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お気楽ビジネス・モード

ビジネスライフを楽しくする知恵や方法を紹介する

日経デジタルマーケティング『最新マーケティングの教科書』日経BPムック

2015-01-14 23:39:32 | マーケティング
最新マーケティングのキーワードで、LINE、アトリビューション、ウェラブルデバイス、ショールーミング、データサイエンティスト、ビッグデータ、ソーシャルリスニング、フラットデザインなどが解説されている。
最新マーケティングは、ソーシャルメディアやビッグデータ、ウェラブルのテクノロジーなどがトレンドのようだ。
サイバーネットワークが発展する一方で、アンバサダーでの口コミやショールーミングのリアルとの融合などの試みもある。
ピンクのクラウンのトヨタ、パルコのLINE活用大丸松坂屋のさくらパンダのキャラクターマーケティングなど成功例も面白い。
口コミで広がる価値のある商品、ソーシャルメディアで特定の層への拡散、ビッグデータ活用によるマーケティング調査の精度向上などが最新マーケティングの成功のカギのようだ。

ステファヌ・マルシャン『高級ブランド戦争』駿台曜曜社

2010-08-21 23:06:58 | マーケティング
2000年前後のLVHMとグッチの株式保有を巡る攻防やプラダやカルティエなどの高級ブランドのビジネスについてのルポルタージュである。
ブランドの解説書でも経営学書でもない。誰が買って読んでいるのか。おそらく業界人なのだろう。

高級ブランドがそれぞれ自社生産して、直営店で販売している時代からルイ・ヴィトンが鞄やプレタポルテだけでなく、香水、時計、宝石から酒まで企業を吸収合併し、マルチブランドの企業としてビジネスを展開し始めてから様相は一変した。
定番ばかりが売れていたので在庫という考え方がなかった時代から、シーズンごとに商品をデザインし、流通させ、販売する時代に変わった。
ブランドは売れるポジショニングでリメイクされ、希少価値と品質でブランドを演出するためフランチャイズ店を買い取り、専門店の販売中心にする。ブランドイメージをつくるために広告費支出の比率が急激に高まる。
デザイナーの引き抜き合戦から企業のM&Aなどが活発に行われる。

この本はその動きが最もさかんになったグッチをめぐるLVHMとPPRの攻防を軸に描かれている。
デビッド・アーカーのブランド戦略の本とはまた違う側面からブランドについて考えさせられる本である。
分厚い本だが、内容は薄っぺらいのが残念。

陶山計介『日本型ブランド優位戦略』ダイヤモンド社

2009-02-14 14:45:12 | マーケティング
アーカーの『ブランド優位の戦略』の訳者が書いた日本のブランド優位戦略論。
欧米が個別製品ブランド主導であるのに対して日本は企業ブランド主導であると一般的に言われている。しかし、著者らは製品ブランド戦略も企業ブランド戦略も日本では不十分であると考えている。
欧米との違いは個別製品ブランドの歴史や伝統がなく、「神話」や「ストーリー」という手法が使えない。
それを補うために日本では製品、組織、人格、シンボルの各次元のブランドマネジメントを忠実に明確に行っている傾向があるようだ。
これらもアーカーの概念の日本ケースへの応用である。
アーカーの『ブランド優位の戦略』の解説本としてはよてもよい。

デビッド・アーカー『ブランド優位の戦略』ダイヤモンド社

2008-12-08 23:46:45 | マーケティング
アーカーの『ブランド・アクイティ戦略』ではブランドを資産として見る視点とその構成要素、測定方法を提唱していた。ブランド・アクイティ(資産)を構成する要素は、ブランド認知、品質知覚、ブランド連想、ブランドロイヤリティである。ブランド形成の課題は、企業が作るブランドアイデンティティを顧客とのコミュニケーションを通じて、顧客のなかにどのようなブランドイメージが作られるかである。『ブランド優位の戦略』ではブランドイメージ形成にはブランド連想が中心的なドライバーとなることを説いている。アーカーは「ブランド・アイデンティティはブランド連想のユニークな集合体である」と言う。コア・アイデンティ=環境が変わっても維持し続けるアイデンティティ、拡張アイデンティティ=詳細を付け加えることにより絵を完成させるアイデンティティと位置づけ、①シンボルとしてのブランド(ロゴ、スローガンなど)、②人としてのブランド(性格、顧客との関係)、③組織としてのブランド(企業理念、運営方針、文化など)、④製品してのブランド(個別製品の属性など)で分析する。この本に登場する例はホテルのマリオット以外は消費財産業などばかりだったが、サービス産業にどれほどブランド優位の戦略が通用するのか検討したい。

デビッド・アーカー『ブランド・エクイティ戦略』ダイヤモンド社

2008-11-17 22:57:50 | マーケティング
ブランドという実体のない抽象物を資産として見る。この考え方はその昔斬新なアイデアだったのだろう。いまやマーケティングを考える上でブランドの存在は無視できない。アーカーによるとブランド・アクイティは、株価×株式数の価値から有形資産や特許資産などをマイナスしていって求められる。
アーカーはブランド・エクイティの形成について、ブランド・ロイヤルティ、ブランド認知、知覚品質、ブランド連想―ポジショニングの決定、ブランド連想の測定、連想の選択、創造、維持、名前、シンボル、スローガンの順で説明する。そして一旦強力なブランドが形成されると、ブランド拡張も可能になる。しかし、成功するケースと失敗するケースがある。このあたりは『ブランド・ストレッチ』のほうが事例が新しいし詳しい。また、ブランドを再活性する事例も紹介されている。
30年以上前に発表された本だがいまでも通用する部分が多い。

梁瀬允紀『コーポレートブランドと製品ブランド』創成社

2008-11-17 00:13:01 | マーケティング
とくに新しいことが書かれているわけではないが、ブランド研究について大事なことはすべて書かれている。最低読むべき本もすべて上げられている。『マーケティング22の法則』というマーケティングの基礎本からブランド研究の権威デビッド・アーカーの『ブランドエクイティ戦略』や『ブランド優位の戦略』、ポストモダンマーケティングのジェラルド・ザルトマンの『心脳マーケティング』まで。
新書版なので持ち運びに便利なのもよい。ノート代わりに使える。

甲斐荘正晃『インナーブランディング』中央経済社

2008-11-16 23:48:58 | マーケティング
ブランディング活動をアウターとインナーという視点から捉えて、とくにインナーブランディングについて書いた本。ページ数は少ないが、こういう本はあまり見かけないので実際の実務には役立ちそう。
ブランドを「想い出の小箱」=「価値への期待」と捉え、ブランディングについては消費者、株主などへのアウターブランディングと従業員への「インナーブランディング」として捉える。
インナーブランディングでは、「価値への期待」のために自分は何ができるだろうかを考えるところまでが必要。
インナーブランディング活動は、お客様への約束となる定義されたブランド価値を実際の商品やサービス内容のなかで実現することを目的とする。そのため、商品の開発から設計、材料や部品の調達、生産、品質管理、物流、営業、アフターサービスなどすべての部署がインナーブランディング活動の主役となる。
この約束しているブランド価値を実現しようとするブランド意識は、正社員だけでなくパートタイマーや派遣社員など価値を実現のための業務に関わるすべての人が等しく持つ必要があるらしい。
具体的なインナーブランディングの進め方などが解説してあって、なかなか参考になる。

デビッド・テイラー『ブランド・ストレッチ』英治出版

2008-06-22 18:27:54 | マーケティング
ブランド展開の方法には、①コア製品ラインの拡張、②直接的ストレッチ、③間接的ストレッチ、④360度ストレッチがある。
ダヴの例では、①敏感肌用石鹸、②ボディソープ、③シャンプー、④スパ経営である。360度ストレッチは自己中心的ストレッチになりやすい。けれど、ヴァージンのように「価値を追求する、大胆不適で陽気なファイター」という基本コンセプトで、レコードから航空サービスなど魅力的で競争力のある事業に展開して成功するケースもある。それも機能上のベネフィットと感情面のベネフィットがそろっていないと成功しない。ヴァージンがジーンズやウォッカで失敗したのは機能上競争力のあるベネフィットがなかったからだ。
あるブランドが強くなった要因は何だったのかをきちんと理解せずに闇雲にブランドを拡張するのは問題だろう。

上野啓子『マーケティング・インタビュー』(東洋経済新報社)

2008-03-30 14:04:54 | マーケティング
マーケティング調査をアンケートなど定量的な方法でなく、デプス・インタビューなど消費者の深層に迫る定性的な方法を使うときに役立つ本。ブランドや企業、製品のイメージを写真から選んで表現してもらうコラージュ法や何かに例えるアナロジー法などは参考になる。

阿久津聡・石田茂『ブランド戦略シナリオ』(ダイヤモンド社)

2008-03-30 13:58:24 | マーケティング
ブランドとは何か? もやもやした気持ちがこれを読んで一気に晴れた。企業が考えるブランドアイデンティティと消費者がもつブランド・イメージ。これをつなぐブランド・コミュニケーション。企業はブランドアイデンティティをどのように整理し、消費者にどのように伝えるか。消費者のブランドイメージは表層から深層まで、必ずしも企業が思い描くイメージでは伝わらない。それをブランドコミュニケーションでどう形成するか。
ブランドとは焼き印、ロイヤリティを高めるものという考え方ではなく、企業と消費者の関係性で捉えると、ブランドがどのような意味を持ち、企業がどのように働きかければよいかの課題が見えてくると思う。
アセロラドリンク、サントリー烏龍茶、ミツカン食酢の事例はとても参考になる。