goo blog サービス終了のお知らせ 

お気楽ビジネス・モード

ビジネスライフを楽しくする知恵や方法を紹介する

遠藤功『現場力を鍛える』(東洋経済)

2008-03-31 23:37:31 | オペレーション戦略
強い現場をつくる七つ道具として、業務連鎖、人、場、組織、業務評価、情報技術、基本哲学が上げられている。現場でPDCAサイクルが意識的に回っており、問題発見から問題解決まで行われている組織ほど強いものはないだろう。倒産時の吉野屋がそんな感じだったんじゃないだろうか。
トヨタでは、PDCAに+A(Achievement)効果の検証でPDCAAサイクルなのだそうだ。Actionの効果のまで追求する現場力。さすがトヨタ。

上野啓子『マーケティング・インタビュー』(東洋経済新報社)

2008-03-30 14:04:54 | マーケティング
マーケティング調査をアンケートなど定量的な方法でなく、デプス・インタビューなど消費者の深層に迫る定性的な方法を使うときに役立つ本。ブランドや企業、製品のイメージを写真から選んで表現してもらうコラージュ法や何かに例えるアナロジー法などは参考になる。

阿久津聡・石田茂『ブランド戦略シナリオ』(ダイヤモンド社)

2008-03-30 13:58:24 | マーケティング
ブランドとは何か? もやもやした気持ちがこれを読んで一気に晴れた。企業が考えるブランドアイデンティティと消費者がもつブランド・イメージ。これをつなぐブランド・コミュニケーション。企業はブランドアイデンティティをどのように整理し、消費者にどのように伝えるか。消費者のブランドイメージは表層から深層まで、必ずしも企業が思い描くイメージでは伝わらない。それをブランドコミュニケーションでどう形成するか。
ブランドとは焼き印、ロイヤリティを高めるものという考え方ではなく、企業と消費者の関係性で捉えると、ブランドがどのような意味を持ち、企業がどのように働きかければよいかの課題が見えてくると思う。
アセロラドリンク、サントリー烏龍茶、ミツカン食酢の事例はとても参考になる。

山田真哉『食い逃げされてもバイトは雇うな』

2008-03-26 23:15:53 | 財務・会計
前作『さおだけ屋はなぜ儲かるのか』はアカウンティングの入門書として読むととても面白かったので、この本を買った。けれどかなり期待はずれだった。この本はアカウンティングというより見かけの数字や現象に騙されるな、というテーマの本である。簡単すぎて得るところはほとんどない。下巻までいっしょに買ってしまったのが悔やまれる。新書も一度売れると、その作家はブランドとして安易な売り方の対象になってしまうのか。この本の作り方じゃブランド損失だと思うが。

毛利敏彦『大久保利通』中公新書

2008-03-25 22:57:13 | 歴史
1969年に初版が出版された大久保利通研究の古典的な本。
明治のジャーナリスト池辺三山は大久保利通のことを「堅忍不抜、一度思い極めたことは非常な執着力をもってそいつを実行する」と評したらしい。
西郷隆盛は自分の「築造と破壊の才」に対して、大久保の「造作の才」を評価した。
大久保が欧州視察の際にドイツのビスマルクと会い、弱小のプロシアが大ドイツ帝国になったことに感銘した。そのドイツにならって富国強兵、殖産興業に邁進したのだとうという解釈。

吉田松陰のように学問を極めたわけでもなく、坂本龍馬のように壮大な発想があったわけでもない大久保利通にとって、ヨーロッパ見聞は理想の未来像を描く素材となったのだろう。西郷隆盛との差はこの欧州視察に行った者と行かなかった者の差かもしれない。

山田 敦郎『パワーブランド・カンパニー』

2008-03-13 21:34:31 | マーケティング
「ワンボイス」戦略をとるフェデックスとキャタピラー、「ブランドは顧客がつくるものである」でエブリデー・ロープライスをコアにブランドを考えるウォルマート、企業名を隠した複数の商品ブランドで市場を網羅する「マルチブランド戦略」のGMなど、企業によってブランド戦略は異なる。面白いのは金融機関のブランディングだ。金融機関に求められるブランドイメージは、資金的な「信頼」、口座を持つことによる「ステイタス」、どこでも使える「グローバル性」や「地域性」など。その金融機関が対象とする顧客によっても重点は異なってくる。エレガントなブランドを目指すモルガンスタンレー、銀行、証券、保険を扱い、地域と国際市場で展開するため、ワンブランドとマルチブランドを組み合わせたシティグループなど。ブランドを考える上でとても参考になる。

遠藤功『プレミアム戦略』

2008-03-01 14:14:33 | マーケティング
バブル崩壊の後、低価格の商品が売れ続けたが、特別な消費として高価格商品の売れ行きも伸び、市場が二極化してきた。最近では景気の回復も後押しして、高価格帯のプレミアム市場が注目されている。自動車のレクサスやビールのザ・プレミアム・モルツなどがなぜ成功したのかについて、この本は解説している。

著者は「プレミアム」の定義について、機能的価値と情緒的価値から以下のように述べている。

機能的価値について、上質感を極めるための作り手の技術力と創造力が不可欠。
その上で、情緒的価値として、消費者との「見えない絆」を作り出すことが重要。
プレミアムとは、プラスαの対価を支払ってでも手に入れたいと思わせる「特別な価値」「プラスαの価値」と定義することができるのだ。
「高額品=プレミアム」ではなく商品単価が低い日常品でもプレミアムはありうる。
ではプラスαの価値とは何か?
機能的価値において、圧倒的にレベルの違う価値を訴求しなければならない。
「レベルの違う上質感」という形としての目に見える独自の上質性が備わっていなければ、プレミアムにはなりえない。
しかし、消費者の感性に訴える情緒的価値という見えない価値が備わっているかどうかが重要になる。その商品を手にすることによる精神的な満足、オーナーとしての誇り、作り手に対する共感など、消費者の情感に訴えかけ、作り手との「見えない絆」を作り出すことができるかどうか、それが真のプレミアムであるかのどうか分岐点になる。

またプレミアム商品を売る上で重要な要素として、フラッグシップ製品、ストーリー、価格設定を上げている。
フラッグシップの必要性についてはレクサスの日本市場での初期の失敗はフラッグシップ製品であるLSの開発が遅れたことを上げている。
ストーリーの大切さについては、ザ・プレミアム・モルツの開発における醸造家・山本隆三の欧州で受けた衝撃から素材のこだわり、モンドセレクション最高金賞受賞までの苦労の秘話が紹介されている。
価格設定では、プレミアム商品はマスマーケティングでなく、収益性の高い製品の少量販売で成り立っている。作り手が製品に込めた価値を示すことが重要であることを述べている。

この本を読むとプレミアム戦略はブランド戦略の一種だということがよくわかる。
とくにコンテクスト・ブランドマネジメントとして捉えるとSTP、4P、心脳マーケティングなどのフレームワークで理解できる。