本と世界 』PHPビジネス新書

2015-01-05 11:29:53 | 経済・金融
「日経MJ」と「静岡新聞」に連載されたコラムをまとめたもの。
その時々に読んでいたら面白かったのだろうが、バラバラに短くまとめた文章は全体像がつかみにくい。
長期のトレンドを押さえておけば、日本がどこに向かうかがわかるという。
医療が雇用を生むとか当たり前のことなのでもう少し深い掘り下げが欲しいが、コラムなんで無理か。
この経済学者は政権に影響力があると思われるが、理論を読みたい。