阿部ブログ

日々思うこと

カリスマ経営者・大久保恒夫氏 と ユニバーサル開発手法

2011年12月20日 | 日記
最近、NHKオンデマンドの「プロフェッショナル」でカリスマ経営者・大久保恒夫氏の番組を見た。
『仕事の流儀 「人が変われば、会社は変わる~小売り再建 大久保恒夫」』である。

成城石井の社長時代の大久保氏を取材した番組だが、大久保氏は、成功の要因を3つ挙げている。
即ち、
 1、明るく挨拶
 2、クリーンネス
 3、品切れさせないこと、である。

それと値段を下げないで販売する方法としては5つあるという。

①「優位置陳列」・・・お客さんは計画購買じゃなくて非計画購買なので来て見て買う比率が80%。だから商品が目立つ位置に置いて、こんな商品もあるのか見てもらう。
②「豊富感」・・・この豊富感を出すために商品在庫を多く持って、しかも積み上げてアピール。
③「POP」・・・商品のよさをアピールする「POP」をつける。確かに個人的にもPOPは読んで購入の参考にする。
④「接客」・・・当り前だろう!と言われそうだが、これは大久保氏の言う「明るく挨拶」につながるもので確実にクレームが減ると言う。
⑤「声掛け」・・・「お客様これおいしいですょーっ。私も好きなんです」と声掛けんどする。これが効果的とか。

たったこれだけ?と思うが、これが重要なんだと力説する。しかし反論の余地は無い。彼の実績を見れば明らか。
でも、別の要因もあるだろう?と勘ぐっていたが、ユニバーサル・シェル・プログラミング研究所主催の「ユニケージ開発手法」の説明会に参加して謎の「一部」は解けたと感じた。

それは「IT」だ。
それも天才バイヤーの暗黙知を可能限り形式知にしてそれをシステム化したのだ。
勿論、ユニゲージ開発手法を用いて。
デモンストレーションで画面イメージを一部見ることが出来たが、説明を受けると「成程ね~」と感じ入った。
後述するが、素人でも「これは良いシステムだ」と直観する。

成城石井のシステムは、基幹系システムからデータをテキストファイルとして取り出し、複数台のサーバーを使って「分散バッチ処理」を行う仕組み。テキストデータとは驚きだ。
成城石井は、NHKの番組が放映された2009年10月に、既存のデータウエアハウス・ソフト「Dr.Sum」を捨てテキストファイルを使ったバッチ処理に切り替えた。

成城石井は関東を中心に70店舗を展開。取り扱う商品は合計3万にも及ぶ。この3万全ての商品対し、売り上げ個数や粗利益、値引き消化率、廃棄率、在庫数、納品予定など店長やバイヤーに有為なデータを1時間単位で店舗ごとに集計する。勿論基幹系から引き出したテキストデータにから集計するが、それにかかる時間は5分。
ジュライのデータウエアハウス・ソフト「Dr.Sum」では集計に30分以上の時間を要した。しかも全商品に関して店舗別売り上げを集計できていたわけではないと言う。

では何故に基幹系からのテキストデータだけを処理するだけで分析専用のDHWを上回る性能を上げうるのか?
それは単純。「分散処理」してるから。
成城石井の場合、POSレジから集められたデータは、わずか7台のブレード型サーバーで分散処理される。この時データを処理しているのは往年のUNIX bashスクリプトである。bashスクリプトはパイプ処理(並列処理)が可能であり、軽いシェルスクリプトは、各のブレードサーバーで高速処理されるのだ。

この処理を実現する為に、従来必要と思っていたデータベース管理システム、所謂、DB2とかOracleとかMSのSQL Serverが不要であり、かつミドルウェアが不要である点。これは大幅なコスト削減を可能とする。
こりゃ、画期的だ。
だが、ユニバーサル開発手法を語る講師は、これは独創ではなく、過去に回帰しているだけだと~

大久保恒夫氏が成城石井の社長に就任した時、社員に『商人魂を植えつけたい』と述べたそうだが、その商人魂とは。。。
『売り上げを上げようと思わなくていい。
お客様に満足していただければ自然と上がります。
売り上げが上がれば利益も増えます。
無理に売り上げを上げようとすると、安売りやちらし配布など、安易な考えに走ります。
まずやるべきことは挨拶。
スタッフ間やお客様と目を見て挨拶できているか。
クリーンネス(清掃)できているか。
品切れしていないか。品切れは絶対にダメです。
品切れを起こす商品は売れる商品ですし、お客様が買い物に来て品切れしていたら、がっかりさせてしまうことになります。』

そうだ!
この商人魂が基本にあり、その上でITによる商人魂の発露・思いを拡大する事が、将にお求められていることなのだ。
ITは道具、所詮「道具」。
やはり最後は「人」だ、ITでは無いね~

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