阿部ブログ

日々思うこと

第21回 靖国神社「奉納夜桜能」を鑑賞

2013年04月09日 | 日記
4月4日(木)、東京最古といわれる靖国神社の能楽堂にて第21回靖国神社「奉納夜桜能」が催された。 
夜桜能は、19時の火入れ式から始まった。靖国神社からの清めの火を受けて4名が能舞台両側の薪に火入れを行った。火入れの4人の内、一人は社会学者の宮台真司氏。天皇主義者を自称する彼は、2010年から靖国神社の夜桜能にて火入れ式を努めている。

演目の最初は、世阿弥作の舞囃子「八島」。世阿弥作とされる作品は意外と少ないのだそうだ。最初の能鑑賞で「八島」はラッキーだ。

続く演目は、狂言「入間川」。シテは、人間国宝の野村萬、アドは野村万蔵と野村太一郎。野村家は、和泉流狂言の名家として300年の歴史と伝統を誇る。野村家の狂言を「萬狂言」と言うが、これは2000年に当時の当主である八世万蔵が命名したもの。

シメは、能「天鼓 弄鼓之楽」。シテは梅若玄祥。物語の舞台は日本ではなく古代中国の後漢の時代の話。王伯・王母という夫婦に男の子を授かったが、この子は、王母が、天から鼓が降って胎内に宿るという夢を見て授かったと言う設定。その後、本当に、妙なる音色をたてる鼓が天から降ってくる。ここから物語が始まる。因みに「天鼓」は、七夕の牽牛星の別称。

春の嵐の後、葉桜が目立つ桜花の中、幽玄なる夜桜能は、初めての鑑賞ながら新鮮な体験だった。

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