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お気楽ビジネス・モード

ビジネスライフを楽しくする知恵や方法を紹介する

國貞克則『超図解 「財務3表のつながり」で見えてくる会計の勘所』ダイヤモンド社

2008-06-30 23:56:39 | 財務・会計
『財務3表一体理解法』と同じ著者の本。もっと簡単でわかりやすい。しかし、勘所である減価償却費や棚卸資産などは十分に解説してある。
3表一体理解法は簿記に慣れていない者にはとてもわかりやすいが、簿記が身に付いている人にはまどろっこしいのかもしれない。
決算で必要になるP/Lの当時純利益とB/Sの株主資本のつながりくらいで十分なのだろう。
経理実務をしないけれど財務分析をする必要がある者にとってはとてもよい本だ。

J・スターン他 伊藤邦雄訳 『EVA 価値創造への企業変革』日本経済新聞社

2008-06-22 21:46:41 | 財務・会計
EVAは業績指標として使われるが、ソニーなどグローバル企業は早くから導入している。
企業のキャッシュ利益からこの利益を生み出すのに必要であった資本コストを引いたもので、経済的価値を創造した場合はこの値がプラスになり、マイナスだと資本を浪費したことになる。
EVAを出す計算では負債コスト、株主資本コストを計算するのでWACCが出てきたり、ファイナンスの概念を知らないと理解できない。
EVAはスターン・スチュワート社が開発したものなので、EVA自体に商標権があり、EVAという概念を使う本には必ず「EVAはスターン・スチュワート社の登録商標である」という一種の宣伝が入る。実際のEVAを出すときには広告宣伝費や教育訓練費などを調整する。これはスターン・スチュワート社が考えたものだが、この工夫に意味があるようだ。
EVAは営業コストから資本コスト、財務コストをマイナスして価値を見るので、キャシュフロー計算書が営業CF-投資CF-財務CFで当期に生んだキャッシュを導くのと考え方が近いともいえるそうだ。

R・キャプラン、D・ノートン(櫻井通晴訳)『戦略バランスト・スコアカード』東洋経済新報社

2008-06-22 19:35:57 | 財務・会計
BSCがよくわかる本。特にモービルについてはキャプランがHBSのケースにも使っているように成功例らしい。
キャプランはクーパーと標準原価計算の欠点を補うためにABC(活動基準原価計算)を考案した。その後、コンサルタントのクーパーといっしょにBSCを考案した。これは、業績評価が財務に偏重しており、戦略との整合がとれていないことを考慮して新たな業績評価方法をつくったものだ。
BSCの最もよいところは、戦略マップにより構成員全員が戦略と自分の関係を意識して仕事が出来ることだろう。確かに一枚の図で戦略と自分の関係が分かるのはよい。そして、業績評価表でも戦略を意識して評価のウエイト付けが出来る。
しかし、財務、顧客、内部プロセス、学習と成長という4つの指標は互いに相関するが、遅行指標である財務の指標は外部要因の影響を受けやすいので、必ずしも先行指標と相関しない場合がある。また不完全なBSCなら組織が混乱するだけなので、やらないほうがましらしい。
最近、九州大学がBSCを使うというニュースがあった。営利企業だけでなく非営利組織にもBSCは応用できるらしい。九州大学では誰がBSCの導入を考えたのか知らないが、BSC導入に当たってはその組織に合う方法をとことん考える必要があるだろう。

キース ヴァン・デル・ハイデン『シナリオ・プランニング』ダイヤモンド社

2008-06-22 19:12:05 | 財務・会計
シナリオ・プランニングはもともと第二次大戦中にアメリカ軍の作戦演習から考え出されたもの。企業経営で役に立ったのは1970年代のオイルショックの時だという。シェルはシナリオ・プランニングによって急激な変化に対応して危機を切り抜けた。この時以来、石油や電力などエネルギー産業ではシナリオ・プランニングの考え方が当たり前になったらしい。
 現在、シナリオ・プランニングは企業経営や研修でも用いられているが、経営計画でも管理会計として利用されているらしい。
 その際に何をシナリオドライバーにするかが重要な問題。起きる可能性は低いが、起きると経営に重大な影響を与える要素をシナリオドライバーとして取り上げるのがポイント。意思決定留保が前提だが、中期経営計画ではPL、BSにまで落とし込むことが必要。
 財務とは関係なく、実際にシナリオ・プランニングが役だった例としてアパルトヘイト時代のアフリカ民族会議(ANC)でのグループ作業が書かれている。政治的に対立するグループが互いに悲劇的な未来と夢のある未来を考える中で妥協点が見いだせたそうだ。
 財務で使うシナリオ・プランニングの欠点として経営企画室だけで行い、視点が偏りがちになるそうだ。ANCの例のように対立する派閥や労使が共にシナリオ・プランニングに取り組むのは面白いかもしれない。

稲盛和夫 『稲盛和夫の経営塾』日経ビジネス人文庫

2008-06-22 18:45:48 | マネジメント・ガバナンス
盛和塾という経営塾は、1980年に稲盛和夫氏の講演を聴いた若手経営者たちが始めた会で今や1600名を超える会員がいるらしい。
確かに経営者としてのこの人の話を聴くと魅了されると思う。この本でも経営者の質問に答える形で稲盛氏が成功や失敗から学んだ興味深い話が書かれている。
目標管理制度を導入して年俸制にしたが、景気の動向で目標がずれ、給与も連動しないことをどうしたらよいかという質問には、「インテリが陥りがちなワナにはまっている」とバッサリ。すばらしい業績には栄誉と賞賛を与え、報償とで大差をつけないことがよいのだと教える。これは京セラの経営そのものだが、根底に人間は金銭だけではモチベートできないという哲学がある。
そのほかにも午後5時で帰らせている社員に残業をさせるべきかという質問には、全員参加経営にすることや、プロの給与体系を考えることと共に、「コンパを開け!」などのアドバイスが面白い。

デビッド・テイラー『ブランド・ストレッチ』英治出版

2008-06-22 18:27:54 | マーケティング
ブランド展開の方法には、①コア製品ラインの拡張、②直接的ストレッチ、③間接的ストレッチ、④360度ストレッチがある。
ダヴの例では、①敏感肌用石鹸、②ボディソープ、③シャンプー、④スパ経営である。360度ストレッチは自己中心的ストレッチになりやすい。けれど、ヴァージンのように「価値を追求する、大胆不適で陽気なファイター」という基本コンセプトで、レコードから航空サービスなど魅力的で競争力のある事業に展開して成功するケースもある。それも機能上のベネフィットと感情面のベネフィットがそろっていないと成功しない。ヴァージンがジーンズやウォッカで失敗したのは機能上競争力のあるベネフィットがなかったからだ。
あるブランドが強くなった要因は何だったのかをきちんと理解せずに闇雲にブランドを拡張するのは問題だろう。

国友隆一『京セラ・アメーバ方式』ぱる出版

2008-06-22 18:18:53 | 財務・会計
京セラはアメーバというミニ・プロフィットセンターで時間当たり収益性(時間当たり付加価値計算と呼ばれている)を測り、業績評価をしている。プロフィットセンターを単位とした責任会計システムだが、京セラが普通の会社と違うところは、この業績評価と報償が連動していないところだ。
こんなことをすると普通はやる気を失う社員が出てくるものだが、京セラは稲盛哲学でこれを克服しているとのこと。「敬天愛人」という経営理念、つまり他人のため、働き社会を豊かにすることが幸せにつながるという考え方を浸透させ、業績と報償を連動させなことにしている。といっても業績のよい人はみんなの前で表彰されるらしいが。
一種の宗教とも思える稲盛哲学がこの会社を支えているようだ。