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映画『リンカーン』

2013-12-31 17:00:40 | 人間学
監督:スティーヴン・スピルバーグ
主演:ダニエル・デイ=ルイス、サリー・フィールド
2012年アメリカ

リンカーンはどんな人物だったのか。
奴隷解放、人民の人民による人民のための政治。
南北戦争を終結させ、奴隷解放の憲法修正条項を成立させた。
そして暗殺された。

リンカーンはときに黒人兵士とも直接話し、戦地に赴き、兵士を慰め、あるいは鼓舞する。
野党議員と一対一で魂の話しをする。
一方で議論に終始する閣僚には、権力者として命令し、実行させる。
そういう人物に描かれている。
大統領なので独裁者のようになるときもあるだろう。
でなきゃ切り開けない局面もある。

この映画で印象に残ったセリフがひとつだけある。

リンカーンは戦争で長男を亡くしている。次は次男が軍隊に志願するという。
リンカーンも反対だったが、半狂乱になって、リンカーンを責める妻。
次男を愛していない、長男のときもそうだったとわめく。
リンカーンは「長男が亡くなった時に、お前を精神病院に入れるべきだった」と怒鳴る。
ひとしきり怒鳴りあった後、感情を抑えて、リンカーンは妻に
「自分も毎日嘆いている。一日中嘆きたいときもある。君と同じだ」と言う。

「われわれは重荷を背負いながら、決断しなければならない。そして、耐えなければならない。
我々は自分の重荷を軽くしていかねばならない。或いは、それに押し潰されるか。君次第だ」

われわれは歳を取れば取るほど、いつのまにか重荷を背負っている。
しかし、そのなかで決断しなければならない。
そしてどんな結果になろうとも耐えなければならない。
重荷は自分で軽くしていくしかない。
そうでなければ押しつぶされるだけだ。
誰も助けてはくれない。
自分の重荷なのだから。
たとえ夫婦であっても。

スピルバーグらしいドラマだと思う。
皮肉ではないが、道徳の授業にも使えそうな映画だ。
誰でも一度は見る価値がある。

佐藤優『人に強くなる極意』青春新書

2013-12-30 17:13:22 | 人間関係学
人に強くなる極意として佐藤氏は、「怒らない」「びびらない」「飾らない」「侮らない」「断らない」「お金に振り回されない」「あきらめない」「先送りしない」ことを上げている。
否定形での教えだが、怒ること、断ること、あきらめること、先送りすることの見極めも大事だとも述べている。

怒らないためには、日頃ストレスを溜めないこと、怒りを昇華させるためによい小説、よい映画を読むことを薦めている。

びびらないこと。佐藤氏が拘留514日を経ても、自白させられなかったのは、検察のハッタリや脅しが通じなかったかららしい。
エリートは「お前は社会のクズだ」「犯罪者だ」などどなじられるとそれまでの自信を一気に失って、検事の言いなりになるらしい。これを検察は「相手を自動販売機にする」と言ってるとか。
佐藤氏はインテリジェンス経験者として検察官よりもハッタリや脅しには慣れていた。
相手にびびらないためには、相手を知ること、相手の内在的論理を知ったり、いろんな体験からあらゆる場面をシミュレーションしておくことが重要だと。体験が少ない場合は、小説や映画などで想像力を働かせることなのだそうだ。

侮らないためには「内省ノート」で毎日の相手の行動の分析をすること。
断らないことは、自分に力をつけるために必要だと。
佐藤氏は、毎月本を300冊読み、原稿を1000枚以上書いているが、それはだんだん自分の容量を増やしていったからだ。
知の怪物と呼ばれる由縁だ。

最後に時間感覚について、うつ病や統合失調症の人は、「取り返しがつかなくなった」「もう終わってしまった」という感覚が強いらしい。時間に対する柔軟性、いつでもやり直しがきくんだという感覚が大事だそうだ。
それは先送りする、しないの見極めにも通じる。

佐藤優の顔を思い浮かべるだけで、人に強そうな気がする。
だが、この本を読むだけで、人に強くなるなんてことはない。
佐藤氏が拘留中も強い気持ちでいられたのは、大学で神学を深く学び、考える芯を築き、外務省でスパイもどきの目の前の仕事を誠実にこなし、修羅場を論理的に見極めていった成果であり、鈴木宗男を裏切らないと誓った情熱からだろう。
この本を読むと、ムネオハウスも世間とは違って見える。

映画『フライト』

2013-12-30 16:38:59 | シネマ・テレビ
監督:ロバート・ゼメキス
主演:デンゼル・ワシントン
2012年アメリカ

飛行中に故障した飛行機を不時着させて、死者を6人にとどめたベテランのウィトカー機長(デンゼル・ワシントン)。
一躍ヒーローになった機長。その機長が実はアル中で、薬中だった。
調査委員会の調査が進むが、事実が判明すれば終身刑になる可能性もある。機長の運命はいかに、という展開。

つまらないストーリーなのに最後まで緊張感があるのはデンゼル・ワシントンの演技のせいだろう。

こういう娯楽でない映画はプロデューサーも作るのに迷うだろうなあ。
賞のノミネートがやたらと多いのは、最近こういうシリアスな映画が少ないからだろう。
教訓としては乗るなら飲むな、飲むなら乗るなというシンプルなこと。
いや、違った。
真実から目を背けるな、自分に嘘をつくなという根源的なことなんだろう。

デンゼル・ワシントンはジーン・ハックマンと共演した『クリムゾン・タイド』が一番いいと思う。
デンゼル・ワシントンの知的でまっすぐな演技ところがよかった。
『フライト』は、一見ダメ男、実は善人を演じるデンゼル・ワシントンがいいかな。
最後は泣ける。

映画『オブビリオン』

2013-12-30 16:23:57 | シネマ・テレビ
監督:ジョセフ・コシンスキー
主演:トム・クルーズ、アンドレア・ライズボロー
2013年アメリカ

舞台は西暦2077年、地球は60年前に起きた異星人スカヴとの戦争に勝利したが、放射能汚染で地球は住めなくなり、人類の大半は、土星の衛星であるタイタンへの移住をしているという設定。
地球に残った元海兵隊司令官ジャック・ハーパー(トム・クルーズ)とヴィクトリア・オルセン(アンドレア・ライズボロー)が、上空から地上を監視する日々を送っていたが、ある日のパトロール中にジャックは、墜落した宇宙船かた助け出した女性宇宙飛行士ジュリア・ルサコーヴァ(オルガ・キュリレンコ)から新たな真実を聞かされる。

人類の反乱軍のリーダーをモーガン・フリーマン演じていたりして、仕上がり品質の高さ、映像の美しさ、ストーリーのおもしろさでは損しない映画だと思える。
ただ、SFとしては、すべてどこかで見た印象を受けるし、ストーリーのオジリナリティーなどは感じられない。

ハリウッドのプロデューサーたちが、ある程度の興行収入を得るためのポイントをすべて押さえているという映画だ。

ただ、映画の見方として、優れた兵士として1000体のクローンとなったジャック・ハーパーの消された記憶を軸にするのも面白い。
その記憶に残る妻の映像。その映像から人間性を取り戻していくクローン・ハーパー。
そしてクローン・ハーパーはスカブとともに爆死。
それを受け継ぐもう一人のハーパー。
教訓としては、消し忘れのビデオからとんでもないことが起きるということか。
いや、記憶はクローンに引き継がれるのかということ。